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【競馬コラム】またしても転機は突然に

初めてダートを使ってからわずか4ヶ月で頂点に。何なんですかこれ、先週と同じパターンじゃないですか。本当、どこで転機が訪れるかわからんもんですな。

ただ、脚元の事情で芝をなかなか使えずにいたヴェラアズールと違って、ジュンライトボルトの場合は芝でOP昇級後しばらくモタモタしていたところでのコンバート。陣営としては「いつかはダートを」という思惑もあったそうだが、ひとつタイミングを間違っていればその才能が埋もれてしまいかねないところだった。

初のダート戦となった7月のジュライSはぼんやりレースを見ていた記憶がある。とはいえ勝ち馬ニューモニュメントが豪快に差し切り、確か海外遠征を控えていた小崎綾也が一発ぶちかましたなあという印象の方が強く、まさかあのレースに後のダート王が潜んでいるとは誰が思ったことか。

そして、この時に初めてコンビを組んだのが石川裕紀人であった。デビュー2年目から40勝を挙げるなど早くから頭角を現しながらも、その後はケガの影響などもあって足踏み状態。ブレイク時はライアン・ムーアばりの豪快なフォームでファンを魅せる騎乗ぶりにインパクトがあり、近いうちにトップジョッキーになれると期待を寄せられただけに、やや遅ればせながらのG1初勝利は格別の喜びがあったに違いない。しかも関西の名門・友道康夫厩舎の管理馬でそれを成し遂げたことで、今後のキャリアアップへの展望も明るく開けたのではないだろうか。

2着にクラウンプライド、3着にハピと3歳馬が新たに台頭したのは今後のダート路線に向けて朗報。テーオーケインズはやや慎重な立ち回りで、スローペースを外から追走する形になったのが不完全燃焼の原因だろうか。昨年のような圧倒的な強さを見せることはできなかった。もともとちょいちょい人気を背負って4着に負ける芸の持ち主でもあり、全幅の信頼を寄せるには少し心もとないタイプなのかもしれない。

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