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独居者の支援

ある91歳男性利用者さんなのですが、4年前に要介護認定の妻が亡くなり独居されています。
喋る事ができない後遺症をもつ妻の介護を長年に渡りとても献身的介護をされていました。
ご年齢やデイサービスがお嫌いな事もあり、筋力が低下され一人では外出できなくなっています。

ヘルパーさんと銀行へ行き金銭を引き出す支援を受けていましたが、暗証番号を忘れてしまう様になりました。私も何度か同行してみたのですが、できたりできなかったりが続きます。
引き出し書類の記入も筆圧が低下しています。

長男へ依頼する事にして話し合いましたが、本人が子供にはお願いしたくありません。
長年のお互いに優しくできない関係性や男同士のプライドがあるのでしょうか。
後見人の話をしましたが、今度は長男が賛成されません。
支援していると家族関係は難しい問題が出てくる場合があります。

社会学者の森岡清美氏による家族とは、
夫婦関係を中心として、親子、兄弟、近親者によって構成され第一義的な幸福追及の集団である。


日本の家族制度とは、
・夫婦家族制 
結婚により成立。夫婦の一方か双方の死により消滅する一代限りの家族。夫妻が両方いる時は、既婚家族と同居しない。
・直系家族制
親が一人っ子の家族とだけ同居する家族。同居する子は長男が多い。戦前に民法に記載されていた家制度の典型。
・複合家族制
複数の子の家族と同居する家族形態。結婚しても親と同居する。



となると‥
この利用者さんは夫婦家族制となります。
賑やかな四人家族でしたが、今では家族構成は一人となります。
長くご夫妻で暮らしがありましたし、別々の暮らしをされている長男、長女なのです。
金銭管理を任せたくない。という利用者の気持ちが少し理解できる気がしてきました。
家族の定義を重ねてみると、一人で幸福を追及するのは大変なのです。

日本の人口累計で高齢者の割合が、一番多くなる2025年が近くなりました。同時に少子化の背景もなかなか変わりません。

☆★

三浦春馬さんの最後の主役映画作品の「天外者」。
上映公開が困難だった状況を乗り越えて、制作者やそのスタッフや春馬さんの想いが叶いました。

薩摩藩士として明治維新前の幕末激動の時代に、明るい未来を願う一般庶民の代表として活躍されました。日本や外国でも学び日本の産業革命を推進しました。
実業家として大阪の商業の基礎を作った「五代友厚」を演じています。

五代友厚の言葉の一つである、
「金も名誉もいらん。私は夢のある未来が欲しいだけだ。」
日本を愛した春馬さんの情熱的な演技とその言葉が思い出されました。


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