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【競馬】第1回・種牡馬最強世代ランキング決定戦(前編)

先日ハーツクライの種牡馬引退が発表された。ジャスタウェイやリスグラシューなど、覚醒を遂げた瞬間に超絶的な強さを発揮する成長力が印象的な種牡馬だったし、ワンアンドオンリーやヌーヴォレコルトなど、クラシックの時期にもしっかり間に合わせてくるのも優秀だった。同期にキングカメハメハやダイワメジャー、さらにはブラックタイドと名種牡馬を輩出した04年クラシック世代は偉大である。

そこでふと気になったのが、「種牡馬としての最強世代はいつなのか?」という疑問。現役時代のキャリアを比較しての世代論争は語り尽くされつつあるように思う一方、種牡馬成績でトップに君臨する世代は共通認識が構築されていないように思う。

そこで調べてみた。現役時代を日本で過ごした種牡馬のうち、国内もしくは海外の平地G1勝ち馬を輩出した馬が多いのはどの世代か。例によって手作業での集計になるため、見落としなどがあるかもしれないのでお気づきの点があればぜひご指摘いただければ。

ざっくり「あの世代かなあ」という見通しは立っているものの、勝負はゲタを履いてみないとわからない。それでは早速スタート。

● 2015年クラシック世代(2012年産まれ):0頭

<主な種牡馬>
ドゥラメンテ
キタサンブラック
リアルスティール
シュヴァルグラン
サトノクラウン

さすがに産駒が走っている種牡馬も少ないということもあって0頭。ドゥラメンテ産駒が戦列なデビューを飾れば認定されたのだが、出世頭タイトルホルダーの皐月賞2着が限度。キタサンブラックの初年度産駒もまだ2歳だ。
今後の見通しとして期待が集まるのはリアルスティールだが、そもそも期待の種牡馬自体が少ない世代だけに劣勢が予想される。

● 2014年クラシック世代(2011年産まれ):0頭

<主な種牡馬>
モーリス
ミッキーアイル
エイシンヒカリ
イスラボニータ
サトノアラジン
ゴールドアクター

こちらもぼちぼち産駒が走り始めている段階で、まだG1タイトルには手が届いていない。ただ、モーリスは評判倒れのレッテルを貼られながらも重賞勝ち馬を輩出したし、ミッキーアイルも代表産駒メイケイエールが非凡な能力を発揮。まだまだこれからの可能性を感じさせる世代だ。

● 2013年クラシック世代(2010年産まれ):1頭

<主な種牡馬>
エピファネイア ★
キズナ
ラブリーデイ
コパノリッキー
ロゴタイプ
ダノンレジェンド

ノミネート第1号はエピファネイア。しかも三冠牝馬デアリングタクトに無敗の皐月賞馬エフフォーリアと2頭のクラシックウィナーを出したのはすばらしいの一言である。G1では善戦どまりのキズナも早く肩を並べたいところ。

● 2012年クラシック世代(2009年産まれ):2頭

<主な種牡馬>
ジャスタウェイ ★
ゴールドシップ ★
ディープブリランテ
フェノーメノ
ホッコータルマエ
カレンブラックヒル
ワールドエース
トーセンホマレボシ

ゴールドシップの名に★をつけられたのが誇らしいぜ。改めてユーバーレーベンはいい仕事をしてくれた。現役時代も同厩だったジャスタウェイもホープフルS勝ち馬ダノンザキッドを出している。ただ、他はあまり大物を出す気配もなく、今後の見通しはやや厳しい。

● 2011年クラシック世代(2008年産まれ):3頭

<主な種牡馬>
オルフェーヴル ★
ロードカナロア ★
リアルインパクト ★
トーセンラー
ダノンバラード
ウインバリアシオン
グランプリボス
ダノンシャーク
サダムパテック

三冠馬と短距離王を擁する世代。ロードカナロアの有能ぶりはもちろん、オルフェーヴルだって初年度からラッキーライラックやエポカドーロを出したのは優秀でしかない。近年も盛り返し傾向にあるし、父の血を広げる後継種牡馬の登場も楽しみにしたい。
リアルインパクトもラウダシオンを出す好スタート。意外性を秘めているだけにまだ活躍馬が出てきても不思議ではない。ただ4番目の勢力になれそうな馬は今のところ見当たらず..トーセンラー産駒ザダルの戴冠に期待か。

● 2010年クラシック世代(2007年産まれ):2頭

<主な種牡馬>
ヴィクトワールピサ ★
ルーラーシップ ★
ダノンシャンティ
トゥザグローリー
エイシンフラッシュ
ローズキングダム
ヒルノダムール
ペルーサ
パドトロワ
ニホンピロアワーズ

現役時代は黄金世代と呼ばれ、クラシック戦線を盛り上げてくれた世代。その筆頭格だったヴィクトワールピサは桜花賞馬ジュエラーを出し、遅咲きの良血ルーラーシップは菊花賞馬キセキが今も現役で頑張っている。
ただ、その他の戦友たちが苦戦気味で、今後ここに仲間入りを果たせる可能性は低い。トゥザグローリー産駒カラテ次第でどうにか..w

● 2009年クラシック世代(2006年産まれ):0頭

<主な種牡馬>
ロジユニヴァース
アンライバルド
スリーロールス
リーチザクラウン
ジョーカプチーノ
ストロングリターン
トーセンジョーダン
トランセンド
ナカヤマフェスタ

谷間の世代。三冠を争ったネオユニヴァース産駒の2頭がともに成績不振のまま引退し、種牡馬としての期待を寄せられなかったのが響いたか。一瞬ブレイクの兆しを見せたリーチザクラウン、条件戦でコンスタントに走っているジョーカプチーノの健闘が光る程度。凱旋門賞2着馬ナカヤマフェスタも完全に期待はずれに終わってしまった。

● 2008年クラシック世代(2005年産まれ):1頭

<主な種牡馬>
ディープスカイ ★
オウケンブルースリ
キャプテントゥーレ
スマートファルコン
エスポワールシチー
アーネストリー
シルポート

2年連続で谷間の世代。もはや谷間ではない。ディープスカイにこそ★がついたものの、サウンドスカイとキョウエイギアが世代別のダート交流G1を勝ってのもので産駒全体の成績は振るわず。アグネスタキオンの直系もここで途絶えることに。

● 2007年クラシック世代(2004年産まれ):2頭

<主な種牡馬>
スクリーンヒーロー ★
アドマイヤオーラ ★
アサクサキングス
ヴィクトリー
ドリームジャーニー
フリオーソ
ローレルゲレイロ
ジャガーメイル

ここでスクリーンヒーロー登場。こうして振り返ると近年では最大級の成績を残した種牡馬である。モーリスやゴールドアクターなど、傍流血統の配合で大物を出した功績は大きい。
また、アドマイヤオーラ産駒のアルクトスが南部杯を制したことで認定。他にもノボバカラやクロスクリーガーなどダートの強豪を出していただけに、早い死が悔やまれる。

● 2006年クラシック世代(2003年産まれ):1頭

<主な種牡馬>
アドマイヤムーン ★
メイショウサムソン
ソングオブウインド
キンシャサノキセキ
マツリダゴッホ
フサイチリシャール
スーパーホーネット

G1馬を出せているのは現状アドマイヤムーンのみだが、全体的にようやっとる世代。キンシャサノキセキあたりは短距離でワンチャンありそうだし、マツリダゴッホもコンスタントに走ってる。ただ一気に形勢逆転とまでは難しそう。

● 2005年クラシック世代(2002年産まれ):3頭

<主な種牡馬>
ディープインパクト ★
カネヒキリ ★
スズカフェニックス ★
ヴァーミリアン
アドマイヤジャパン
エイシンデピュティ
シックスセンス

大正義ディープインパクト世代。てっきり他は影に隠れた存在になってしまうかと思っていたが、意外と見られる結果に。
カネヒキリはミツバが川崎記念を勝って合格。そして盲点だったのがスズカフェニックス産駒マイネルホウオウの存在よw
あとはヴァーミリアン産駒リュウノユキナがJBCスプリントでも勝とうものなら優秀な世代の仲間入り!

さあ、そしていよいよこの企画をスタートさせるキッカケとなった2004年クラシック世代の番。

● 2004年クラシック世代(2001年産まれ):6頭

<主な種牡馬>
キングカメハメハ ★
ハーツクライ ★
ダイワメジャー ★
ブラックタイド ★
スズカマンボ ★
メイショウボーラー ★
ハットトリック
カンパニー

はい最強。冒頭で名前を出した3頭以外にも、キタサンブラックを出したブラックタイドにダート女王サンビスタの父スズカマンボと層が厚い。メイショウボーラー産駒はニシケンモノノフがJBCスプリントを勝っていたことをうっかり見落としそうになったw あとは番外編ながら海外で繋養されG1馬ダビルシムを出したハットトリックも優秀だった。
このうち、キングカメハメハ・ハーツクライ・ブラックタイドは産駒が年度代表馬に選ばれたほどの活躍を見せている。まぎれもなく超一流の種牡馬たちだ。



とりあえず前編はここまで。お疲れ様でした。この後もある程度は遡るつもりですが、先に軽くネタバレしておくと04年クラシック組に肩を並べる世代があるのでそちらを想像しながら次の更新をお待ちください。

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