仮面ライダーへの道


将来の夢は仮面ライダーだった。
 
だけどわたしは女の子で
イナゴでもバッタでもなくて
赤いスカーフはあんな風にたなびかないことを知って。
 
「仮面ライダー」にはなれない、
ということに、大人になる前に気付いた。
憧れの気持ちはまだあったけれど、現実を見れないほど無邪気ではいられない。
 
次第になりたいものより、なれる範囲のものにしか目を向けなくなった。
それは悲しいことではない。

仮面ライダーにはなれないけど、バイクの免許を取って遠くまで行くことは出来る。
怪人は倒せないけど、道案内は出来る。
泣いてる人を笑顔にする。
あの日憧れたヒーロー。
それを叶える色んな方法をもうわたしは知っている。
 
 
憧れの気持ちを紐解いていくと
強くて優しい、そして格好良い。
あのヒーローみたいになりたい。
そんな願望だった。

小学生のわたしはヒーローになれなかった。
 
でも、今のわたしはヒーローになれる。
 
そして、
ヒーローにならない、
という選択も出来る。
 
 
もうわたしは知っている。
 
0か100だけではない世界。
50も0.5もあるんだってこと。
 
怪人には怪人の人生があるってこと。
 
ヒーローだって歩きながら思い出し笑いをして
恥ずかしくなってキョロキョロしちゃうこともあるってこと。
 
わたしはあなたのヒーローになれるってこと。

スキを押すとランダムに占いめいたものが表示されます。