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ハケの坂道の変貌②

念仏坂は、小金井市役所本庁舎に近いはけの森に延びる、未舗装のステキな妖しの坂道です。
三ヶ月前、土地の所有者の方が坂道に面した部分を宅地化されるにあたり重機で木々を切り倒して抜根されました。
コロナ禍に騒つく三月。私はひどい頭痛で寝込んでいたので知りませんでした。
寝込みながら、ずっと何かの悲鳴のような意識を夢に見ていました。もしかすると、木々や小動物たちの悲鳴に同調したのかも?
通院の帰り道に通りかかって変わり果てた姿にびっくりしました。
悲しすぎてしばらく通れず、ようやく5月の末に覗きに行きました。

ブルドーザーの跡も生々しく剥き出しだった黒土に、少しずつ植物が芽吹いていました。どうやら、森の跡地は6区画の住宅地になるようです。

その後の念仏坂

昨日6月29日の様子です。
草が生い茂ってきました。
左側の低い植え込みの生垣も抜根されて植え込みや木の塀の代わりに、壁で覆われています。

在りし日の同じ場所は、こんな趣のある景色でした。

確かに、夜はちょっと怖いかも…

宝物を取り上げられたような、というより自分の一部を抉り取られたような痛みと悲しみでいっぱいです。そう簡単には喪失感は消えないことでしょう。

立場を変えて考えてみましょう。
もしかするとここが鬱蒼として嫌だと感じていた方は、すっきりして安全になったと喜んでいらっしゃるのかもしれません。
何より、ハケの森に新しく建つお家にこれから暮らす方たちの喜びと、お幸せを想ってみよう。


もし昔の妖しい念仏坂がお好きな方がいらっしゃったら、建設が始まるまでが妖しさを観る最後のチャンスかもしれません。
たぶん、蟲師が覗きそうなこの井戸も無くなってしまうのでしょう…

夕方、西の林からの木漏れ陽がきれいです。六月は日が長いので、午後6時ごろでもこんな感じでした。
やはり美しいですね。

倒木からまた植物が育っています。

ハケの野鳥たちは、拗ねず諦めず、夜明け頃から日暮れまで囀っています。 

鳥や木や草に教えらた気がします。

お気に入りのものだけでなく、好きな誰かが去ってしまったときも、しばらくはしっかり悲しんで、受け容れることができたら
不思議に、もっと合うモノや人が必ずひょっこり現れるものですよね。

このことがきっかけで、思い切ってはけを護る活動をされている方と知り合う勇気が出ました。

寂しいけれど、寂しさを持ったまま前向きに。残された好いものを守ったり、新しく芽吹いたり、順応した好いものを見出していきたいです。

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そして、これから大事なことは
やはり、もっとハケのことを知ってもらうこと。
ハケが好きな人、護りたい人を増やすこと。

念仏坂への入り方

念仏坂は坂上から坂下までではなく、途中からの斜めのルートです。坂上から二通りの行き方があります。

①テラコヤルート

市役所本庁舎の向かいあたり、連雀通りにあるテラコヤの菓子厨房の角です。
念仏坂に至るまでの坂に特に名前はありません。
「この先急坂階段あり」の看板が目印。
角を入るとすぐにテラコヤのフレンチレストランがあります。

真正面の小高い浅間山は、古多摩川の侵食でできた残され丘ですね。
河岸段丘を降りてる実感が湧きます!

坂をどんどんを降りて、念仏坂の石碑が見えたら右に入ってください。
猫になった気分。
(発見がおもしろいので、あえて入り口の写真は載せません。)

②こどものくにルート
実は、テラコヤ角の一本東の通りから降りる坂もおもしろいんです。
同じ場所に出ます。
目印は、こどものくに幼稚園の看板。
看板の前を右に折れて隙間の旧い石階段を抜けます。これも猫気分です。
(実際猫がよく歩いています。)

今の時期、ギボウシや紫陽花がきれいですね。
風に揺れるギボウシ。
見ていると落ち着くなぁと思っていたら、花ことばはまさに「落ち着き」「鎮静」。
江戸時代から鑑賞用に人気で、シーボルトが欧米に紹介して世界に広まったそうです。
名前の由来は、蕾が橋の欄干についている擬宝珠に似てるから。でもこの写真の蕾ではなく、その前の固い玉ねぎ型の蕾のことだと思います。

この旧階段を降りきったところには、アガパンサスが満開でした。
これで元の急坂階段に出ました。

わかりにくいので、咲く前の写真を貼ります。

今日6月30日、駅前の新しいショッピングセンターの「ソコラ武蔵小金井クロス」がオープンします。
よろしかったらもう一足。すぐ近くですよ。

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