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ドーナツ
その人は人物相関図を書くのが好きだと唐突に言った。
まず自分を書く。
すぐその周りには円状の塀があって
塀の中には誰一人立ち入ることができない。
家族や恋人でさえ。
一定の隔たりがあって塀の外から初めて各方向に線が伸び、
家族、友人、職場の人間…と繋がっていく。
紙に描かれたその塀はドーナツのような形で、中心である自分は空白、無である。
ドーナツの穴を空白として捉えるか存在として捉えるかという哲学じみた壮大なテーマがある。
人も外側には目を向けやすいが空白の中心部分はその存在を捉えることが難しい。
ただその人は周辺の身の部分が空白で核となる中心に明らかな存在感がある。
言うならば逆ドーナツである。
ちょっと憧れてしまう。
核となる中心部分は一見すると空白で実体のないものなのかもしれない。
でも周りの存在によって中心の空白が構成されるのではなくて、
中心の空白があって初めてその周りを囲うものが生まれるのかもしれない。
何を綴っているのよく分からないけど、
ドーナツと村上春樹が好き。
おわり
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