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【競馬コラム】凱旋門賞の思い出-初めての育児とマカヒキの挑戦

今年も凱旋門賞の季節がやってきた。悲願達成を目指す日本調教馬の奮闘を見守るべく、日曜夜のグリーンチャンネル観戦も毎年おなじみの風習となった。まっっっったく競馬に興味のない我が家の奥さんですら、「ああ、フランスのやつね。今年もそんな季節か」と認識しているほど。

エルコンドルパサーの壮大なる挑戦に始まり、ディープインパクトの屈辱、オルフェーヴルの悪夢、そして我が最愛の名馬ゴールドシップの大冒険と数々の思い出が築き上げられていった舞台。それらに比べると、レース内容そのものの印象は希薄ながら、強烈な記憶が残っているのが16年マカヒキの挑戦だ。

なぜなら、この年には産まれてまだ2ヶ月の娘がいたからだ。しかも、出産直後の里帰りから戻ってきてまだ1週間。つまり我が子と共同生活を始めたばかりというシチュエーションである。

それまでとは生活様式が180度変化し、何もかもが娘に合わせてのスケジューリングに。当然ながら「23時くらいからは競馬が見たいからよろしく」などと言うわけにはいかない。少しでも奥さんの負担を軽減すべく、やれることはやらなければならない。
この日は不慣れな抱っこをしながら、懸命に寝かしつけをしていた。薄暗くした寝室をウロウロしつつ身体を揺らし、少しでも早くコクっと寝落ちしてくれることを願いながら..そして凱旋門賞の発走に間に合うようにと..
その想いが通じたのか、どうにかこうにかタイムリミットには間に合って例年同様テレビ観戦はできたのだが、これはたまたま運が良かっただけ。何もかも自分の思い通りに生きられるライフステージはしばらくお預けになったということを、強く認識させられたのであった。

娘は現在、5歳となり毎日規則正しくスヤスヤしてくれているが、そこに至るまでの道のりでは何度もしんどい思いをしてきた。今年は幸いなことに、ゆっくりくつろぎながらクロノジェネシスとディープボンドの挑戦を見守ることができそうだが、家事や育児の合間に趣味の時間を確保できることに感謝することを忘れずにいたい。

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