「NHKスペシャル 山口一郎 "うつ"と生きる ~サカナクション 復活への日々~」を見た。

 夜、ふとテレビをつけたら「NHKスペシャル 山口一郎 "うつ"と生きる ~サカナクション 復活への日々~」がやっていた。初めは流し見程度で診始めたのだが、いつの間にか作品に引きこまれていた。

 人は命を懸けて何かを成し得た後、その反動で深い憂鬱に飲み込まれてしまうこともあるのだと思った。燃え尽き症候群みたいなものなのかもしれない。
 画面を通じて、彼のどうしようもない孤独感や、どこまで行っても解消され得ることのない圧倒的無力感が伝わってきた。

 人は一人では生きていけない。
 でも、そう思って自分の伸ばした手を、相手が掴んでくれないことは割と多い。あるいは伸ばした手の先に誰もいないことも。
 僕は彼が一人のミュージシャンとして、命を懸けて手を伸ばし続けてきた人生を送ってきたことを感じた。

 本当の自分を知ってもらうために命を懸けてきたのに、いつしかそれは別の何かに変容してしまった。でも、それらをどちらも受け入れて前に進むしかない。手を伸ばし続けるしかない。
 いつかその手が大切な誰かの手に届くことを信じて。

 

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