ライツで稼ぐ出版社

 最近、僕は漫画アプリをよく使っている。特に使っているのはジャンプ+とマガポケだが、それらの漫画アプリでは無料で漫画を読むことができる。もちろん、課金しなければ読めない部分も多くあるが、実際に課金をする人は稀であろう。つまり、漫画アプリを普及させたところで出版社は儲からない。
 その一方で、紙の雑誌は衰退傾向にある。電子コミックスはその市場規模を広げてはいるが、紙のコミックスは縮小傾向にある。電子であれ、紙であれコミックスを買ってもらうことに越したことはない。しかし、もはや本が売れなくても生計を立てられる時代がすぐそこまできているのではないかと思ったりもする。

 大手出版社の多くは、自社の中に版権(ライツ)関係の部署を設けていることが多い。その部署では自社IPの版権を管理して、アニメ化・映像化・グッズ化・ゲーム化などによって多額の利益を得ている。つまり、もはや本そのものが売れなくても、版権として利用価値のあるIPであればいくらでも価値を埋める時代が来ているのだ。では、版権として利用価値のあるIPとはどのようなものであろうか?

 それは、キャラクター性のあるIPであろう。そして、キャラクター性のあるものというと小説よりかは漫画が多い。そのため、必然的に漫画を持つ出版社が強くなる。しかし、原作は重要だ。絵を描く人よりもストーリーの方が足りていないからだ。そのような意味合いにおいて、小説もIPを生み出す1要素として今後も重要な価値を持ってくるだろう。以上の点から、これからの出版社はIPをどう利用するかという観点から逆算して、作品を生み出さなければならないのかもしれない。

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