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しぶい、しぶすぎる【埴輪紹介所その45】

この色を何と呼ぼう。

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チャコールグレー、とでも言おうか。

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断面も同じ色。
そして見るからに硬い。つややか。焼き締まっている。

埴輪の地色は胎土の成分と焼き方に左右される。
たぶん還元焼成されたのでしょう。

多くの埴輪は茶系。
だから、この色は珍しい。一見、埴輪と思えない色なのである。

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でも見逃さない。
埴輪であることは、シルエットでわかる。
突帯(とったい)や透孔(すかしあな)が教えてくれる。

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さらによく見ると、突帯の中央がへこんでいる。
ハケ目が縦横に走っている。
手間をかけて作られていることがわかる。

ところでこの埴輪、上のほうは欠けているものの、大きかった。
記憶では底面の直径50㎝前後。

愛知県名古屋市の断夫山古墳出土の円筒埴輪。
撮影は2018年、明治大学・南山大学収蔵資料交換展示『南山大学人類学博物館所蔵 愛知の考古資料 ―土器・陶器を中心に』(明治大学博物館)にて。

またね。

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