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大阪のPFAS汚染で「1000人血液検査」の中間発表。汚染の広がりが明らかに

2024年4月10日  ジャーナリスト幸田 泉 

2023年9月~12月に大阪府内に居住しているか職場がある人を対象に1193人の血液を採取。中間発表では459人の分析結果が公表された。

数万種類あると言われるPFASのうち、測定したのは、PFOAのほか、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸、ピーフォス)、PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)、PFNA(ペルフルオロノナン酸)の計4種類。いずれも様々な製品の撥水加工などに使われてきた。

アメリカの科学アカデミーは、血中のPFAS濃度が20ng/ml以上の人は健康被害のリスクが高まるとして、脂質代謝異常、甲状腺異常、腎がんなど特定の疾患について診察、検査を勧めている。

459人の平均値をみると、PFOSが6.5ng/ml(ngはナノグラム))▽PFOA8.5ng/ml▽PFHxS1.1ng/ml▽PFNA3.1ng/ml。4種類の合計の平均値は19.2ng/ml。459人のうち摂津市住民181人だけでみると、4種類の合計の平均値は20.1ng/ml、PFOAの平均値は9.41ng/mlで、全体の平均値よりやや高い数値だった。

検査参加者の中には、摂津市在住ではないが、長年にわたりダイキン工業淀川製作所で勤務していた人がおり、血中のPFOA濃度は596.6ng/mlと突出していた。「大阪PFAS汚染と健康を考える会」の専門委員会委員長、中村賢治医師は「体内に取り込まれたPFASはだいたい4年で半分になる。ダイキン工業は10年以上前にPFOAの製造を止めているのに、現段階で血液からこの数値が出るのは驚きだ。どういう労働環境だったのかなど聞き取り調査をしたい」としている。
(抜粋おわり)

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/a61265071c3a44b88f51fb4393fcc5023524ecda