エルフ村をオークに焼かれたくない人のための緑単 ~統率者:《西の樹の木霊》~
第一章【悪のサウロン軍 オーク弓兵】
MTGにはカラーホイールがあり、緑と黒は敵対色です。
とはいいつつも、このふたつは生命を扱うという意味で共通しており、墓地回収や墓地利用はかなり得意としています。
かつ緑がアーティファクトとエンチャント、黒がPWとクリーチャーを触ることができ、合わさることで【暗殺者の戦利品】のようにパーマネントならなんでも破壊できるというテキストを持ちやすい。
緑は格闘やブロック強制で生物除去、黒もエンチャントに触れるとはいえ、やはり専門性は餅は餅屋。
実はかなり相性が良い、そう思ってきましたが……。
てめええコラァァア! 弓使いぃいいいいい!
俺の《ラノワールのエルフ》に何してくれてんじゃワレァっっ!
統率者戦において緑の優位性といえば、他の追随を許さない『1マナでのマナ加速の多さ』です。
もちろん、《宝石の睡蓮》・《魔力の墓所》・《太陽の指輪》のように色を問わずに使えるカードもありますが、やはり枚数は正義。
緑は他の統率者より半歩早く動けたり、マリガン基準を広めに受けることができます。
しかしながら、《オーク》の登場によって「とりあえず1点でマナクリーチャーを撃墜する」動きが可能となり、緑系統率者は苦境に立たされています。
というわけで、今回はマナクリーチャーの入らない緑単、【西の樹の木霊】の紹介です。
強さのレベルとしては10段階で5~8、晴れる屋基準でいうところの「バトル」を目標としています。
画像はMTG日本公式より引用しています。
第二章【エルフ村から抜けた緑単が西からやってきた】
改善とは、カウンターが乗っているか、自分のエンチャントが付いているか、装備していることの略称であるネオ神河で登場したルール用語です。
その改善生物がダメージを与えるたびにデッキから基本土地を戦場に出せる、《不屈の自然》相当の効果が誘発します。
通常の緑単統率者なら1ターン目にマナクリーチャーを設置するのが筋ですが、改善クリーチャーを展開していく関係で、その必要がありません。
もちろんこれらのカードも《弓使い》に倒される可能性はありますが、
《弓使い》を持っているプレイヤーより卓順が早ければ、2ターン目に2マナのクリーチャーを展開することで1点火力の危険域から逃れる可能性があります。
2ターン目に《西樹》を出してしまっても良いでしょう。
《太陽の指輪》、《魔力の墓所》、《宝石の洞窟》、《宝石の睡蓮》、《古の墳墓》といったお馴染みカードでも理想的ですし、仮に除去されたとしても土地加速は成功していることが多いので損はしていません。
ちなみに筆者は《魔力の墓所》《宝石の睡蓮》は入れてません。なぜなら持っていないから。
《古の墳墓》もキズモノ特価でかなり安くなってたのを奮発して買ってるレベルの経済状況なので。
《ガイア揺籃の地》? 逆にこの流れで持ってると思いますか?
それでも普通に遊べるので、気にせず組みましょう。
他の緑単に比べて《西の樹の木霊》は「マナクリーチャーに依存しない=エルフの村を持たない」という特性があり、最初だけなんとかすれば、あとは《弓使い》にビクビクしにくくなる特性があります。
2枚以上引かれたとき? そんなこと知らん
他の2マナ域としてはこの辺りもあるでよ。
第三章【突撃! 改善軍団!】
統率者の性質が「ただ土地を伸ばすだけ」なので、他プレイヤーからの妨害は少なめ。
というか、四人対戦でこんなところに除去撃ってる場合ではないんですよ。
他の統率者の方がヤバイはずですし、《西樹》に妨害するくらいなら、もっとヤバい動きをしている人間を止めた方が良いです。
そして《西樹》の特徴は基本土地としてマナ加速するのでヤバイのは《ハルマゲドン》系土地破壊くらいで、他の妨害カードに対してめっぽう強い。
特殊地形ですらないからもちろん《血染めの月》や《基本に帰れ》も効かないし、置物破壊やらそれこそマナクリーチャーに弓矢や火力全除去を打たれるといったパターンでは壊滅しにくい。
更に当たり前ですが、《西樹》は一回目のキャストが3マナということは、統率者税を含めても次は5マナです。
一回《西樹》が機能して土地を1~2枚伸ばしていれば、既に次のターンに再キャストが見えている。
倒してもまた出てくるし、初動で除去されなければ自力で伸ばした土地でタダ同然で出てくるクリーチャーに、はたして対戦相手は自分のリソースを削って妨害し続けられるのか?
《西樹》は、緑単の伝説生物の中でも屈指の統率者というシステムに合致したカードだと思っています。
ではどうやって勝つか?
・【連続誘発! 上陸軍団!】
・【無限コンボも任せろ!】
無限トークンは速攻がないので《毒の濁流》や《冒涜の行動》で処理されることが多いが、この二種類なら無限パワーになった本体は耐えられるはずなので、返しのターンで《西樹》をリキャストしてトランプルを付ければひとりはノックアウトさせることができる。
え? 《至高の評決》? 《告別》? そんなカードは知らん!
ちなみに《サイクロンの裂け目》なら《西樹》が雑に土地伸ばしてるので、普通に次のターンにもう一回無限コンボをキメたりすることもある。
統率者における赤(《冒涜の行動》)、青(《サイクロン》)、黒(《ドクダク》)にそれぞれ耐性がある、と考えると許せるのでは。
無限コンボ補助ならこのカードがお勧め。
《キヅタ》(4マナ)がハンドにあるなら-2能力で《小走り樫》を出す。
すると《樫》が先に着地して《キヅタ》着地に進化誘発してリストークンが出てそのまま無限達成。
《獣群のベイロス》(5マナ)がハンドにあるなら《キヅタ》(4マナ)をデッキから出す。
《キヅタ》が待っている中で《ベイロス》が着地し、《キヅタ》の誘発で《ベイロス》にカウンターが乗り、やっぱり無限達成。
普通に+1能力で改善済みのビーストが出るのも《西樹》的にはありがたい。
トランプルは《西樹》が付けるので、警戒か到達を選ぼう。
更にデッキトップからクリーチャーを出す能力も《西樹》がシャッフルできるので、ハズレだとしても「もう一回」ができる。
ちなみになんらかの手段で瞬速を付与すれば、《西樹》が土地1枚をサーチするごとにデッキトップが変更し、都度プレイすることができる。
俺は面倒だし、《西樹》と直接的なシナジーが無いから入れないけど。
それを引いちゃうと、土地1枚サーチごとに相手にランダマイズして貰わないといけないので、テンポがめっちゃ悪くなるし。
瞬速付与をちゃんと入れるなら、《睡蓮のコブラ》や《復活ニッサ》のマナ生成能力も活かせるし、無限マナコンボを相手ターンに入れて自ターンに召喚酔いも解けている状態にできるのでアリはアリだと思いますけども。
・【雑に相性がいいカードもいっぱいあるぞ!】
第四章【拡張&改造】
他にも相性の良いカードは豊富にある。
僕はデッキの枚数の関係で組み込めなかったけど、更なるシナジーが見込めるカードはいっぱいあります。
・【エンチャント(オーラ)】
・【装備軸】
・【氷雪軸】
第五章【まとめ】
僕がこのデッキを組もうと思ったのは、《西樹》をスタンダードで使っていたときのこと。
「動き出せばデッキ内の土地を全部出し切るけど、2枚重なると使いにくい、けれど引かないとデッキにならない。全体的にオーバーキル」と欠点を感じながら、その欠点の多くは統率者であれば解決できると感じたから。
統率者は百枚デッキだからデッキ内の土地を引き切ることも少ないし、本人を統率者領域に置けるからダブりも引かない心配もない。
そんなこんなでリストを探したものの、その段階で統率者に指定しているモノが見つからなかったので、結果的に僕はオリジナルで組むことに。
もちろん、ネットに発信していなかったり、僕の探し方が悪くて見つからなかったリストも有るでしょうが、自分の創意工夫だけで形にした、と胸を張って言えるデッキになりました。
とにもかくにも《西の樹の木霊》は、殴って土地を伸ばし、ついでのようにトランプル付与という最高に緑単らしく、その上で《ラノエル》が入らないという異端らしさを兼ね備えたデッキ。
拡張性も高く、効果の性質が「土地」・「攻撃」・「トランプル」・「カウンター」など緑の要素として基本的な組み合わせであり、相性の良い強化カードも頻繁に出ます。
最近だとエルドラージ統率者とかかな。
《西樹》が《荒地》を確定サーチできるので無色シンボルも自由自在。
今回紹介したカードも、《復活ニッサ》や《死者の原野》以外はほぼ千円以下のカード。
マナベースがほぼ《森》だけですし、無限コンボパッケージはストレージ漁れば1枚20円とか30円。
《森の知恵》や《孔蹄のビヒモス》辺りは確かに欲しいですが、無いなら無いで全然組めます。
ぜひ、この楽しさを多くの方に試していただきたいですね。
信じろ。緑単という最強色を信じろ。
当記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。
画像はMTG日本公式より引用しています。
ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。
題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。
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