乃木坂46真夏の全国ツアー2024神宮公演のセットリストについて考える

最初に書いておくと、大満足だったので文句に共感したいぞって人には向いていないと思います。

地方公演をセトリと部分的なレポでしか知らない僕の感想としては、よくぞあの内容観てネタバレせず我慢したなと、賞賛の拍手を送りたい。
YouTubeでもやりたいんやけど、再来週公開とかになるから流石に熱量も落ち着いちゃうかもしれないので、鉄は熱いうちにってことで一旦書いていきます。

曲ごとの感想というより、大まかな流れについて。
そもそも今回の全国ツアーは、乃木坂第2部の大団円としての役割があります。
乃木坂第2部っていうのは、生駒里奈を主人公とする乃木坂第1部でAKBを超えるという物語を経て、憧れる先輩のようになれるのかと葛藤する久保史緒里の物語でした。
第1部が「AKBを超える」という分かりやすいテーマだったのに対して、第2部は「乃木坂になる」という、自分自身を認められるかという達成したかどうかわからないものでしたが、昨年の神宮4日間、もっと言うなら全ての地方公演を使って、ラストの「私たちが乃木坂46です」に繋げるというとんでもない演出で表してくれました。最高でした。

これは好みの話になってくるんですが、このセットリストの組み方に文句を言いたい人がいても仕方ないかなとは思うんです。
去年で言うと、4日目を観ないと話にならないというか、そこを観ないと意味がないくらい千秋楽が重要すぎました。
仮に地方公演全部当選で全部見て、神宮も1〜3日目まで全部現地で見た人が、千秋楽外して「さすがに配信はいいかな」って観なかったとしたら、映画の途中で結末を見ずに退席したようなもので、それくらい最後のMCの「私たちが乃木坂46です」のあの一言が素晴らしかった。
ワンピースでは映画は本編に直接絡まないパラレルワールドみたいな認識らしくて、その理由が「映画と本編を繋げちゃうと、映画も見ないといけなくなるから」ってことらしくて、その細かな配慮に感動したものです。
乃木坂がやってるのはその真逆で、全部見ないとわからない。
幸いにも、乃木坂の物語性を長期連載の少年漫画のように追ってる僕みたいなタイプが少数派やからいいけど、これが多数派ならこれはこれで文句出るかも。
本編読んでアニメも全話見て映画も見にいかなあかんやん!ってね。
後から追っかけたい人はこの感動を見返せないのか、というあんまりよくない優越感はあるか。
Mー1の決勝戦で一本目のネタをファイナルラウンドで伏線として回収するみたいなスタイルが良いか悪いか、みたいな話でもありますね。

さて、今回の全国ツアーが乃木坂第2部の大団円っていうのは前々から言ったり書いたりしてたんですが、結局第2部の物語としては終わって、ひと段落ついてるんです。
ゲームで言うなら、ラスボスやっつけてエンディングまでの間。漫画も大きな問題がひと段落ついて、その後、みたいな最終話のような。
大団円かつ、余韻の時間かつ、次回作への引きを作っていると言うのが今回のセットリスト。
だからこそ、今回の公演の組み方が難しい。
神宮公演を見た上で大阪公演のセットリストを振り返ると、これはこれで大団円として機能しているんです。これも二日見るという前提ですが。
愛知も同様。この二日間で大団円として成立する。
だから、地方と神宮両方行くって人からしたら、ほぼ同じやん、ってなってしまうと。
そもそも地方公演なんてたったの20万人しか見れないわけで、乃木坂の物語を大きく進めるには不向きなんですよ。
だから神宮のセットリストをもとに、地方用に組んだって感じなのかなと思ってます。
あくまでメインは神宮の3日間。それの先行公開としての地法みたいな。
神宮を全日程配信っていうのも、より多くの人に物語の結末を見せるためにってことなんかな。

前提の話がすごく長くなってしまったので、ここから本編について。
寸劇というか茶番というか、そういうところで役が一つのっている感じが、まさに乃木坂。女優集団を目指すというコンセプト通りで、素晴らしかった。
さらに移動に無駄がない。かつての演出で、どう考えても踊りを見たい曲でマラソン大会のスタートみたいにゾロゾロとセンターステージに移動するとかが大嫌いだったので、本当に嬉しかった。例のあの演出家が退陣してからめちゃめちゃ良くなった部分やと思います。
また、神宮ではチートデイの後すぐに太陽ノックで久保史緒里センター。
地方もこれでよかったと思うんやけど、なんで地方はチートデイ→はだサマなんやろか。
実際見に行った中で考察した人がいたら教えて欲しいところ。
第2部主人公久保史緒里から、遠藤→賀喜→井上和と続くことで、次はかきさく、その次井上和と物語が続いていくというのが感じられてよい。

期別ブロックは盛り上がる楽曲、可愛い楽曲で構成されているんでしょうね。
そこから三人でThreefold choiceではなく、3、4、5期のどれを選ぶ?ってことで全体でやったのは天才的。その流れでAm I Loving?持ってきたのもいいですね。
ユニットブロックは、現時点の二日目まででは地方と同じ。
これも両方見て成立する感じですね。弦楽四重奏アレンジのここにはないもの、僕が行かなきゃ誰が行くんだ?も両方見なあかんやつ。初日は移動のタイミングで見れなかったので、リピートで観ます。
夏ブロックも納得の構成というか、そこから自惚れビーチ、ガルル、ひと夏と続く流れがあまりに美しかった。

ここからラストの盛り上がりに向けてのかっこいいブロックがめちゃくちゃいい。
落し物→そのままアンダーメンバーでダンスブロックから、ダンス選抜でのWilderness worldやって、それ以外のメンバーでActually...。
アンダーと選抜の垣根をとっぱらってる感じ、まさに丁寧に振っていたコンセプト通りでした。
全体的にメインステージで選抜が踊って、セットの上の方でアンダーが踊ってる、みたいなのがほぼなくて、やっぱりそれを意識してるのは伝わりました。

その上でまた夏曲をやってのオーケストラが素晴らしかった。
ここでシンクロニシティ→僕が手を叩く方へ→誰かの肩の流れ、完璧です。
梅澤美波が率いる今の乃木坂を見せて、オーケストラアレンジにすることで僕が手を叩く方へはよりポジティブな印象で、これから入ってくる6期生を暖かく迎え入れる曲になり、最後に誰かに頼ることを肯定する。
誰かの肩で横一列になるのではなく、両端が前に出ていたので、円陣を表していたのかなと思いました。あの場で円になって歌うわけにも行かないのでああいう感じにはなったけれど、円になることで全員で互いに右肩を貸し合えるってことで。

アンコールも楽しかったし、ここで乃木坂の詩で締めたのも痺れますね。
スイッチャーさんも完璧でございました。
改めて最終日が楽しみになったし、これを踏まえてリピート配信で初日から見るのも楽しみ。


なんか、おそらくこういう意図があるんやろうな、ってとこまで見えてきて、自分が思い描いたものが現実になった感じがして驚きました。
神宮でセトリ変えてくるって予想は外れたけど、地方からこんないい演出でやってたとしたら納得するしかない。
というか地方公演からフルスロットルすぎるんですよ。
「君を乗せてフルスロットル」ってそういうこと?

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