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【競馬】低調なフェブラリーSの見どころは「史上初の記録」に挑むオーヴェルニュ

どうにも低調なメンバーになりそうなフェブラリーSである。

昨年のチャンピオンズC上位馬がほぼ不在。チュウワウィザードはサウジアラビアに遠征、ゴールドドリームは引退、そしてクリソベリルは故障で休養中。インティは出走してきたものの、東海S大敗を経てのもので相変わらず展開次第で信用ならず。
オメガパフュームはもう完全に交流G1に的を絞ってのローテを組んでおり、ダート路線でも各自の適性を重視したレース選びが定着しつつあることを感じる。JBC→チャンピオンズC→東京大賞典→フェブラリーSを一気に駆け抜けるのがダート路線の王道だっただけに、このあたりも時代の変化を感じずにはいられない。

そんな中、注目したいのが「史上初の記録」に挑むオーヴェルニュである。前哨戦の東海Sを含め現在3連勝中の登り馬。父スマートファルコンに初の重賞勝ちをプレゼントした孝行息子が次に狙うのは、「父子三代ダートG1制覇」の偉業だ。芝ではあの有名な「メジロアサマ→メジロティターン→メジロマックイーン」の三代天皇賞制覇などの事例があるが、ダートに限ればまだ一度も達成されたことがない。

日本ダート競馬発展の歴史を象徴する出来事と言えるだろう。

フェブラリーSのG1昇格、地方競馬との交流G1が実現してから約25年。ようやくダート血統が受け継がれていく時代がやってきた。以前はダートで実績を挙げた種牡馬の需要などごくわずかで、その産駒の活躍など滅多に見られない話だったが、番組が整備されたことでダートG1を勲章にスタッドインした馬にも、毎年100頭以上のオファーを受ける人気者が出てくるようになった。

もう一つ再認識させられるのは、ゴールドアリュールの偉大さ。

自身はノド鳴りの影響もあって4歳夏で現役を退いたが、志半ばでターフ..じゃなくてダートを去った父の無念を晴らすかのように産駒が大活躍。オーヴェルニュの父スマートファルコンのみならず、エスポワールシチーにコパノリッキー、ゴールドドリームにクリソベリルと、これまで数々の王者を輩出してきた。こんなダート馬は他には見当たらない。
ライブリマウントやウイングアロー、アドマイヤドンにカネヒキリ、ヴァーミリアンにトランセンド..時代ごとに誕生した他のチャンピオンたちが後継者を残せぬままその血が途絶えようとしていることを思うと、いかにゴールドアリュールが圧倒的に異彩を放っているかがわかるだろう。さすがはサンデーサイレンス産駒最強のダート馬である。

恐らくゴールドアリュールの血統以外には成し得られないであろう「父子三代ダートG1制覇」の記録。現状エスポワールシチーやスマートファルコン産駒が大活躍という状況でもないだけに、もしかしたらオーヴェルニュに訪れたチャンスは貴重なものとなるかもしれない。さらに、ここで大仕事をやってのければ今度は「四代」の可能性も出てくるだけに、ぜひとも頑張ってもらいたい。

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