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【競馬コラム】社台レースホース、ようやっとる

スターズオンアース・アスクビクターモアの活躍で、今年の3歳クラシックを3勝し宿敵ノーザンファームに「勝ち越し」を果たした社台ファーム。日本競馬の誇る二大巨頭として本来は双璧を成すはずが、近年はその成績も大きく水を開けられもはや「ライバル」という表現も不似合いな状況になっていただけに、この風向きの変化には敏感にならざるを得ない。

詳しいことまでは知らないが、育成段階での取り組みを大きく変えたのが結果に結びつきつつあるとのこと。それがどうやら偶然ではなさそうに思えるのが、現2歳世代の社台レースホース勢の順調な勝ち上がりである。先週も新馬戦でライトクオンタム・エンファサイズ・ソールオリエンスが勝利。これで18頭目の勝ち名乗りとなり、サンデーレーシングと同じ数字を残している(いずれもハシスポ調べ)。

もっとも例年この時期の傾向がどんなもんかはわからないので、的はずれなことを書いているかもしれないが、ひとことで言えば「ようやっとる」のではないかと。それもダートや短距離戦でせこせこ稼いでいるのではなく、クラシックを意識させる芝中距離の花形カテゴリで将来性豊かな素材が芽を出している点もポイントが高い。個人的にはダンスファンタジアの仔ヒップホップソウルの素質を買っており、2年連続の牝馬クラシック制覇も十分に可能性があるんじゃないかと考えてる。
あとは血統のバリエーションがいいよね。ディープインパクトからノヴェリストまで。他にもイスラボニータやレッドファルクスなどかつての生産馬の産駒たちも活躍しているし、マインドユアビスケッツみたいな新たな流れもうまく取り入れられている。

やっぱりね、競馬の物心がついた頃に大正義だった「タテジマ」の勝負服にはいつまでも威光を放っていてほしいものですよ。バブルガムフェローとダンスインザダークの勝負服が同じであることに気付き、「この馬主めっちゃ強いやん」とわからないながらに感じたあの頃から、社台レースホースといえば超名門なんですから。その後もネオユニヴァースやハーツクライらが受け継いだバトンが途切れてしまうのはあまりにも惜しい。

伝統を力強く受け継いでくれる馬がどれだけ現れるか。期待しながら注目していきたい。

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