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【競馬】極めてもなお挑む姿勢が、大阪杯をアツくする

三冠馬コントレイルの年明け初戦というだけでも早くから楽しみだった大阪杯だが、そこにグランアレグリアが参戦を表明した瞬間は思わず胸が高まるものがあった。
昨年のジャパンCに次ぐ夢の対決が実現。三冠馬とはどこか孤高な存在になりがちなものだが、どうやらコントレイルはライバルに恵まれる星の下に産まれたようだ。

昨年の安田記念ではアーモンドアイを破り、マイルCSでは他馬を全く寄せ付けない走りでG1春秋連覇を果たした女王。すでに不動の地位を確立したにもかかわらず、強敵との対決が待っているのを承知で未知の距離に挑むスタイルは称賛されるべきもの。
特に近年はカテゴリの細分化が顕著で、自らの適性範囲外のレースはローテーションから外すのがセオリーになりつつある。コントレイルも従来であれば春の天皇賞を視野に入れる立場だろうが、血統面を含め本質的には長距離は不向きとの判断で回避がすでに決定。それ自体を批判するつもりはないが、だからこそグランアレグリア陣営の下した判断がより尊いものであると言える。

特に藤沢和雄調教師としては、来年2月いっぱいでの定年を前に迎える大勝負となる。マイル戦と2000mの二階級制覇については、「タイキシャトルで成し遂げたかった」という悲願でもある。当時は秋の天皇賞に外国産馬の出走権がなかったため実現しなかったが、最後にそのチャンスが訪れた。どんな大レースにも、飄々とした言動で臨む名伯楽だが、内心は野望に燃えているに違いない。

たとえ相手が無敗で三冠を成し遂げた日本競馬の新エースであっても、恐らく譲るつもりは一切ないだろう。今から週末が待ち遠しい。

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