マガジンのカバー画像

名刺代わりにこちらをどうぞ

17
はじめての方むけに。これまで私的によく読まれたnoteをまとめています。
運営しているクリエイター

#キナリ杯

広口のガラス花瓶に花をかざる夢

最近よく、花束を買う。花屋さんの立派なものではなく、スーパーのレジ横でぽつんと佇んでいる小さな花束だ。 そして私は、広口のガラス花瓶に買ってきた花をかざる。ピンクや黄色で明るくなったダイニングをまじまじと見る。 口が広くて洗いやすい花瓶を、36歳の誕生日に買った。手に入れるのに、7年近くかかった。何の変哲もない花瓶。なんで普通の花瓶を買うのに、赤ちゃんが小学校に上がるほどの年月を待ったのか。今日はそんな他愛もない話を、ちょっとだけしよう。 *** 7年前、私は妊娠を機

せつなさを胸に吸い込むほど匂い立つ、ヨルシカの夏

誰もが持っているどこかの夏に、連れて行ってくれる歌がある。 小麦色の肌で入道雲に追いつこうとした昼下がり。闇に光る花火を想って恋の意味を知った夜。 音楽が記憶と結びつくと、目を閉じて手繰り寄せる感情の濃度が増す。 ふとした空気に夏の訪れを感じるこの季節。せっかくなので、夏のはじまりと終わりを思わせる歌詞に切なくなってしまうヨルシカの曲をお届けしたい。 「あの夏に咲け」 夕立の中泣く君に 僕が言えるのなら もう一回あの夏に戻って 夏といえば、やっぱり片思い。 「夏の