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【競馬コラム】24年後も続く夢の架け橋/小倉2歳S

「ロンドン逃げる! ロンドン逃げる! 夢の架け橋ロンドンブリッジー!」

こんなもん競馬実況イントロクイズ初級編ですよね。98年桜花賞、ハイペースの逃げで後続を振り切りにかかった場面で、関テレ馬場鉄志アナが放った名実況。結果的にファレノプシスに差されたことで「迷実況」としての爪痕も残すことになってしまったが、その小気味よいフレーズは24年が経った今も全く色褪せることなく心に刻まれている。

残念ながらロンドンブリッジは次のオークスが現役最後のレースとなり、G1制覇の「夢」は叶わなかったわけだが、今もその物語は果てることなく続いている。息子グレーターロンドンは重度の脚部不安と戦いながらもG3中京記念を制したほか、G1安田記念でも僅差の4着と善戦するなど高いポテンシャルを発揮し種牡馬入り。そしてその数少ない初年度産駒から孝行息子が現れた。ロンドンプラン、デビューから2戦2勝で小倉2歳S制覇。

落鉄するわ出遅れるわでスタート直後から絶望的な展開だったが、4角最後方大外ブン回しからのごぼう抜き。上がり3F33.1秒は次位シルフィードレーヴを1.1秒も上回る、とんでもない数値を叩き残した。

母パッションローズは現役時代、準OPまで出世した活躍馬だったが記憶になく(すまん..重賞にも出てるのに)、だがその血統を遡れば母系にロイヤルコスマーの名が。1980年代終盤に重賞で活躍した、下河辺牧場の根幹牝馬の一頭。父からロンドンブリッジの血を、そして母からロイヤルコスマーの血を引いてるなんて下河辺牧場の結晶ともいうべき存在が、こうして重賞を手にするとは。すばらしい瞬間に立ち会えたものだ。

しかもロンドンプランを担当しているのはロンドンブリッジも手掛けていた方だとか。いくらなんでも盛りすぎじゃないですかね!w

1番人気のプロトポロスは4着。レース運び自体は問題なく、4角で仕掛けを待たされはしたものの脚さえあれば抜けてこられる進路取りだった。直線でもそれなりに伸びてはいるのだが、外を回った差し馬の勢いに飲まれる格好になってしまった。
確かに新馬戦は圧勝だったし、追い切りもよく動いていたことから人気になるのはよくわかる。ただこの馬の父War Frontってのがあまりいい印象がなくてな..フォッサマグナのせいでw 新馬戦で「映える」勝ち方をして重賞でも通用すると見せかけてからの~なタイプなのかもと思っていたので納得。今後もWar Front産駒の取り扱いには注意しよう。

実力と話題を兼備し3番人気に推されたミカッテヨンデイイは残念ながら10着。やや出負け気味のスタートで、追い出されてからも弾けず。「テンションが上がってしまっていた」とは今村聖奈も振り返ったように、力を発揮できずに終わった。とはいえフェニックス賞を勝ち実力でこの舞台に立ったのは立派の一語に尽きる。

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