とろろ

詩を書くことで、気持ちの整理をします。 短くて異化する詩が好きです。 今は失恋の痛手を…

とろろ

詩を書くことで、気持ちの整理をします。 短くて異化する詩が好きです。 今は失恋の痛手を詩にして傷を癒してます。

最近の記事

唾の味

期待もしなくなったころ ふと開いたWordに連名の書類 顔も浮かばなくなったころ ふとよみがえる唾の味

    • 困ったな

      困ったな あなたを忘れかける度 広告に見かける、あなたの苗字 困ったな あなたを忘れかける度 アルバムから掘り起こされる、消し忘れた写真 困ったな あなたを忘れかける度 偶然、テレビから流れ始める、あなたの好きな曲 あなたを忘れかける度 わたしを安心させない、あなたの痕跡が 手を振ってくる 困ったな

      • 可能性

        いろんな可能性を予想する。 あなたの痕跡から。 LINEのホーム画面から。 新しい彼女いるのかな、なんて。 彼のことだから夢中なんだろうな、なんて。 最後の連絡から。 もうわたしのこと興味ないんだろうな、なんて。 遠くに見えた後ろ姿から。 お互い意識するから、元の関係以下になったのかな、なんて。 LINEがこないことから。 引いたら相手は追ってくるって、信じて待ってるのかな、なんて。 いろんな可能性をふくらませて、しぼませて。 楽観と悲観を繰り返す。

        • あの頃は、まだ。

          この映画が話題にあがった頃。 あの頃はまだ、わたしとあなたは出会ってないのですね。 わたしの仕事が前職だった頃。 あの頃はまだ、あなたは学生だったのですね。 わたしとあなたがまだ、同僚として仲が良かった頃。 あの頃はまだ、わたしたちがドライブデートをするようになるなんて、思いもよらなかったでしょうね。 わたしとあなたがまだ、同僚として信頼し合ってた頃。 あの頃はまだ、わたしたちが互いに無関心になるなんて、思いもしなかったでしょうね。 あの頃はまだ、あなたが無関

          猶予

          毎日、毎日、 猶予を延ばすだけなのです 今日は忙しかったかな 今日は私のこと、思い出したかな そろそろ、恋しいんじゃないかな 明日はお休みだから、 連絡くれるんじゃないかな なんて。 心の奥底で もうLINEなんかこないと、 期待するだけ無駄なことを 待つだけ虚しくなることを なんの猶予もいらないことを 認めたくない自分への、これは猶予。

          残りもの

          気持ちが残っていたら あなたのところに戻るだなんて 笑わせんなよ そんなもの、 そんな、残りものの気持ちなんて いらねえんだよ、クソヤロウ

          残りもの

          肌寒い駅に起立すチューリップ

          肌寒い駅に起立すチューリップ

          土が見たい

          そういえば。 自分の住む町の、地面って見たことある? 学校の運動場はきっと、 どこからか運んできた土でしょう? 歩道の花壇だって、そう。 そういえば。 実家の目の前に、空き地があったわね。 あの土は、どうだろう。 地球の肌を見ていない。 見ずに生まれて、育ったら、 そりゃあ、大事にしないよね。 大事な人なのに、 マスク外したところを見たことないのと同じよね。 きっと、誰も コンクリートを剥がして、地球を見ようと言わないから だから、地球は自分でしようとしてるのね。

          土が見たい

          国語と美術

          共感できるものがなければ 自分でつくりだせるからいいのよね 欲しい言葉を書きだせるのも 見たいものを描きだせるのも だから、国語と美術は好きなのよ

          国語と美術

          一味とうがらし

          いいな、あなたは。 テーブルの上で 日の光を反射する 誇らしげな小瓶 いいな、役目がひとつで。 一つの味で、仕事を全うできて。 喜んでもらえて。 納得してもらえて。 それ以上を求められなくて。 あなたは、いいな。

          一味とうがらし

          知らない

          「品物を並べて」 「品詞分解してみましょう」 「試供品お入れしときます」 今日はただのシカク 3つのシカク 鏡を見るとわたし 写真を見るとわたし 今日は知らない人 20代そこらの知らない人 「少し待ってよ」 「ええっ もう集めるの?」 「あー忘れてた!」 今日は何語にも聞こえない  韓国語でも英語でも日本語でもある 知ってるものが知らないものに戻るとき

          知らない

          しみこむ

          気を遣うお局の、ながいながい世話話 満点の相槌、もちあげては自分を卑下する繰り返しでした 合間にでてきた、手作りのおでんの話 「冷えてく時に味はしみこむ」って言ってましたね 今、わたしそれ守ってますよと 鍋の中のカレーを待つ、無職のわたし

          しみこむ

          ゆうべからなにも

          ゆうべから なにも たべていない 嫌なこと ひとつ あっただけ ごはん ひとくちだって はいらない ゆうべから なにも していない トイレ いっかい 行っただけ おふろ 眠ることだって していない ゆうべから なにも 動いていない 時計も ひとはりだって 進んでない 月が 頭上を 通っただけ ゆうべから なにも

          ゆうべからなにも