ラジオが好き
誰かが言っていた。
「ラジオはただ聞いていればいい。」
思考を止める、想像を止める、と。
でもその人はラジオが好きだと言っていた。
価値観は人それぞれだけど、勿体ないと思ってしまった。
何かの表面だけを見て知った気になって意見をしてしまうことは、恐ろしい。
昔、ある人に対する良くない噂を誰かから聞いた。
「あいつってこんなやつらしいよ。」
自分はそれを聞いて鵜呑みにして、その人を少し避けるようになってしまった。
幾らか時間が経って、その人と関わる機会があった。
その人は全然、誰かが言っていた”こんなやつ”じゃなかった。
あー、自分何してたんだろう。勝手に決めつけて。
もちろん、その人に良くない一面があったのは事実かもしれない。
ただ、きっと誰にでも悪い一面は存在するし、その一面だけで知った気になって判断してしまうことは恐ろしい。
なんて最低で勿体ないことをしてしまったんだろう。
それから自分はどんな人や物に対しても、ある程度は自分の目で知ろうとしてみようと思った。
もしかしたら、知ろうとしなくていい人や物もあるのかもしれないけど、それよりも何で知ろうとしなかったんだろうという後悔の方がしたくないから。
ああ、違う違うラジオの話しようと思ってたんだった。
最近真面目な話ばかっりする人間になってきていて自分でもつまらないと思っている。
気を付けよう。
「趣味はラジオを聴くことです。」
っていうと、大抵の人に
え?ラジオなんか聴いてるの?って言われる。
聴いているとも。めちゃくちゃにね。
ラジオをしっかり聴き始めたのは、高校生の頃の「SCHOOL OF LOCK!」がきっかけだったと確か思う。
当時持っていた、ド派手キラキラオレンジウォークマンで適当に聴いていたら流れてきた。
どっぷりハマったのは大学。
大学生の僕はたぶん県内で指折りのラジオリスナーだったと思う。(※自己調べ だって周りに聴いている人すらいないんだもん)
特にハマったのが、芸人の深夜ラジオと呼ばれるもの。
最初に聴いたのは高校生の時でやっぱりバナナマンのバナナムーンgold
いつだってバナナマンは僕のアイドル
違法動画だが、YouTubeにあがっていたものを聴いた。
たぶん内容は、なんかおじさん(設楽統)がおじさん(日村勇紀)に説教している回だった。(半分ぐらいは割とそういう回だ)
何この世界。こんな世界があったのか。
おじさんたちの会話を盗み聞きしている感じ。
でも、それでいて一緒に会話に参加している気持ちにもなれる。
それからというもの、僕はまずTBSラジオを聴き漁った。
おぎやはぎ、爆笑問題、ハライチ、山里良太、伊集院光、、、
え、なにこれ。面白い人みんなラジオやってるじゃん。
しかも、テレビより言いたいこと言っていてリアルだし、熱量があるし、距離感近いし、イイ要素しか見つからないじゃん。
TBSだけに留まるはずもなく、ニッポン放送、JFN、ABC、YouTube、、、
ラジオの世界は広い、あらゆるところでラジオが聴ける。
僕の世界は一気に広がった。知らない世界がまだこんなにある。
一つのことを掘ると、とことん突き詰めたくなる性格なので僕には時間が足りなかった。
移動時間、洗濯物を畳む時、干す時、掃除をする時、料理をする時、散歩をする時
一日中ラジオを流していた、流していない時などなかった。
それでも時間が足りない。ほんとに困る、、
今は大学時代ほどラジオを聴けていない。悲しいし寂しい。
ラジオはいろんなものを与えてくれる。
笑いはもちろん、どこでも役に立たなそうな雑学、話題のニュース、おススメの音楽、勇気、何気ないエピソードの中で人生の教訓めいたものを得ることもよくある。
誰かが言っていた、ラジオは聞いているだけでいい。
全くそんなことなくて、、
想像する力が必要。そうしないと楽しめないし、自ずと想像する力が培われると思う。
TBSラジオのコーポレートメッセージは
「聞けば、見えてくる。」「何かが始まる音がする」
である。
でもこれは嘘だ。いい意味で。
おじさんたちはリスナーなんて置き去りにして自分たちが一番楽しんでいる。何の説明もなしに、どんどん展開が進んでいく。
ちょっと待ってよ。と思うこともあるんだけど、それを想像しながら必死についていく感じがいいのだ。
逆に全部事細かに説明されたら少し冷めるかもしれない。
今、ラジオブースの中でどんなことが起こっているのかをリスナーの一人ひとりが想像する。
思い浮かべている画はそれぞれ違うかもしれないけど、その人その人の楽しみ方があっていいと思う。逆に一緒だったらつまらない。
ラジオは聴いてるだけだから思考が止まるという人は、
一度「アルコ&ピースの d.c.garage」を聴いてみてほしい。
たぶん、ただ聴いていたら何もわからない。
何が本当で何が嘘なのか。
2人は基本ずっと噓の話をしている。
ツッコむことはあまりせずに嘘の話に次の嘘の話を重ねる。
作り話のミルフィーユ。
ちゃんと聴いていないと本当に訳わからない。いや、ちゃんと聴いていても訳わからない。
そしてもっと言うとラジオは聴いているだけでなくて、参加もできる。
というか、パーソナリティーとリスナーで一緒につくりあげる。
リスナーが送ったメールに対してパーソナリティーがリアクションをして次々と展開が進んでいく。即興劇である。
そして深夜ラジオという場所に集まってくるハガキ職人と呼ばれる方たちはとてつもなく面白い。尊敬しかない。
面白い人ってこんなにたくさんいるんだとびっくりする。
なんでこんなに面白い人はたくさんいるのに、現実世界ではあまり出会えないのだろうとも思う。
まあ、深夜ラジオにメールを送る人なんてきっと世間一般的に見ればマイノリティだし小さい存在なのだろう。
でも、深夜ラジオという空間の中では誰よりも輝いていてかっこよくて、、、
そりゃ、こういう人の中から放送作家になって面白いものを生み出す人が現れて当然だよなと思う。
やっぱり、好きなものに対してだったらとことん語れる。
まだまだ語り足りない。
なかなかこういった思いを共有できる人って少ないから、余計に語りたくなってしまうけど、
そろそろというか既にかもしれないけど、気持ち悪がられそうなのでこの辺にしときます。
もし少しでもラジオに興味を持ってくれた方がいれば、初めはYouTubeの違法動画でもいいので聴いてみてください。
皮切りとして勧めるのであれば「オードリーのオールナイトニッポン 神回」とか調べて聴いてみてください。
僕もまだまだ深夜ラジオにしか詳しくないので、これからも相変わらず勉強していきたいと思います。
好きなことの話になると少しムキになってしまう。。。
あと、お気付きだろうか。
ここまで”聞く”という字を頑なに”聴く”と表していることを、、
癇に障るでしょ。こういうところ。
おわり
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