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Support 実験 ~Gypsy Girl(その2)

前回、Gypsy Girlでサポート実験をしました。さかさまにしたところ、頭頂部と土台の下側に張り出している部分の造形がいまいちでしたので新たなサポートテスト用モデルを作って調査しました。


目的と試験方法

目的:凸部のサポートの条件だし
実験環境: 3Dプリンタ Prusa Mini+
      ノズル:0.4mm
      ノズル交換時期:2021年12月8日
      フィラメント: Longsell社 シルクゴールドPLA
             Overture PLA white
      デザイン: 麦茶さんのサポート条件だしのデザインモディファイ

試験1

条件

パラメータは以下の通り。

固定値: インフィル密度:10%、ノズル温度:220℃、xy間隔:60%、ブリッジ速度:25mm/s、他はデフォルト通り
Z軸のサポートーオブジェクト間距離、インターフェースレイヤー数は、上面、下面ともに同じにしています。

試験結果

結果を俯瞰してみます。
サポートの上面はいずれもきれいで比較は困難でした。

裏面を見てみます。半球部分が吹っ飛んでいるものもあります。特に上から3段目のZコンタクト距離(サポートとプリント対象の距離)が0.2mmのものはサポートとの距離が大きいため、浮きすぎてずれたのでしょうか、なくなっています。

試験結果詳細

一つ一つ見ていきます。

1. コンタクト距離:0.1mm インターフェイスレイヤー:2層
インターフェースレイヤーがはがれにくい感じです。半球はまぁまぁでしょうか。サポート上部のフラットな面がはがれていません。

1 コンタクト距離:0.1mm インターフェイスレイヤー:2層
1 コンタクト距離:0.1mm インターフェイスレイヤー:2層

2. コンタクト距離:0.1mm インターフェイスレイヤー:3層
インターフェースレイヤーもすっきりはがれています。半球も少々がたつきはありますがまぁまぁでしょうか。

2 コンタクト距離:0.1mm インターフェイスレイヤー:3層
2 コンタクト距離:0.1mm インターフェイスレイヤー:3層

3. コンタクト距離:0.1mm インターフェイスレイヤー:4層
2と同様、インターフェースレイヤーもすっきりはがれています。半球も少々がたつきはありますがまぁまぁでしょうか。

3 コンタクト距離:0.1mm インターフェイスレイヤー:4層
3 コンタクト距離:0.1mm インターフェイスレイヤー:4層


4. コンタクト距離:0.1mm インターフェイスレイヤー:6層
インターフェースレイヤーがはがれにくい感じです。半球も乱れています。インターフェースレイヤーが多いほうがよいと思っていたので原因は別のところにあるのかもしれません。後ほど、スライス結果を見ながら考察を加えます。

4. コンタクト距離:0.1mm インターフェイスレイヤー:6層
4. コンタクト距離:0.1mm インターフェイスレイヤー:6層

5. コンタクト距離:0.15mm インターフェイスレイヤー:2層
インターフェースレイヤーがはがれにくい感じです。半球はまぁまぁでしょうか。サポート上部のフラットな面がはがれていません。

5. コンタクト距離:0.15mm インターフェイスレイヤー:2層
5. コンタクト距離:0.15mm インターフェイスレイヤー:2層

6. コンタクト距離:0.15mm インターフェイスレイヤー:3層
インターフェースレイヤーはきれいにはがれています。半球が乱れています。

6. コンタクト距離:0.15mm インターフェイスレイヤー:3層
6. コンタクト距離:0.15mm インターフェイスレイヤー:3層

7. コンタクト距離:0.15mm インターフェイスレイヤー:4層
インターフェースレイヤーも外周以外はきれいにはがれています。半球はまぁまぁでしょうか。

7. コンタクト距離:0.15mm インターフェイスレイヤー:4層
7. コンタクト距離:0.15mm インターフェイスレイヤー:4層

8. コンタクト距離:0.15mm インターフェイスレイヤー:6層
インターフェースレイヤーがはがれにくい感じです。半球も乱れています。インターフェースレイヤーが多いほうがよいと思っていたので原因は別のところにあるのかもしれません。後ほど、スライス結果を見ながら考察を加えます。

8. コンタクト距離:0.15mm インターフェイスレイヤー:6層
8. コンタクト距離:0.15mm インターフェイスレイヤー:6層

9. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:2層
半球が吹っ飛んでいます。インターフェースレイヤーは外周以外はきれいにはがれています。

9. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:2層
9. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:2層

10. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:3層

インターフェースレイヤーはきれいにはがれています。半球が乱れています。

10. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:3層
10. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:3層

11. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:4層
インターフェースレイヤーはきれいにはがれています。半球もまぁまぁきれいでしょうか。

11. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:4層
11. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:4層

12. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:6層
インターフェースレイヤーがはがれにくい感じです。半球も乱れています。インターフェースレイヤーが多いほうがよいと思っていたので原因は別のところにあるのかもしれません。後ほど、スライス結果を見ながら考察を加えます。

12. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:6層
12. コンタクト距離:0.2mm インターフェイスレイヤー:6層

13. コンタクト距離:0.05mm インターフェイスレイヤー:2層
インターフェースレイヤーがはがれにくい感じです。半球はまぁまぁでしょうか。サポート上部のフラットな面がはがれていません。

13. コンタクト距離:0.05mm インターフェイスレイヤー:2層
13. コンタクト距離:0.05mm インターフェイスレイヤー:2層

14. コンタクト距離:0.05mm インターフェイスレイヤー:3層

インターフェースレイヤーはきれいにはがれています。半球は吹っ飛んでいます。

14. コンタクト距離:0.05mm インターフェイスレイヤー:3層
14. コンタクト距離:0.05mm インターフェイスレイヤー:3層

15. コンタクト距離:0.05mm インターフェイスレイヤー:4層
インターフェースレイヤーが少しだけはがれにくい感じです。半球はまぁまぁでしょうか。

15. コンタクト距離:0.05mm インターフェイスレイヤー:4層
15. コンタクト距離:0.05mm インターフェイスレイヤー:4層

16. コンタクト距離:0.05mm インターフェイスレイヤー:6層
インターフェースレイヤーがはがれにくい感じです。半球はまぁまぁでしょうか。サポート上部のフラットな面がはがれていません。インターフェースレイヤーがはがれにくい感じです。半球も乱れています。インターフェースレイヤーが多いほうがよいと思っていたので原因は別のところにあるのかもしれません。後ほど、スライス結果を見ながら考察を加えます。

16. コンタクト距離:0.05mm インターフェイスレイヤー:6層
16. コンタクト距離:0.05mm インターフェイスレイヤー:6層

結論


全般的に良好だったのは、2,3,7,11,15
凸部の乱れが見られたのは、6,9,10,14

凸部の形状に関する考察

凸部の形状が良好な結果となったのは、比較的コンタクト距離が小さいもの、なのでしょうか。0.1mmでは100% OK, 0.15mmでは75%、0.2mmでは50%という結果になりました。0.05mmでNGとなった理由をスライス結果で見てみましたが有意な考察はできませんでした。こういう形状は失敗することがある、ぐらいに思ったほうがよいのでしょうか

サポートの除去しやすさに関する考察

サポートがはがれにくかったのは、インターフェースレイヤー2,6のもの。
インターフェースレイヤーが薄いほどはがれにくいのは納得。

6の時になぜ剥がしにくかったのかをスライス結果から考えてみました。
コンタクト距離0.1mmの場合の、インターフェースレイヤーの高さ(隙間含め)はそれぞれ、0.44mm(n=2)、0.7mm(n=3)、1mm(n=4)、1.2mm(n=6)、平均のレイヤー高さは0.22mm、0.23mm、0.25mm,0.2mmでした。すなわち、n=6の時の時のインターフェースレイヤー高さが平均して薄いことになります。それぞれのレイヤー高さ(下から)を見てみると、
n=2 0.17mm, 0.17mm
n=3 0.25mm,0.17mm, 0.17mm
n=4 0.5mm,0.25mm,0.17mm, 0.17mm
n=6 0.25mm,0.25mm,0.25mm,0.13mm, 0.13mm,0.11mm
でした。すなわち、n=6の時、サポートと接しているインターフェースレイヤーは0.25mmと厚いが、本体と接するインターフェースレイヤーは薄いため剥がしにくい、ということとなります。
本体の必要な箇所にアダプティブレイヤの設定をして、サポートは設定どおりの分解能としたほうがよさそうです。

これだけでは飽き足りず、もしかしたら温度の問題?とも思い、温度を変えての検証をしています。

サポートテスト用のモデルはこちらからダウンロード可能です。
ご興味あれば是非お試しください。
スライサ上で、お好みの設定で試していただければと思います。

https://www.prusaprinters.org/prints/126494-support-test-with-sphere-shape

Support 実験 ~Gypsy Girl(その3)に続く。



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