世界の絶景で絶叫する(シナイ半島・・・エジプト)

第9位 シナイ半島(エジプト) ・・・十戒の山・ジュベルムーサから死海へ

 昨日のアフリカ地溝帯の続きになってしまうが、ヨルダン渓谷の死海からアカバ湾、そして、シナイ半島は世界でも特異な場所だ。

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(画面左の緑の筋がナイル河。真ん中の黒い部分が紅海。シナイ半島は右のアカバ湾に挟まれた
三角の部分。シナイ山はその三角形の濃い茶色の一角にあります。Wikimedeaより)

 シナイ山(ジュベル・ムーサ)は標高2285m。旧約聖書・出エジプト記に著されたモーゼが十戒を神から授かった山だ。ここも重要な巡礼地の一つになっている。早朝4時、真っ暗闇の中、懐中電灯を片手に「ワジ」という水無川を1時間ほど登ると稜線に出る。漸くうっすらと明るくなってきてごつごつした岩肌が確認できるようになる。その稜線を更に1時間ほど行くと糸杉が数本立っている「エリヤの泉」という地点に出る。残念ながら頂上はまだ先だ。最後の胸突き八丁を登りきるところがシナイ山の頂上だ。午前6時半東の空が赤く染まり、重畳と続く赤褐色の山の彼方から神々しい一条の光が射す。感動のご来光の瞬間だ。日の光は疲れた体を優しく包み、毎日のように浴びている陽がこのときは別の光に感じられた・・・不思議な癒しの瞬間だった。帰路は上りの道とは別の石段ルートを降りる。眼下にサンタ・カテリーナ修道院が水先案内人のように見え隠れしている。

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(1980年頃に初めて登ったシナイ山。この山を正面に望む当時のエジプト大統領サダトの別荘があったが・・・Wikimedeaより)

 シナイ半島で見落とせないものに星空がある。湿度をほとんど感じさせない空気と周囲に全く明かりがないことが、全く別の星空を見せてくれる。夥しい星の数と輝きに驚愕する。

シナイ半島の突先、シャルム・エル・シェイクはヨーロッパ人で賑わうリゾート。ここは世界屈指の透明度を誇る紅海。世界のダイバーの垂涎のダイビングスポットがある。いうなれば、海の中の絶景だ。ここもアフリカ地溝帯の一角だ。

 地溝帯の話のついでに、ヨルダン渓谷の絶景にも触れておくと、まず、アカバ湾から北上したところにペトラがある。アンマンの南にマダバという町がありそこからヨルダン渓谷に向うとモーゼ終焉の地・ネボ山がある。天気の良いときは遠くエルサレムまで見渡せる。眼下には死海とヨシュアゆかりの世界最古の町・エリコが見える。死海の対岸にはマッサダ要塞もある。ヨルダン渓谷の絶景ポイントだ。

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(モーゼ終焉の山ネボ山。ヨルダン側にあり、首都アンマンから45分ほどの距離。眼下に死海があり、そのかなたに、ローマとイスラエルの興亡史の舞台となったマッサダ要塞(下の写真)があります。
写真はいづれも、Wikimedeaより)

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