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【競馬】キャロットファームの象徴として、シーザリオの伝説は受け継がれる

ここ数日は残念なニュースが次々と飛び込んできたが、まずはシーザリオの功績について振り返らなければならない。通算6戦5勝、05年のオークスを制し、さらにアメリカンオークス遠征も成功させたジャパニーズ・スッパースター。唯一の黒星もラインクラフトに惜しくも敗れた桜花賞と、ほぼパーフェクトな成績を収めた。
故障の影響で現役引退は早かったが、繁殖牝馬としてエピファネイア・リオンディーズ・サートゥルナーリアと3頭ものG1馬を輩出。さらに娘のロザリンドが重賞2勝馬オーソリティを出すなど、牝系繁栄の礎も着実に築かれつつある。

「名牝」という表現すら凡庸に映るほど、何から何まですばらしい功績を収めた彼女だが、その馬主であったキャロットファームにとっては伝説の存在として語り継がれるのではないだろうか。
今でこそノーザンFグループの一角として質量ともにトップクラスの所有馬を抱えるが、今から20年ほど前はほんの数頭が「ケイズ」の冠名で走る、小規模なクラブだった。ケイズエンジェルやケイズドリームらが重賞に出走していたのが、かすかに記憶に残る程度である。
ミッドタウン、エンシェントヒルなど「冠名なし」の活躍馬が出始めた頃に、開業して間もない角居勝彦厩舎からデビューしたのがシーザリオだった。同期のディアデラノビアや、一つ上の世代のハットトリックらとG1戦線を賑わせたのが05年の春。そしてオークス優勝がクラブにとっても初めてのG1制覇となった。

そして、その仔も同じ勝負服でターフを彩り、前述のとおり3頭ものG1馬が出るなど活躍。さらにエピファネイアも種牡馬として幸先のよいスタートを切り、今季のクラシック戦線では同じキャロットFのマリアライトとの間に産まれたオーソクレースが有望視されている。

シーザリオの存在なくして、キャロットファームの躍進は語れない。そう断言していいほどの貢献を果たした、まさに伝説であり象徴。その血脈が広く伝わっていくのはこれからだ。

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