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ギザギザカサと鉄砲猫『鉄砲山古墳 -発掘調査の成果-』の埴輪目撃談

スカートをはいた煙突

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ではない。キヌガサ。

高さがあるが、サイズ記載なし。1mあるかないかぐらい。
肝心のカサは小さすぎて実用性がない。
前方部西側の墳丘から崩落した状態で出土したとのこと。

上に乗っていたはずの立ち飾りは

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かけらが出土。鹿の角っぽい形。

参考までに、組み合わせたキヌガサ形埴輪をご紹介。

鉄砲山古墳のカサをよく見ると

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鋸歯紋が線刻されています。

円筒埴輪。

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左端は突帯が9条。埼玉古墳群では最多。

展示は3体だけだが、多数出土。

人物埴輪、馬形埴輪、家形埴輪は

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かけらが出土。

人物らしき小像もあった。何かにくっついていたのか。
展示はなかったがユギ形埴輪も出ているらしい。
これからが楽しみ。

ちなみに、埴輪は鴻巣市の生出塚埴輪窯で作られ運ばれてきたらしい。

埴輪以外。

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須恵器大甕

大きい。サイズ記載なし。
大阪の陶邑窯で作られたもの。遠路はるばる運ばれてきたことになる。
横穴式石室の前庭部に、中型の甕とともに据え置かれていたとのこと。

鉄砲山古墳の基本情報のまとめ。
全長108mの前方後円墳。埼玉古墳群では3番目の大きさ。後円部に横穴式石室。墳丘西側に造り出しあり。葺石なし。周堀2重。3重の可能性もある。
中堤の北西に張り出しあり。外堀も張出しに沿って曲がる。

円筒埴輪は墳丘の中段テラスに立ち並んでいたらしい。
形象埴輪は墳丘全体から出土。前方部西側に多し。中堤の張り出しにも集中して配置されたもよう。

時は流れ、幕末には砲術訓練場「埼玉村角場(さきたまむらかくば)」となる。墳丘西側の造り出しはかなり改変された。砲弾、銃弾、レンズに革製品など、たくさんの落とし物。

さらに時が流れて、平成19年度から28年度にかけ整備工事のための発掘調査が行われた。

そして今、展示室を出ればすぐそこに鉄砲山古墳。行こう。

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南側。前方部右角。

登れはしないが東側から墳頂を見上げると

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発掘に関係していそうなもの発見。

そこ掘ったってこと? これから掘る?
くびれ部のあたり。石室かな。

北側の後円部へとぐるり。
蝶やトンボが飛んでいた。映り込んでくれないかなと思っていたら

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偶然、猫が横切る。

登っちゃいかんというのに。

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言うこと聞かない鉄砲猫。

昨日まで雨、さきたま古墳公園も、ところどころに水たまり。
でも森林浴ならぬ草原浴ができた。古墳浴でもある。

2020年10月24日訪問

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今年は大きなニュースがあった。
令和2年3月10日、埼玉古墳群が国の「特別史跡」に指定された。
やはり稲荷山古墳の鉄剣の銘が決め手? 丸墓山古墳や鉄砲山古墳に近世の歴史も刻まれている点も重要か。
これから発掘が進む? 逆に難しいのかな?
掘れたら埴輪がもっと出てきそう。

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『鉄砲山古墳 -発掘調査の成果-』
会期:令和2年9月8日(火)~令和2年11月29日(日)
会場:埼玉県立さきたま史跡の博物館 国宝展示室

4ページのパンフレットが配布されていました。

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こちらも見てきました。

こちらの方が埴輪多め。よろしかったらどうぞ。

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