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【ガンバ大阪】中村仁郎という名の希望

ゴールデンウィークにガンバ大阪関連のいい思い出があまりないんですよ。どちらかといえば連休最終日に途中出場の楠神にハットトリック決められて4-4のドローというとんでもない馬鹿試合を見せられたりとか、休み明けにずーんと重くのしかかるような経験の方が多い気がする。もっとも最近は年間を通じてコンスタントに弱いのでアレですけど。

今年も三連戦が組まれたわけですが、東京戦は「新国立で初のJリーグ公式戦」という華々しい舞台設定が用意された時点で引き立て役になるとお察し。案の定、何もできず完敗でした。札幌戦はどうにかスコアレスドローに持ち込んだものの終始押されっぱなし。一森のPKストップなど再三の好セーブがなければ大敗を喫していたことだろう。
そして神戸戦はまるで我が身を見ているかのような相手の低調なデキもあり、また前半途中から退場者が出て数的優位も得たことで試合の主導権を掌握。リーグ戦未勝利の最下位チームが10人になってやっと有利に試合を運べるのが現在のガンバ大阪である。
何度もシュートがポストを叩くなど得点を挙げられないまま、ようやく80分になってセットプレーからギョンウォンが頭で押し込み先制。この試合を勝ち切れないようでは相当なダメージが残っただけに、ひとまず勝点3を取り切れたことは本当によかった。

前述の通り神戸の状態の悪さに助けられての勝利。順位も現在12位で降格圏もすぐそこ。なかなか浮上のきっかけを見出せずにいる状況で、ようやく一筋の光が見えてきたように感じている。中村仁郎。

開幕当初は出場機会がほぼカップ戦のみに限られていたが、東京戦で後半開始から出場しアピールに成功すると、札幌戦ではスタメン出場。劣勢の展開で数少ない相手の脅威になるプレーを見せた。そして神戸戦でも続けてスタメンの座を勝ち取ると、完全に攻撃の中心としてチームを引っ張った。

宇佐美を欠いて以降、ずっと探していた攻撃の核が見つかった。

計算の立つ本職のFWが少ない陣容。ペレイラはコンディションやパトリックとの役割かぶりまくりなど扱いが難しく、自ずと大卒ルーキーの山見に負担が。代わりになるのが本来MFの小野瀬や石毛(しかもサイレント離脱中)、あるいはまだ何の実績もない坂本という苦しい状況で、パトリックをうまく操れるマルチロール系のFWが欲しいとずっと考えていた。

何でもできるやん、中村仁郎。

自ら仕掛けてシュートを打つもよし、周りを活かすパスを出してよし。セットプレーでもいいボールを送れるし、キープ力もあって時間を作れる。あと、「間で受ける感覚」を持ってるのがいいね。相手の嫌なところに顔を出せるセンス。たぶんダワンとの息が合えばどんどんいいパスが入ると思うし、あと神戸戦で福田の代わりに左サイドに入った山見との相性も良さそう。パトリック・山見・中村をうまく共存させていくことが当面のミッションになるんじゃないかと。

あと聞いた話によると、神戸戦で福田を負傷させた大迫勇也に対して詰め寄っていったらしいですね。チームメイトになだめられて事は収められたらしいですけどいいメンタルしとる。「スルーはアカンすよ!」くらい言うてくれたに違いない。

このクオリティなら当分はスタメン起用の機会も増えるだろうし、近いうちにゴールも見られるのでは。海外に見つかってしまう問題も出てきてしまうが、それまでにたくさんガンバを勝たせてください。

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