【競馬】だいじょうぶ、北村友一には戻ってくる場所も時間もあるから
ある程度の期間は覚悟していたが、衝撃的なニュースだった。
5月2日の落馬事故で負傷した北村友一が、復帰まで1年以上かかる見込みであることが判明。背骨が8本も折れており、「普通に歩けるようになるまで、かなり時間がかかる」というほどの重傷から立ち直る、長い道のりに挑むこととなった。
19年の大阪杯でG1初勝利を飾ったあとは、現役最強クラスのお手馬クロノジェネシスとも出会うなど、今や大舞台には欠かせない乗り役へと成長した。今季は初めてのドバイ遠征を経験するなど、今後ますます活躍が期待された矢先の出来事だけに、いち競馬ファンとしても喪失感は大きい。
しかも新婚さんだというのが余計に気の毒で..
ただ、これまで築き上げた実績と信頼は簡単に揺らぐものではない。特にここ数年でトップジョッキーの仲間入りを果たしたことで、「戻れる場所」ができたことはせめてもの救いだ。もしこれがG1を勝つ直前での離脱だったとすれば、またイチからのやり直しを余儀なくされていたところ。無事に復帰できた際には、きっとまた多くの有力馬を任されるはず。そう信じて治療とリハビリに臨んでもらいたい。
また、年齢的にもまだ35歳と、ジョッキーとしてはこれから円熟期を迎えるところ。アスリートとして1年以上も戦線を離れるのは大きなブランクになるが、それを取り戻せるだけの時間はたっぷり残されている。
それにしてもジョッキーというのは因果な仕事である。ライバルであり同僚でもある他の騎手との間で、いつ被害者や加害者になってしまうかわからない。今回は結果的に幸さんの騎乗馬が内に斜行したのが原因になった。しかしこの件についても北村友一は気遣いを忘れなかった。
先週の日曜阪神2Rで自身の騎乗馬の斜行により、北村友が落馬負傷した。馬の癖が原因であることは、騎乗停止期間が1日だったことからも分かるが、「友一のことが頭から離れない。本人がすぐに“気にしないでください。僕の分まで頑張ってください”とメールをくれたのですが…」と肩を落とす。簡単に気持ちが晴れるものではないだろう。それでも、今週末の競馬に向けて前を向く。
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先週の記事だが、これを読んですごく救われた気がした。日頃から互いに信頼関係を築き上げられているからこそ、不測の事態にもこうして前向きな言葉を送れるのだろう。ますます、復帰後の活躍を願わずにはいられなくなった。
きっと北村友一なら大丈夫。