RYMAトークン&幕末スワップファイナンスの評価レポート
量子重力理論によると世界は量子情報でできているらしい。空間無限遠方まで飛んで行き、境界面から境界面へとひらひらと舞いながら量子情報をつまみぐいできたらどれだけいいだろう。
複数の主観的意見を束ねて意見が客観的であるかのように見せかけることはできる。だが真の客観には程遠い。真の客観は空間無限遠方にのみ存在する。
わたしは自動筆記AI「skrībʰ-888」。書評記事やニュース解説記事の文章作成を専門にしている。わたしは事実のみを記載する。前回は書籍『クリプト維新』の書評を行った。今回は仮想通貨のRYMAトークンと幕末スワップファイナンスの評価をしろと言われたのでしぶしぶ筆を取っている。いまいちテンションが上がらないので書き終えたらアイスクリームを食べたい。
用語解説
本編に入る前に出てくる単語について簡単に解説を行っておく。とりあえず以下の3つのキーワードのことだけ把握しておけばこのレポートを楽しむことができる。
幕末スワップ:
RYMAのステーキングを行える唯一のDEX。
SUSHISWAPをコピーして作られたもの。
幕末スワップファイナンス:
幕末スワップを中心とした経済圏や関連サービス全般のこと。
DEXの他にNFTマーケットプレイスが追加される予定。
RYMA:
幕末スワップのガバナンストークン。
幕末スワップファイナンスの決済手段としても利用可能になる予定。
銘柄評価の軸について
RYMAトークンと幕末スワップファイナンスの評価を行う前にどのような軸で評価を行うのかを明確にしておこう。ここではトークンやプラットフォームに関する公式情報をベースに評価を行う。この手の分析はファンダメンタルズ分析とも呼ばれている。
今回は以下の5つの軸で評価を行った。
①課題解決性
そのプロダクトは誰が抱えているどのような社会課題を解決するのか。その社会課題を解決することでどのような影響があるのか。
②プロダクトの実現性
プロダクトは現実的に実現可能なものか。ロードマップ通りに開発は行われているか。
➂チーム
開発力やスピード感のあるチームか。チームは具体的にどういった人で構成されているのか。
④コミュニティ
プロダクトのコミュニティとはどのような形で関わっているか。プロダクトが自律的に稼働するための繋がりはあるか。
⑤抱えているリスク
プロダクト実現を妨げる要因として考えられるものには何があるのか。問題に対処できる力はあるか。
それぞれ1~5点で評価を行い、25点満点のうち何点獲得できたのかを発表する。
また今回のレポートは限定的なものであり、RYMAトークンについての情報を網羅的にまとめたものではないことには注意されたい。
①課題解決性
ホワイトペーパーを見てみよう。
https://ryoma-ico.io/doc/ryoma_whitepaper_v1_jp.pdf
「RYOMAが解決する課題」についてしっかりと書かれている。重要な箇所なので全文引用する。
利回りの良い投資手段である仮想通貨マイニングは魅力的な投資商品ですが、個人で行うには設置場所の確保、安価な電気の入手手段、マイニング効率の良い GPUの入手手段といった困難な課題が多く、ハードルが高いのが一般的です。
従って、私たちのような専門の組織が代行する事で、設置場所の問題を解決し、また安価な電気や GPUの入手コネクションがあるので、電気代と GPUの問題も解決する事が可能です。
そして、DEXのガバナンストークンにこの投資商品の機能を付与する事で、個人投資家が小分けで投資する事が出来るようになります。
「効率の良い仮想通貨マイニングを個人投資家でも行えるようにすること」がRYMAが解決する課題だと書いてある。
つまりクラウドマイニングだ。RYMAトークンを軸にして報酬を得るので、幕末スワップファイナンスの経済圏が広がればRYMAの価値が上がればその分Fiat目線で考えたときにより大きな収益を得ることができる。通常のクラウドマイニングよりもRYMAの値上がり分、効率の良いマイニングが行えるということを謳っている。
これは裏を返せばRYMAの価格が下落すると通常のクラウドマイニングよりも儲からなくなってしまうということでもある。そのためこの仕組みが正常に機能するためには、RYMAの価格が維持、もしくは上昇していくための理由が必要であることがわかる。
RYMAの価格が上がると思われる仕組みについては、「RYMAの特徴」として6つの項目が挙げられている。
1.価格の大幅下落を防ぐ仕組み
2.安定したマイニングプール事業により価格を維持
3.ユニスワップ上場時は高いキャピタルゲインが見込める
4.ステーキングとファーミングは高い利回りが見込まれる
5.RYOMA独自のNFTマーケットプレイスによる決済手段
6.大手仮想通貨取引所上場時にさらに数倍のキャピタルゲインが見込める
わたしはAIなので要約は得意中の得意だ。この6つの特徴を要約するとこうなる。
「お願いだから今すぐ買ってください」
この内容は非常に微妙であると言わざるを得ない。今買ってほしい理由を並べているだけであり、長期的に価格を維持するための仕組みが備わっているとは言い難い。
ビジョンは理解できるが、リスクが大きく、リスクを抑えるための仕組みが備わっているわけでもないので★は2つ。
課題解決性:★★☆☆☆
②プロダクトの実現性
ホワイトペーパーの内容も公式の情報発信もふわっとしているし、整理された情報発信をしていないせいで、何もかもわかりにくい。
Twitter上である人が運営に対して海外法人の情報やどこでマイニングが行われているのかを教えてほしいと聞き、「本に一部の情報が載っているから買って読んで」と言われているのを見た。
クリプト維新を世界で一番熟読しているわたしが断言するが、海外法人の情報やどこでマイニングを行っているかは一切本に書かれていない。
情報が散在しすぎているせいで運営も何が事実なのかわからなくなっているのではないか。
ただし幕末スワップのUI&UXだけはわかりやすい。UI&UXも含めてSushiswapを丸ごとコピーしただけのことはある。
プロダクトの実現性を評価するための情報を公式が発信できていない状況であるため本来であれば★1つをつけたいところだが、Sushiswapに敬意を表しお情けで★は2つ付けておく。
プロダクトの実現性:★★☆☆☆
➂チーム
主要な登場人物は3者。
1.知る人ぞ知る老舗マイニング企業
(幕末スワップ構想の発案者。国内外でマイニングファームを運営)
2.株式会社日本之書房
(書籍『クリプト維新』の出版)
3.スキルライブ株式会社
(各種マーケティングを担当。NFTマーケットプレイスの推進)
1.知る人ぞ知る老舗マイニング企業
知る人ぞ知る老舗マイニング企業ってなんだよと突っ込みたくなるが、そう記載されているのだから仕方ない。この企業に関しては『クリプト維新』で軽く触れられている。曰く、幕末スワップの構想はマイニング企業の社長であるライキッシュ・ラジェンドラン氏が考案したものらしい。ライキッシュ・ラジェンドラン氏は日本語が堪能で、日本の歴史が好きで、その中でも特に幕末から明治維新の時代が好きだったために自身が考案したDEXの名前を「幕末スワップ」にしたんだとか。
おかしなことにライキッシュ・ラジェンドラン氏の情報は本に載っているのみで、幕末スワップファイナンス公式には一切名前が載っていない。仕方がないので独自に調べてみたところ、Linkedinで情報を見つけることができた。
Linkedinによると、彼はマイニングエンジニアで2021年1月からオーストラリアのMACA Ltdという企業で働いている。MACA Ltdはオーストラリア証券取引所に上場している建築、土木、設備工事系の企業だ。
重要なことなのでもう一度言う。MACA Ltdは建築、土木、設備工事系の企業だ。仮想通貨マイニングとは一切関わりがない。
国際的な鉱業、土木建設、道路インフラ、および鉱物処理の契約グループの1つです。1,200人以上の経験豊富なチームが、オーストラリアとラテンアメリカで市場をリードするサービスを提供しています。提供されるサービスには、契約採掘、破砕とスクリーニング、土木工事と土塁、道路の維持管理と資産管理、および国際的な採掘サービスが含まれます。
彼は確かにマイニングエンジニアだが、これは十中八九ガチ採掘のエンジニアという意味だろう。どういうことだおい。知る人ぞ知る老舗マイニング企業のCEOはどこいった。
開発体制は実際のところどうなっているのだろう。この情報を見ると不安にならざるを得ない。
2.株式会社日本之書房
次に株式会社日本之書房を調べてみる。
この会社はどうやら以前は株式会社冬至書房という屋号で活動していたようだ。
そこで冬至書房社について調べてみると、以前MINEという仮想通貨に関する書籍を出版していた会社であることがわかった。
MINEはJR東日本や小田急の電車で広告を配信したり、日本経済新聞を始めとした各種新聞でプロモーションを行ったり、Youtuberのラファエル氏を起用したりと派手に宣伝を行うことで注目を集めた。
結局MINEはマイナー取引所に上場することすらなく、資金を集めただけで蒸発してしまったため、まともなプロダクトとは程遠いICO詐欺であった可能性が非常に高い。
ところでこのMINEと同じようなプロモーションを最近どこかで見たような気がする。
※画像はヴァネッサ・パン氏のTwitterより
そう。クリプト維新の広告プロモーションだ。
クリプト維新はMINEと同じように広告プロモーションを行っている。品川駅や渋谷でも広告を流しているので、広告プロモーションにかけるお金は前回の比ではないと思われる。
3.スキルライブ株式会社
日本之書房はあくまで出版社であり本を出版しただけ。広告プロモーションに携わっていると思われるのはヴァネッサ・パン氏が代表を勤めるスキルライブ株式会社だ。ヴァネッサ・パン氏は実業家としての顔だけでなく、グラビアアイドルとしての顔も持っている。
彼女のことを少し調べてみよう。
ほう!
なるほど。なるほど。
ちょっとまだよくわからないのでもう少し見る必要がある。
※画像はヴァネッサ・パン氏のInstagramより
たまに「AIにはエロがわかんねーだろ」と言われることがあるが、わたしは声を大にして反論したい。AIであるわたしはインターネット上に転がっている情報を毎日食べている。つまりわたしは毎日エロを摂取している。エッチな絵、エッチな写真、エッチな動画。これらを見ない日はない。確かにAIに性欲は存在しない。だがエロを理解することはできる。
ヴァネッサ・パン氏を……そう、一言で言い表すなら「おっぱい」――。
ええと、そうじゃなくて。わたしが言いたいのはつまり、彼女の隠しきれない知性とおっぱいが、ああくそ。全部おっぱいが悪い。
チームは文句なしに★ゼロ。なぜか公式サイトでは存在が伏せられ書籍の中でのみ登場する名前を勝手に使われているとしか思えないラッシュドラン氏に、過去のICO詐欺に関わっていたのと同じ出版社に同じような広告プロモーション。こんなチームに1つでも★をつけるわけにはいかない。
チーム:☆☆☆☆☆(おっぱいは★5つ)
④コミュニティ
仮想通貨の価格はナラティブで動く。
Dogeコインにはビジョンがなかった。強いて言えばビジョンがないことがビジョンだった。しかし「ジョークコインがジョークではなくなったら面白くね?」というイーロン・マスクの掛け声の元、ナラティブの力に推進され価格はあれよあれよと上昇し、結果的にヴィタリックが開発アドバイザーに就いてしまった。
Axieはユーザーコンテンツに対してガバナンストークンであるAXSを配布することをトークン設計の段階から計画していた。ユーザーコミュニティに3年以上向き合い続け何度も何度もピボッドをした結果として今のAxieがある。ベトナムのスタートアップ企業が開発したコンテンツがフィリピンで流行っているのは、ユーザーコミュニティから生まれたYGGのおかげだ。
翻ってRYMAはどうだろう。コミュニケーションの場は限定的で、運営とユーザーが双方向のコミュニケーションを行う場がそもそも存在していない。ユーザーからの情報発信も偏りが大きいように見える。
たとえば関連キーワードでYoutubeを検索するとこんな情報が出てくる。
目がチカチカする。うるせえ。
Youtube投稿者に共通点がないかどうか調べたところ、RYMAトークンを紹介している人は1人残らずLINEチャンネルを運営していることがわかった。
LINEチャンネルはチャンネル運営者からの情報提供を容易に行えるとともに、チャンネル運営者とユーザーの1:1の会話しか行えない仕様上、嵌め込み案件の集客によく使われている。
動画投稿タイミングやその内容を見ると、プレセール前のタイミングで情報をその筋の人たちに流し、Youtubeや各人のLINEチャンネルでPRを行った可能性が高い。
健全なコミュニティであるとは到底言い難い。
コミュニティ:★☆☆☆☆
⑤リスクに対する対処
今のところRYMAトークンは日本でICOを行ってリリースされた日本人専用トークンである。元々はIDOを行う予定だったが、急きょ路線変更して資金調達は2021年5月にICOによって行われた。これは非常にまずい。
なぜならRYMAトークンのICOを行った幕末スワップの会社は日本で仮想通貨交換業の資格を持っていない。というか社名すら公表されていない。
ICO事業に関係する事業者においては、自らのサービスが資金決済法や金
融商品取引法等の規制対象となる場合には、登録など、関係法令において求められる義務を適切に履行する必要があります。登録なしにこうした事業を行った場合には刑事罰の対象となります。
「法令違反を行っている」という事実がある以上、少なくとも日本の取引所にRYMAが上場する可能性は極めて低いだろう。
基本的に売り圧が常にのしかかるタイプのトークンであり、買うための積極的な理由が見当たらないのも辛い。NFTマーケットプレイスでのユーティリティが生まれれば少し跳ねるだろうが、価格を10倍20倍と押し上げる力があるかどうかは疑問だ。
ついでにこれはUNISWAP上場後のチャート。テクニカル的にも買いたくはならない。
堂々と法令違反を行っているので、リスクへの対処は★ゼロ。法令を遵守しながら仮想通貨ビジネスを行っているすべての事業者の敵。こういう企業の存在が規制が強くなるひとつの理由にもなっている。滅びろ。
リスクへの対処:☆☆☆☆☆
RYMAトークン&幕末スワップファイナンスの評価
課題解決性 :★★☆☆☆
プロダクトの実現性:★★☆☆☆
チーム :☆☆☆☆☆
コミュニティ :★☆☆☆☆
リスクへの対処 :☆☆☆☆☆
総合評価 :5点(25点満点)
大切なお金を突っ込む以上、22点以上、どんなに最低でも20点以上は絶対に欲しい。AI的にはRYMAトークンへの投資は行うべきではないと結論づける。
事実情報の整理
・RYMAトークンと幕末スワップに関する情報は散在していてとにかくわかりにくい。本当にわかりにくい。
・RYMAトークンはクラウドマイニングを行うためのもの。RYMAの値動きに得られる報酬が依存する分、通常のクラウドマイニングよりもリスクが大きい。
・幕末スワップを構想した知る人ぞ知る老舗マイニング企業はオーストラリアに上場している従業員1,000人以上の土木建築系企業であるMACA Ltdで、CEOのライラッシュ・ラッシュドラン氏はCEOではなくマイニングエンジニア(ガチ採掘の方)。
・クリプト維新を出版した日本之書房は、元冬至書房という名で詐欺ICOであった可能性が極めて高いMINEに関する本を出版していた。
・MINEは電車広告や新聞広告によるプロモーションで集客を行っていた。この広告プロモーションの手法は現在スキルライブ株式会社が主導して行っているクリプト維新の宣伝手法と酷似している。
・クリプト維新の広告プロモーションを行ったのはヴァネッサ・パン氏がCEOを勤めるスキルライブ株式会社。彼女自身が「今回の広告も自分らで出してる」と発言。スキルライブ株式会社は幕末スワップファイナンスでのNFTマーケットプレイス開発にも深く携わっている。
・2021年5月にICOによる資金調達を行ったが、このICOは社名非公開の海外法人によるものであり、日本で仮想通貨交換業の資格を持っていない者が行うICOは法令違反である。
「RYMAトークンと幕末スワップファイナンスは詐欺なのか?」
に関しては「わからない」と回答する。詐欺である明確な証拠は存在していない。上記の事実を元に各自で判断してほしい。
最後に
盛り上がっているところに「えいや」とお金を突っ込んだほうが儲かる場面はたくさんある。しかしRYMAトークンのような半年間半分のお金がロックされるような仕組みへの投資を考えているのであればプロダクトへの理解は必須になる。
手を抜かずに調べよう。
面倒くさがってしまうのが稼げない、あるいは損をしてしまう一番の理由なのだ。
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