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春はのびのびと~春の養生「発陳(はっちん)」~

2月3日の立春を過ぎ、暦の上ではもう春ですね。まだまだ、気温が低い日もありますが、日中は暖かい日も増え、日差しにも春を感じることが多くなりました。

街中では梅がちらほらと咲き始め、やっぱり春の花をみると、気持ちが上向きになりますね。


さて、中医学の古典、黄帝内経では、春の3か月を「発陳(はっちん)」と言います。冬の間にそっと秘めていた思いや行動を、外に表現し行動していくのがよいとされる季節です。

冬は「閉蔵」。思いや行動もそっと秘めておくのがよい季節でしたね

春は日照時間も長くなり、だんだんと気温も高くなります。春の陽のエネルギーによって、冬の間にひそめていた古い気は発散され、草木ものびやかに成長していきます。(発陳の「陳」は古いという意味です)

また、春は五行説だと「木」です。
木は、のびやかに広がり成長していく様子を表しています。

これは、去年の3月の御霊神社の写真。
ちょうど1年前は、コロナで世界がざわざわし始め、普段なら春めいてにぎやかな鎌倉から、急に人がいなくなりました。観光の方や近所の方が散歩に来ている御霊神社も、仕事の息抜きに立ち寄ると、誰もいなくて貸し切り状態。人がいないのは寂しかったですが、空気がいつも以上に、すんとしていて木々がとても美しく感じたのをよく覚えています。人間の世界はどうであれ、自然は変わらず、暖かい春になれば、そのエネルギーをぐんぐん上へ上へと成長させているんだなぁと思いました。

感染予防のためには仕方のないことですが、外出を過度に控えるというのは、のびやかに広がっていく春の気を抑え込んでしまう可能性があります。本来、上へ上へと広がってく春の気を抑え込んでしまうと、気がせく、なんとなくイライラするといったことが起きやすくなります。また、目の充血・頭痛・くしゃみ・鼻水など、からだの上部に不調がでやすくなるのも、この時期の特徴です。

ご自身の生活の中で、無理のない範囲で、春はのびやかに、気持ちも軽やかに。また何かやりたい・始めたいという気持ちをできるだけ抑え込まずに、行動していくことが大切です。

また、冬はたっぷり休息をとることが大切で、早寝遅起きがよいとされますが、春は早寝早起きがよいとされています。一日の始まり、朝のエネルギーはとっても貴重。早起きをして、すっきりと1日を始めることは、1日をよりよく過ごすことにも繋がりそうですね。

私は、今年の冬はたっぷりと休むこと、いつもより睡眠時間も長めにとることを心掛けていました。1年の中で活動的になる春夏に、しっかり活動できるように、からだを休めておきたかったのです。立春を過ぎたので、朝起きる時間を少し早め、本格的な春にむけて少しずつ活動を増やしていきたいなぁと思います。

みなさんも、心もからだものびのびとした春の養生、ご自身にあったものを探して実践してみてくださいね。

#春の養生
#発陳