文極キャス20181211【時計】(課題)

久方ぶりの木曜の落日 寺の門を出て見下ろす
分明なる乱れぬ繰り言 十を数えてやり過ごす
その箱を離れた冬の日 寺の鐘を狭い背で受け
重ねて積もる悔やみ言 十六夜に乗せて解放つ


時を置かずしてまた波 苦い笑いが喉を滑って
計らうことを巡らせば 轍は似て非なるを見せ
掻い混ぜられた胡桃と 時化る胸を月が照らす
縛る荒縄を銀刀で擦る 計は手にしかと降りて

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