乃木坂の福神神話を考える
16thシングル「サヨナラの意味」で橋本奈々未が卒業。
25thシングル「しあわせの保護色」で白石麻衣が卒業。
“孤独兄弟”の二人には共通点があります。
それは二人とも全シングルで福神メンバーであったということ。
乃木坂というグループの性質上、全シングル福神メンバーというのはかなり難しい。
というか、今となっては前シングル選抜入りも実は少なくなっています。
1期生で全曲選抜入りしたメンバーは9人。
2期生は0人。
3期生は3人。
4期生は3人。
5期生は4人。
お披露目センター→同期他メンバーの参加まではノーカウントとしています。
ちなみに休業もノーカウント。
これを現役メンバーで絞ると、3期は与田だけになるので、1期生の全曲選抜メンバーよりも少ないんです。
その中でもさらに少ない全曲福神。
それが橋本、白石、そして井上和。僕はこれに明確な意図を感じます。
そもそもなぜこうなったのか。
これは乃木坂に限らず、大人数アイドルである以上仕方のないことではあります。
ただ、初期の七福神とか五福神とかならまだしも、近年は選抜内では福神メンバーの方が多いんです。
それだけ福神固定にはしやすい筈なのに、乃木坂の歴史上当てはまるのが3人しかいない。
考えられる理由として、運営の意図を超えて成長したメンバーがいたり、あえて色々経験させてみようというのもあるのかもしれない。
ただ、最初からいい位置にいて、本来後ろに下げようがないメンバーもいる筈。
山下美月、与田祐希、遠藤さくら、賀喜遥香。この4人は全シングル福神でも良かったはずなんです。
もちろん、しあわせの保護色は1期生全員が福神というコンセプトがあるので、仕方のないことやとは分かっています。
じゃあ、チャンスは平等はどうなるのかって話なんです。
1期生だから福神にした、と考えてもいいのかもしれない。ただ、保護色のリリースは2020年。結成から数えて8年半。
チャンスは平等は3期生加入から7年半。
もちろん、この1年は大きな差ではあると思うんですが、それでも全員福神にしても良かったのではないかと思わなくもない。
これについてはラジオ配信でも少しだけ話していて、保護色とチャンスは平等は近いようで結構違う意図があるんです。
具体的にどう違うかは多分そんなに話してはなかったと思うので、新たな気づきも含めて書いておきます。
ただし、大前提として、白石麻衣を送り出すシングルだから1期生全員福神に、ていうのと、山下美月を送り出すシングルだから3期生全員が選抜に、ていうストレートな意味は同じです。あくまで深読み、こじつけの話。
ずばり、保護色は遠藤さくらと賀喜遥香を福神にさせないために。チャンスは平等は井上和を福神にするためにやってます。
1期全員で福神、人数的にちょうどいいというのもある。ただ、4期生から2人だけ参加した遠藤と賀喜が気になる。
確かに普通に考えて2人は選抜入りするでしょう。ただ、逃げ水でお披露目センターをした次のシングルでは大園桃子と与田は選抜入りしていません。
5期生もActuallyで中西アルノがお披露目センターをした後、好きロックとここにはないものでは選抜入りしていないんです。
今でこそかきさく2人が保護色で選抜入りするのは当然のように思えるけれど、当時で言うと、ここで参加させなくても良かったのではないかと思います。
逆に、保護色でかきさくを選抜入りさせるなら、ここにはないもので5期生から選抜入りがないのが不思議なんです。
保護色の三列目11人で合計23人はちょっと多いし、ここにはないものの選抜18人は井上和を足しても問題ない筈なんです。
それでも遠藤、賀喜を足したのも、井上和を足さなかったのも明確な意図があるはず。
僕が勝手に想像している運営の意図として。
・堀と中西は同期がいないひとりでお披露目センター。
・その対比として、大園と与田をWセンターにしたり、夜明けで4期3人をフロントにしたりする。
・中西アルノとの対比として、井上和を二度見で他の5期生複数と選抜入りさせる。
・普通に選抜やってたら全曲福神になる山下、与田、遠藤、賀喜を三列目に配置させるために、1期生全員福神。
・井上和を全シングル福神にするために、3期をフロントと三列目に配置。
その中で、中西と対比で井上和の初選抜を二度見にしたという内容についてもちょっとだけ書き足しておきたい。
二度見で初選抜の5期生は井上和、川崎、菅原、五百城、一ノ瀬の5人。うち井上和、川崎、菅原が福神入り。
これがおひとり様天国では五百城と一ノ瀬が福神入り、川崎と菅原は三列目に。
これで5期生の全シングル福神が井上和だけになったんですが、それに加えて、井上和のシンメの相手をずっと分散させてるんです。
32ndでは裏センター。三列目センターの松尾は、33rdでセンターとアンダーセンターの関係性。33rd裏センターは池田。
34thでは裏センター。三列目センターは同い年の筒井。
35thでは川崎とシンメ。
36thでは裏センターないが三列目真ん中に中西と川崎。アンダーセンター奥田。
他はある程度シンメが固定されていくのに、井上和はなんか勿体ぶってる感があるんです。
でもここには、井上和のシンメとして中西アルノがいるからやと思うんです。
あえて分散させつつ、メインとして設定したい井上中西以外のシンメの印象を薄くする感じ。
横道にそれましたが、このように全シングル福神というブランディングに乃木坂運営は相当こだわっていると思います。
その中の3番目として白羽の矢がたった井上和が、今後三列目にいる未来が想像できない。
乃木坂のフォーメーション、そんなところにも注目してみるのも面白いかもしれません。
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