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【野球】手応えあるシーズンへ..2021阪神タイガースに託すもの

いよいよ、のいよである。

26日(金)にプロ野球が開幕。未だにコロナの影響は大きく、一部の外国人選手が未だに来日できていなかったり、延長戦がなく9回で打ち切りとなったりイレギュラーなシーズンとなるが、それでもペナントレースが行われるだけで十分。どうにか無事に最後まで完走できることを願うばかり。

で、阪神タイガースはどうなのよという話。優勝できるかなー、できないかなー。あの選手はどれくらい活躍するんだろなー。そんな開幕直前スペシャル。

■ 優勝はできそうですか..?

ムリでしょう(迫真)。
何やかんやで読売ジャイアンツとの差は大きい。坂本勇人・岡本和真・丸佳浩と主力がドドーンと構えているところに梶谷隆幸がFAで加入。そこに新外国人のスモークとテームズでしたっけ?が機能するようなら、昨年以上に重量感ある打線が完成する。昨シーズン8勝16敗とボコボコにやられた身からすれば脅威でしかない。
せめて菅野智之が抜ければまだワンチャンあったものの、残留が決まったことで事実上の終戦。これが決定打になりましたね。
ただ、せめて優勝争いには持ち込みたい。冷や汗をかかせるくらいのところまでは追い詰めたい。若い選手が中心になった今、ギリギリの勝負を経験することが近い将来の糧になることは間違いないので、夏の東京ドーム3連戦で勝ち越せば首位浮上!くらいのところまではどうにか(スイープ食らうのがお約束

■ 注目の選手たち:野手陣

◯ 佐藤輝明
オープン戦でも6本のアーチをぶちこむなど、大器の片鱗を見せてくれた佐藤輝明。その一方で、終盤は強引な打撃も目立ち始め、右翼の守備も不慣れなせいかミスが多発。課題も残るシーズンインとなった。
「1年目どんな成績を残すのか」も頻繁に話題となっているが、個人的には[.260 15 60]くらいかなあ、と。ケガなく規定打席をクリアする程度の出場機会があるとして。
現状、四球を多く取れるタイプではなさそうだけにOPSは.750まで行けるかどうか。あと前述の通り外野守備も不安が残るだけに、セイバー的には低い評価になりそう。

いい意味で期待を裏切ってくれていいんやで。

◯ 大山悠輔
昨年キャリアハイを大幅に更新した大山悠輔は、すっかり主軸としての風格を漂わせつつある。これまで1年だけ成績を残し消えていった大砲候補とは違うぞというところを今季も見せてくれるはず。
常に厳しい目にさらされる彼の宿命を考えると、少しでも昨季より数字を落とすと叩かれそうだが、必ずしも昨季の28本・OPS.917を上回る必要はない。ざっくり25本・OPS.850くらいをクリアしてくれれば合格点。高水準の数字を2年続けて残すことが重要。

◯ 近本光司
大山と同様、すっかりチームの顔となりつつある近本光司。規格外の守備範囲を武器にWARを荒稼ぎし、地味に球界を代表する選手の一人に成長した。あとは打撃面でもうワンランク上に行ければ、いよいよ手がつけられなくなる。
出塁率を上げるか、長打率を上げるか。恐らく彼に向いているのは後者だろう。思い切り振り抜いた打球が右中間フェンスに直撃する場面はオープン戦でも何度も見てきた。過去2年、9本でカンストした本塁打数を15本くらいまで伸ばせれば理想。

◯ 梅野隆太郎
昨季は特に起用法について取り沙汰されることが多かった梅野隆太郎。開幕2戦目からスタメンの座を失い、しばらくコロコロされた後は1ヶ月ずっと出づっぱり。ケガで登録抹消も経験するなど、不完全燃焼なシーズンだったに違いない。
オープン戦終盤もスタメン出場が続いていたのを見る限り、今季はしばらくスタメンの座は安泰と見たが大丈夫だろうか。週一回くらい坂本誠志郎を使ってスタミナを温存しながら、万全の状態でフルシーズン戦い抜けることを願っている。持ち前の守備力はもちろん、打撃成績にも好影響を及ぼすこと必至。

そしてFAへ..とならないことだけを願いながら。

◯ その他
長年の懸案であったベテラン依存の解消に成功したのが大きい。毎年、当然のように開幕スタメンに名を連ねていた福留孝介が退団、そして糸井嘉男もベンチスタートが濃厚。これは感慨深いものがある。
とはいえヤフコメ民のように糸井不要論を唱えるつもりは一切ない。代打の神様として勝負どころで糸井を投入できるなんて、何と心強い話。時々ならスタメン起用もありえるし、特にDHを使える交流戦では選択肢も広がってくる。
あとは陽川尚将が昨季の打撃を維持できれば大きい。レギュラーの一歩手前くらいの立場の選手が高いパフォーマンスを発揮してくれれば、選手層の厚さを実感できる。
相変わらず代打で鬼のような好成績を誇る原口文仁も含め、ここぞの場面で使える代打と外野・一塁の手駒は豊富になってきたことを実感する。

対象的に二遊間の手薄さは変わらず。なかなか補強できるポジションでもないだけにやむを得ないが、基本的には昨季と同様に糸原健斗と木浪聖也がレギュラーを務めることになりそうだ。
トレードで獲得した山本泰寛、ルーキーの中野拓夢に、二塁がメインとなりそうな北條史也あたりの名前も挙がるが、決め手に欠ける状況。そんな中、オープン戦最終盤で攻守にわたり存在感を発揮した板山祐太郎が惑星としておもしろい。内外野の複数ポジションを高水準で守れるユーティリティ性は重宝するに違いない。

ロハスJr.についてはまだ日本でのプレーを見ていないのでノーコメント。マルテ残しておいて本当によかった。サンズと併せて3人で打線を引っ張ってほしい。

■ 注目の選手たち:投手陣

◯ 藤浪晋太郎
良くも悪くも、どれくらいの成績を残すのか読めないのが藤浪晋太郎。ここ数年の不調ぶりを考えれば、オープン戦は見違えるような投球を見せた。たまに制球を乱すこともあるが、それが続くことがなくなった。ひとまず、ストライクが全く入らず試合にならんような惨状からは別れを告げられたと言えるだろう。
反面、相手打者からしっかりミートされる打球が多かったようにも映り、入団3年目までの圧倒的な投球は鳴りを潜めてしまっている印象。西勇輝のわずかな調整遅れや日程の巡りの関係で開幕投手を務めることになったが、たぶんそこそこ打たれると見た。5回3失点くらいが現状の合格点か。
たぶん1年間ローテを守ることもできないだろう。打線の援護がうまく噛み合えば5勝..100回くらい投げて防御率3点台後半から4点台前半くらいやれれば、次のシーズンにもつながるのでは。

◯ 伊藤将司
技巧派ルーキー左腕が開幕ローテの座を射止めた。髙橋遥人が毎年恒例の負傷離脱、実績十分のチェンがオープン戦でメッタ打ちにされたこともあって、どうしても期待が高くなってしまう。
同じ横浜高の成瀬善久を完コピしたような独特のフォームから繰り出されるチェンジアップが最大の武器。特に右打者には効果抜群のようで、あの決め球は一軍相手でも通用しそうなキレがある。
ただ、オープン戦で投げたのは1試合だけであとは二軍の交流試合やウエスタンリーグでの登板。結果を残してきたのは何よりだが、一軍の主力級とはほとんど未対決なのがどう影響するか。

◯ 石井大智
おかげ様で伝統と信用の中継ぎ陣は今年も手駒が豊富。延長戦なしの特殊ルールで、浅い回からどんどんいい投手をつぎ込めるのも好都合と言えるだろう。
その中で注目したいのが、ドラフト8位ルーキーの石井大智。直球とシンカー?のコンビネーションだけで勝ちパターンを狙えそうなクオリティをオープン戦で見せてくれた。最後のオリックス戦で、あの吉田正尚からも空振り三振を奪ったようにキレは相当。ルーキーらしい、怖いもの知らずの精神でどんどん強打者に立ち向かっていってほしい。そうすれば、いずれ大きな仕事をやってのけてくれそうな可能性を感じる。

◯ その他
西勇輝・青柳晃洋・秋山拓巳の3本は先発ローテとして計算が立つものの、前述の通り藤浪が未知数だったりでまあまあ不安。アルカンタラの早期合流が待たれる。それまではどうにかガンケルとかでごまかしていこう。
ブルペン陣は盤石。岩貞祐太・岩崎優の左腕コンビからクローザーのスアレスにつなぐ形ができている。外国人枠の問題でエドワーズを諦めたとしてもどうにかなりそう。そこにソフトバンクから譲ってもらった加治屋蓮、地味に復活気配の桑原謙太朗や謎ブレイクを果たすかもしれない小林慶祐あたりも一軍枠を争う形に。
あとは小野泰己がスランプから立ち直ろうとしているのがうれしい。金本知憲前監督肝入りの有望株が近年は完全に制球を乱していたが、オープン戦で見事に復活。平気で155km前後を連発する姿には軽く感動すら覚えた。きっとどこかで出番はあるはず。

■ 総括

伸びしろ十分の野手と安定感のある投手。バランスは悪くない。少なくとも読売さんを除くセ・リーグ各チームに比べれば戦力は整った。あとの問題は失策が減るかだが、こればかりはやってみないとわからない。川相昌弘臨時コーチの教えが生きることを願いたいが、たぶんそんなに変わらないんじゃないかな..w 

昨季に続き甲子園の「熱狂的ファン」の妨害が最小限に済みそうなのは好材料。特に7回表に失点したら、勝手に膨らませてた風船を飛ばす蛮行がなくなったのは大きい。あのような、応援しに来たのか邪魔しに来たのかわからない連中など永遠に関係を断ちたいものだ。

気づけば05年の優勝から15年が経った。栄光からも随分と遠ざかってしまったが、チームも若返り「あと一歩」のところまでは迫りつつあることを実感している。その足りない部分を補い、22年シーズンに花を咲かせるための強固な地盤を作るのが個人的な今季のテーマ。

「強くなったな」と確かな手応えをつかめるシーズンにしたい。

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