いつも、あれが最後だなんて気づきもせずに
木に何羽止まってるんだよ、と思うくらいの小鳥のさえずりで目を覚ます。カーテンの隙間から、うっすらと光が差し込んでいる。夫はもう起きたようだ。片手を探り、スマホを取り寄せると時刻は朝の6時半。
手を伸ばせば届く距離に、娘が両手を投げ出して寝ている。
自由奔放という言葉がふさわしい寝相。クイーンサイズのベッドをほぼ占拠し、一緒に寝る私はわずかな隙間に追いやられるのが日常だ。
目を閉じて、静かな寝息を立てている。柔らかな前髪がハラハラと流れて、おでこが見える。
「寝顔は、赤