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【競馬】充実の横山和生、円熟の川田将雅/函館記念・中京記念振り返り

混戦ムードの函館記念を制したのはトーセンスーリヤと横山和生。先週の時点で今季すでに43勝を挙げ、自身のキャリアハイを更新するなど充実の日々を送る鞍上が、ソツのないレース運びで重賞制覇を果たした。

大外枠からハナをうかがったレッドジェニアルにマイネルファンロンが競りかける展開を、離れた3番手で流れに乗る最高のポジショニング。抜群の手応えのまま先頭に並びかけると、2着に3馬身の差をつける圧勝。人馬一体のすばらしい勝利だった。

「横山典弘の息子」といえば、先に頭角を現したタケシを思い浮かべる人が多いだろうが、兄カズオもまだまだこれから。この兄弟が関東を、そして日本の競馬界を引っ張る存在がやってくる日も遠くはあるまい。

2着はアイスバブルとバイオスパークの人気薄2頭が並んで入り、わずかにアイスバブルが先着。単勝14番人気を拾う難しさよ。その他の人気どころも総崩れで、改めて函館記念の難解さを痛感する結果になった。
ただ、カフェファラオだけは危険極まりない人気馬だったと断言していい。この馬から買った人はこの結果を受けて「うそ、信じられん..絶対勝つと思ってたのに」などと感じているのだろうか。ちょっと興味ある。



函館記念が若手の勢いなら、中京記念は名手の手腕。アンドラステを勝利に導いた川田将雅の手綱さばきは「さすが」と唸らされるものだった。
少し行きたがる素振りを見せながらも好位インでじっと脚をため、3角過ぎからのスパート合戦も内でスパートのタイミングを見計らい、コースロスなく先頭に躍り出る見事な騎乗。これまで岩田望来が主戦を務め、重賞で惜敗を重ねてきたが、久々のコンビでこれほどまでの見事な一発回答を見せられては、「鞍上の差」と言われても返す言葉がないだろう。
5歳夏ながらまだキャリアは12戦と、大事に使われてきた素質馬である。引退まで残された時間も短いだけに、この秋はぜひG1の舞台で力走する姿が見たい。

こちらは2着以下もおおむね順当な決着。カテドラルは重賞で上位争いの常連だし、クラヴェルは前走に続き意欲のコンビ続投の横山典弘がイン突きで見せ場を作った。
「ゴールドシップの彼女」ロータスランドはここ数戦と同じく好位から競馬を進めたが伸びきれず..これは距離か小回り適性か。悲観する負け方ではないけど。
ボッケリーニはいい条件だっただけにもうちょっと頑張りたかった。こういうところでチャンスを活かしきれないのが現状の浜中俊を象徴しているのかもしれない..



どちらも見応えあるレースでした。馬券は買わなくても夏競馬は楽しい。

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