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石鹸型を3Dプリントで作る実験(Part2)

石鹸を作る実験を継続しています。前回はお題があったのである意味楽ちんでした。育休中の隙間を埋めるために入学した芸大でも、”皆さん作りたいものがあるはずです。それをいかに表現するのかを助けるのが私たち(教授陣)の役割です!”と言われ、え?作りたいものなんて思いつかない、といつも苦しんでいました。ということで、オリジナルのものを生み出すことのつらさをいつも感じています。ほかの型の作品を拝見して、素敵だな、どうしてこのようなセンスがあるんだろう?と本当に羨ましく思っています。
ということで、センスなしのデザインですがオリジナルの石鹸を作ってみましたので、記録に残しておきます。

石鹸の作り方

石鹸の作り方はこちらに記していますので、よろしければご覧ください。

目的と試験方法、使用材料

使用条件と使用したフィラメントはこちらです。Kaikaの耐摩耗チャレンジ中ですので、摩耗させないフィラメントですが無駄に(耐摩耗チャレンジにはならない使い方という意味で)まだ使い続けています。

目的:石鹸型作成の知見を活かして、オリジナルの石鹸を作る!
実験環境: 3Dプリンタ Prusa Mini+
ノズル:0.4mm 耐摩耗Kaika      
ノズル交換時期:2022年10月10日(Kaika)      
フィラメント: Sainsmart TPU 黒

フィラメント

石鹸づくりがゴールなので副材料もあります。使っていて素性がよさそうなものだけ挙げます。

MPソープクリア

着色材

前回、着色剤に食紅を使って失敗(にじむ)しましたので、こちらを使用しています。柄を入れますのでにじまないタイプの色を選択しています。

香料

手作り石鹸に好きなにおいを忍ばせるのは良いと思います。こちらのサイトにはいろいろあります。肌に触れるものですし、それほどの量使用しませんので、良質なものが良いでしょう。ただし、直接においを選べるわけではないので、こんなはずじゃなかった、というのもいくつかありました。精油は高価ですが、それ以外の香料はそれほどのお値段でもないのでダメもとで購入しました。

Fusion360でのデザイン

ここが問題です。自分の名前が”Hana”なので、安直に花をイメージしてデザインしました。といっても桜の話か思いつきませんでした。桜の花に自分の名前”Hana”を重ねることにしました。
設計の際には、以下の方針を踏襲しています。

  • 文字部分は、厚み2mm、テーパー0.5mmとする。

今回は、文字と模様を重ねます。まず、文字部分に石鹸を入れます。あふれた部分は取り除きます。そのために、以下のような型を作りました。実は、この部品は二つに分かれます。

文字型

文字部分に石鹸を入れて、あとであふれた部分をとりのぞく、そして別の色を入れますので一体成型としてもよいのですが。文字部分であふれたところを取り除くためには面一での作業が望ましいです。カップ状になっていると道具を選びます。なので、2つの部品に分けました。

文字型は2つに分かれている

そして、文字型の中の文字の上部に配置する花は桜っぽいデザインにしました。文字同様テーパーをつけています。

もう一つ、全体の大きさを決めるための枠があります。

ということで、プリントした時はこんな感じです。

大きさ感はこんな感じです。石鹸全体で15mmの高さになるようにしています。

ここでも、トラブルが発生しましたので書き残しておきます。Hanaの裏文字にテーパーをつけるために、2mm高さを下げた(文字型断面参照)ところにオフセット平面を作成します。そこにHanaの文字をうつしとりたいのですが、そのままではいかないので、一度押し出します。

押し出した形から、プロジェクトで形を平面に写し取ります。そして、その輪郭を0.5mm内側にオフセットします。そして、ロフトによりオフセットした形(以下の図では上面)と元の外形(以下の図では仮面)を利用して立体化します。ここで問題が発生しました。なぜかロフトができないのです。

このように輪郭をオフセットしたい
文字押し出し前


文字押し出し後

よくよく見てみると、本当は上記のように押し出した時点でおかしくなっています。気づかずに進め、オフセットをかけようとするとこのように点がぶっ飛びます。これをごまかすためにぶっ飛んだポイントを削除したりすると今度はロフトがうまくいきません。

よくよくプロジェクトにより得た形を眺めているとこんなことが起こっています。どうも押し出しをしたときに交差してしまっているようです。(私のせいではない)なので、オフセットで失敗するときにはこのねじれの部分を修正してやることで問題が解決します。(しました。)


どの部分か忘れましたが、文字の角の形状がこのようにねじれています。このままオフセットをかけると崩壊します。

今回の石鹸作りの工程

あくまで私が独学でやっている方法ですのでもっと良い方法がありそうです。是非プロに教えを請いたいです。(そこまでやり続けられるかどうかは疑問)
文字の型の文字の部分に石鹸を流し込みます。不要な部分は削りとります。

オレンジの部分が型、ピンクの部分が石鹸

同様に、桜の花の部分に石鹸を流し込み、不要な部分は削りとります。時間短縮のために冷凍庫で数分冷やします。

青緑の色が型、青の部分が石鹸

固まったら桜の花をはじめの文字の部分の上に載せます。桜は大きい方が表側(文字側)になるように配置します。文字型の壁を追加するともれなくなります。

ピンクが文字、青が桜、オレンジが文字型、黄色が壁

上から別の色の石鹸を流し込みます。この時に温度が高すぎると文字や桜が溶けます。(溶けました)

固まったら別の枠に移し、スペースに石鹸を流し込みます。

グレー部分に残りの石鹸を流し込む

作成した作品(試作)

こんな感じに出来上がりました。失敗しているので、まだまだ続きます。次のテーマの試行錯誤、作品(あ、工作レベル.....)も出来上がっているので早く石鹸づくりの試行錯誤は終わらせたい!
新しいデザインをいただきましたので、続きはそちらですることにします。

バックをチョコレート色、文字を白にしました
バックを流し込んだ時に温度が高かったのと厚みが薄い(桜が厚い?)ので桜の花びらが見えています..…
バックを透明に(桜を東名の石鹸でくるむ感じ)、文字をチョコレート色にしました。明らかに桜が溶けていて失敗です
明らかに失敗しています

作成したモデル

名前が入っているので使われる方はいらっしゃらないと思いますが、枠だけでもご活用くださいませ。近日中にアップします!


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