『カスタマーサクセス』というトレンドへの違和感
僕はいま、日本のマーケティング×SaaSを扱う企業でCS(CustomerSuccess)を担当している。
自分の仕事に関係のある情報は、検索や読書だけではなく、積極的に外へ出てセミナーやイベントに参加するようにしている。
そんな中で、最近のCustomerSuccessトレンドにちょっと違和感を感じるようになってきた。
なぜカスタマーサクセスをやるようになったのか?
約1年ほど前の2017年11月頃に立ち上げたばかりの部署で、まだCS歴は1年にも満たない。
この部署ができることになった背景には3つの要因があった。
①ストック型収益の確保
②ほったらかし顧客の救出
③役割の明確化
この各々の解説は、今回のテーマから外れるので、また今度。。
で、右も左もわからないままに僕はCusutomer Success Manager(CSM)となったのだった。
僕はもともとクライアントに対して、マーケティング(コンテンツマーケティング)のディレクションやコンサルのようなことをやる部署にいたのだが、ある時ふと思った。
「あれ?4ヶ月くらい前にあったあのお客さん、今何してるんだろう?」
メールやチャット、Salesforceをさかのぼっても、僕が最後に連絡をした後に誰もコンタクトしていないようだ。
「マズい!ほったらかしになってる!」
そう思い、「最近どうですか?順調ですか?」と当たり障りのない連絡をしてみる。
幸い、そのクライアントは順調に自走しているようだったが、このときすでにうっすら気づいていた。
「ほかにもほったらかしになっているクライアントって、無数にいるのでは・・・」
正解!!!!
その当時で数十社のクライアントに、数ヶ月誰もコンタクトしていない。
これはまずいということで、経営メンバーに直訴。
既存の顧客に伴走しながらマーケティングのサポートをするロールが必要だと言い続けた。
立ち上げ期の苦労と情報収集
結果、経営陣もすぐに状況を理解し、すぐに新しい部署を立ち上げることに。とはいえ、新たな部署の立ち上げに莫大な投資をされるわけもなく、立ち上げメンバーは僕を含む2名のみ。
どちらもカスタマーサクセスという言葉は聞いたことはあるが、カスタマーサポートの延長くらいにしか思っていなかった。
僕らがまず最初にやったことは、「ご無沙汰リスト」の作成。
Salesforceを漁ったり、営業にヒアリングしながら、しばらく連絡を取っていない顧客をリスト化した。
(今となっては、何故こんなことすら管理できていなかったんだ…という思いだが)
同時に、探せる限り「カスタマーサクセス」に関する情報を集めた。
あの水色の本も当時は英語版しかなく、Kindleの翻訳機能を使いながら頑張って読んだし、ググりにググっていろんなブログを読み漁った。
Peatixやconnpassを漁ってイベントやセミナーにも顔を出した。
いろいろ見た中で、『逆説のカスタマーサクセス』は本当に役に立った。(今でもBookmarkの最上段に君臨している)
そしてカスタマーサクセスはトレンドへ&少しの違和感
そうこうしているうちに、カスタマーサクセスという言葉自体が何やら盛り上がってきていて、1年前と比べると世の中に出回る情報量は格段に増えたと思う。
でね、今でもイベントとかMeetupとかよく行くんですが、そこでの登壇者の論調は、
「カスタマーサクセスは今が一番面白い」
「カスタマーサクセスのニーズはこれからどんどん増えていく」
とかってなってるじゃないですか。
それはそうだし、否定もしない。でもね、なんか一抹の違和感を感じるんですよ。
なぜか?
カスタマーサクセスって、別に目新しいものじゃないですよね?
ビジネスである以上、お客様が自社製品をちゃんと使ってもらい続けられるようにサポートやアドバイスをするって、アタリマエじゃないの?
ちゃーん・りてんしょん・MRR・LTVって、最近よく聞く単語だけど、昔っからお客様が離脱しないように、且つもっと使ってもらうように導くって、普通にやってますよね?
これらのアタリマエが、ようやく体系化されてきたってのが「今」なわけで、新しいものでも何でもない。
なのに、ものすごく時代の先っちょ感が出ている。
僕なりのカスタマーサクセスの結論
当たり前のことをアタリマエにやっていこう。
それはCustomerSuccess部がやることではなくて、みんなでやっていこう。
だって、自分たちが生み出した製品やサービスをちゃんと使いこなしてくれたらうれしいでしょ?
マーケティング&セールス部門は、僕らのプロダクトを使いこなしてくれそうなお客様を見つけて提供しよう。
デリバリー部門は、お客様の成果につながりやすいモノをしっかりお渡ししよう。
プロダクト&開発部門は、お客様の声を聞いて、もっといいものにして行こう。
経営陣は、自社製品を選んでくれているお客様のことをもっと知ろう。
そして、CustomerSuccess部門は、会社のど真ん中で、他部署がちゃんとカスタマーサクセスできているかチェックしよう。そして大事な大事なお客様には、とっておきの情報をちゃんと伝えてあげよう。
これが、僕が考えるさいこうのカスタマーサクセス。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?