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【競馬コラム】皐月賞の格言、見つかる

ハシスポ

毎年のことですけど、皐月賞の予想って難しすぎません？

朝日杯・ホープフルSの2歳G1で結果を出してきた実績馬と、共同通信杯をはじめとする年明けの重賞で素質を見せた馬、そして近年は「滑り込み」的な要素の強くなった弥生賞・スプリングSのトライアル組が「いっせーの！」でぶつかって誰が勝つかを考えなければならないという無理ゲー。

しかも、それまで「少頭数・スローペース」になりがちなレースを経由してきて、いきなり「多頭数・平均ペース」に加え連続開催最終週の中山芝というタフな条件が待ち受けているわけだから、いかに「この馬、強いぞ！」と目をつけていた馬でも「いや～今までとは勝手が違いましたわｗ」と馬群に沈んでしまってもおかしくない。
それで順当に決着するならまだしも、数年に一回は起こる恐怖の前残りな。古いところでいえばヴィクトリーとサンツェッペリン、近年でもエポカドーロとサンリヴァルなど、ナメられた伏兵がノーマークをいいことにラチ沿いをネバネバと粘り込む。マジメに考えた予想が水泡と化し、一週間の努力は何だったのかと虚無感に襲われる瞬間である。

同じ3歳クラシックでも、牝馬路線は阪神ジュベナイルF～チューリップ賞と阪神1600mで戦いが続くわけだから、こちらは力の比較がしやすいしコース形状からもそこまで紛れが生じるわけではない。もっとも桜花賞～オークスの条件変化ぶりが激しいわけだけれども。

なので皐月賞は人生でまともに予想して取った記憶がなく、近年は自分の中のターゲットレースからも除外され、予想すらしないようにしていたのだが..

土曜の中山の馬場が外差し傾向なのを見て、「これなら勝負できるかも」と緊急参戦を決意。東スポ杯2歳Sでド肝を抜かれたイクイノックスを本命に、相手も外を回って差せる馬を中心にピックアップ。

そしたら本線に近い形でゲット。イクイノックスが勝っていれば単勝も当たったんだけどまあ贅沢は言うまい。

結局ねえ、先に書いた「未知の要素」なんてやってみないとわからないんですよ。良くも悪くも。昨年のエフフォーリアだってそう、百日草特別・共同通信杯と東京のいい馬場で強い勝ち方をした分、中山はどうか..みたいな疑いの目を向けてしまうけれど、今となってはバカみたいな話じゃないですか。だから皐月賞は「自分がクラシックロードを見てきて一番強いと思った馬を買う」でいいと思うんです。それで適性面に問題があって負けたなら、日本ダービーでやり返せばいいんです。レイデオロだってワグネリアンだって、皐月賞で馬券圏外に敗れてから巻き返してるわけですから。「皐月賞で負けたら日本ダービーで人気が落ちてラッキー」くらいの二段構え。今回イクイノックスの馬券を買ったのも、結果がどうなっても日本ダービーでも◎は変えないという決意のもとでした。

「皐月賞は自分が一番強いと思った馬を買え。日本ダービーまでセットで買え」。競馬ファン歴25年を越えた今、こうして自分に言い聞かせる新たな格言が見つかったあたり、まだまだ競馬は奥深い。

＊

それにしてもイクイノックスの4角の手応えはしびれましたね。あの時点で好走を確信する勢い。抜け出してから同僚ジオグリフに屈する形になったのは、序盤ちょっと力みがあったせいでしょう。日本ダービーに向けて狙い通りに上昇カーブを描けばかなりの確率で勝てると見た。

ジオグリフに関してはずっと「たいしたことない」と言い続けてきたので、こうしてクラシックを勝たれてしまっては反論の余地もございません。しかもちゃっかり重い印を入れて馬券まで取ってるし。
まあ外枠だし無理に嫌うこともないでしょう。それに札幌2歳Sの勝ち方を見ても、ツーターンでそこそこ流れる競馬が得意なのは明らか。ただ、イクイノックスを負かすとまでは考えていなかったので差された瞬間はまあまあショックでしたｗ
テン乗りでシレッと勝っちゃう福永祐一もさすが。桜花賞の川田将雅に続き、お手馬不在の名手がしっかりチャンスを活かした。本当ならレッドベルアームでここに出てるはずだったのがどうしてこうなったのか..ｗ
勝利騎手インタビューでは東京2400mに向けての偽らざる本音もしっかり語ってくれた。確かに距離が延びてバッチコイというタイプではないし、個人的にも懐疑的に見ている。

むしろ日本ダービーに向けて視界良好なのはダノンベルーガ。馬場の悪い内をずっと通らされながらも、心身ともに削られることなく脚を伸ばしてきたのは感心させられた。次はイクイノックスと一騎打ちくらいの気持ちで今のところ考えてます。

ドウデュースの3着は「親の顔より見た武豊の追い込み届かず」。ちょっと懐かしい気持ちになった。スペシャルウィークみたいに、先を見据えての競馬ならあの位置もわかるが、ドウデュースはここ勝負しないとダメでしょう。これまでのレースぶりからも中団くらいには難なく付けられると思っていただけに、馬券を外した方々としては納得のいかない立ち回りになったんじゃないでしょうか。

キラーアビリティが13着と大敗したことで横山武史がまた不当に叩かれているのかもしれないが、この馬場だと厳しいし出遅れて位置取りも悪くなった。道中も気負い気味だったし、力を出し切れるコンディションではなかった。

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