ないことの証明

「アセクシャルについて卒論書きたいんですけど…」と相談したら「ないことを証明するのは難しいから大変だよ」と言われた。
めちゃくちゃそうだと思った！そうだと思ったし、何で今まで気づかなかったんだろうと思った。そりゃ難しいわけだな、と気づけてまたひとつ楽になった。

BaseBallBearの愛してるに「愛は形のないものだから　似ているものを　そう、僕の心をあげる」という歌詞がある。
私は好きな人に対して私の心しかあげられないんだとずっと思ってる。心しかあげられない代わりに、心だけは全部あげようとしている。
ただ、結局心は見えないのでまた冒頭に戻る。

最近の私は目に見えないものを証明しようと必死な気がする。目に見えない"ある"ものと目に見えない"ない"もの。だから空回りしてるんじゃないかと思う。
目に見えない"ある"ものは行動に変えて証明できる。少なくともないものよりはできる。ないものは「ないんですよ！」と言う他ない。
ないんですよ！下心なんてないんですよ！好きになる気なんてないんですよ！気どころか、それが何なのかもわからなくて、今あなたをただ想うだけのことがみんなの言う「好き」なのかわからないんですよ！だから私はとりあえず、わかりやすく、言葉にして吐き出すことしかできなくて、でもそれすら曖昧の枠を超えないから意味なく感じて、どんどん頭の中で沈ませるだけで精一杯になってしまった。

目に見えるもので、私が証明できるものを少し探した。
愛想とか絵とか、笑顔とか。
笑顔の証明？今笑えてますよ〜の証明。今笑ってこの場を良くさせようと努力してますよ。今楽しいですよ。今笑ってますよ。知らない人にも笑顔を向けることができますよ。
愛想も同じか。

好きと言うことは、「好きと言うこと」のそれ以上でもそれ以下でもなくて、私はこれをどうしても「以上」にしたいから絵を描いている。
絵を描いていて良かったなと思うことが日に日に増え始めた。正しくは"絵を描いて、それを公開していて良かったな"。
今私の頭の中に浮かんでいる「好き」の先にはいろんな目標だったり希望がある。私の人生の全ては「好き」から始まっているから、あなたもそうでしょう？
ここに少し近づける機会が生まれ始めている。生まれ始めている気がする。始めてたらいいな。

言葉はちからつよいのに、びっくりするくらい無力な時の方が多い。おかしい。おかしいけどそれも「ないことの証明」と同じように言うだけじゃ意味ないってわかってるから、私はもっと「時間」とか「絵」とか目に見えるもので表現しようとする。本当は言葉でもたくさん伝えたい「好き」があるのに。悔しい。便利な言葉を作りすぎだ。それ一つで察しのいい人間は「なるほどね」と自己解釈をして、私の本意なんて知ろうとしない。
いや、私が知らせようとしないからか。知らせようとしないし、しても意味ないと思ってる。見えなくてないものは証明できないからね！

私もこうやっていろんな見えないものの証明を疑って取りこぼしていくんだろうな。悔しいな。

めちゃくちゃお腹がいたい！
日記をやめてしまったせいで悔しくも楽しい仕事終わりにめちゃくちゃお腹がいたくなったこととかを書く場所がなくなってる。いいことかも。
明日はさとなかさんの単独で、ちょっと先につばささんの単独もある。幸せだ！生かされてる！げメだって楽しかった！
こんなきらめきの近くに少しでも長くいるために生きていきたい。