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【ガンバ大阪】サックスブルーの因縁を乗り越えて

あのシュート、08年ACL浦和戦とそっくりやったと思う。決まってたら。

何が悲しくて遠藤保仁さんと残留をかけた闘いを繰り広げなければならないのか。もっと違う形でレジェンドをパナソニックスタジアムに迎え入れたかったものだ。そして来年は絶対に対戦したくない。してはならない。

ガンバ大阪の歴史を左右するタイミングで、不思議と立ちはだかってきたジュビロ磐田。
12年のJ2降格もヤマハスタジアムでの戦いに敗れてのものだったし、さらに古くは02年のセカンドステージ優勝に手が届こうかというところで、当時の王者に挑み4-5の延長Vゴール負け(死語)を喫したことも遠い記憶の彼方に残っている。

10年周期で再び巡ってきた、磐田との大一番。負ければJ1残留が極めて難しくなる状況。相手が崖っぷちとはいえ、「安パイ」など今のガンバ大阪には存在しない。案の定、前半から五分の試合展開。ボールこそ、それなりに持ててはいるものの相手の脅威となるシーンはわずか。唯一の決定的なチャンスも小野瀬が盛大に外してしまってもう絶望しかなかった。そして後半には冒頭で書いた遠藤さんの決定機。あれが決まってたらシェイクスピアの作品と並ぶ悲劇が完成しとった。

それだけに食野のゴールはうれしかったねえ。家に誰もいないからって思い切り叫んでもうた。久々に彼らしい仕掛けからキレイなフィニッシュ。そしてゴール裏に向かってドヤ顔。これが食野亮太郎である。

一つ前のターンでカウンターが発動しそうになって、戻されて作り直したところで宇佐美が左サイドに流れたままになった結果、相手CBと右SBの間にでっかいスペースが生まれたところを山本悠樹が逃さなかった。スルスルとポジションを取って黒川からのボールを受けると、真ん中のスペースに入り込んできた食野に労せずお膳立て。磐田がバランスを崩してしまったスキを突く、美しいゴールであった。

とはいえ1点ではいつもの謎PKで追いつかれてしまう心配があっただけに、パトリックのバイシクルでようやく安心することができた。あのゴールの直前で齋藤と全く力感なく頭で競り合ってるのが遠藤さん。おかげでいい浮き球がパトリックめがけて飛んでいきました。

勝ったのはよかった。残留圏の15位に浮上したのもよかった。ただ、ライバルの湘南と福岡も勝利。最終節の鹿島戦で引き分け以下に終わった場合、京都と清水の結果次第で自動降格圏にただいましてしまうことも十分にありえる。全く安心などできない。
しかも、よりによって鹿島。思えば鈴木優磨のワナにかかる形でパトリックが退場に追い込まれたのが、この苦しいシーズンの幕開けだった。当然ながら最終節もいけしゃあしゃあと出てくるだろう。当たり前。万が一アイツのゴールで負けました降格しましたなんて話になったら、シェイクスピア(以下同文

まあ、サックスブルーの因縁を乗り越えた今の我が軍の底力を信じようか。

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