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BLCDせいち感想まとめ①(まほろば/魔彼/ロスバ/三兄弟)

BLCDの山下誠一郎さん出演作の感想を4作品まとめて記事にしてみた。
未視聴向け役どころ紹介とネタバレあり感想×4となっています。

BLCDを聞き始めるにあたって参考にしたのはこちらの記事。お世話になってます!


まほろばデイズ(2016)の草介

山下さん初メイン作品。
幼馴染に劣等感を抱いているツンデレで、自分の過去と向き合い、周囲の人との絆を確かめることで成長する物語。
両思いなのにな〜!から始まって、エピローグがしっかりあるのでほっこりする。

特典CDフリートークは、自分の役を可愛いと褒められて喜ぶ山下さん、足を骨折した話、初BL現場に前野さんがいた話などが聞ける。

【未視聴向け】草介の役どころ

受け/青年(19歳)/捨て子/S(皮肉屋)/地味/隠キャ/猫被り/兄(義弟の兄)/額の傷を気にしている/幼馴染にコンプレックスと恋愛感情…?/境遇重め

草介

CD(初回盤はフリートークCD付き)
Amazon / CROWN WORKS(こちら初回特典の有無わかりやすいです)

原作コミックス
Amazon

キャストインタビュー


【ネタバレあり】草介という男

捨て子であり額に傷のある自分と、里親が使用人として仕えている神聖な一族の生まれである白羽を比較し、子供の頃から劣等感をこじらせている草介。
白羽も、気になる子にちょっかいをかけまくる草介のことを”唯一真実を言ってくれる相手”として意識するようになる。
幼馴染の二人は明らかに両思いなのだが、白羽が嫡子であるために草介は身を引くムーブをしてしまい、もどかしい……!

草介は白羽が自分に焦がれている優越感を気持ちいいと自覚してるところ、かわいい……。喘ぎにも現れてるけどもう好きだからじゃんそれは!
景太郎の”お手伝い”をねだられてしてあげちゃうお兄ちゃん。そしてその真っ只中を好きな白羽に見られちゃう展開もにやにやしちゃう。
草介は白羽にワーキャーしている人たちを見て白羽に見えないところで嫉妬しているが(ここは自分が求められないのと、若干白羽に付く悪い虫への嫌悪が混ざっている気がする)、白羽は草介に直接「ずるい」と言ったり不機嫌になったり素直に嫉妬を表現して、草介への恋心を育てていくところも対照的で面白い。

親に捨てられるわ大怪我で命を救われるわ、かなり重い境遇なので全てを知って悲観的になってしまうのは仕方ない。好意を抱いていた相手が自分の恩人で、それを自分は忘れ(させられ)てのうのうと悪態ついてきたことを思い返すと、消えたくなるのもわかる……。もう消えたい……消えたいけどすごく嬉しかったはず。
混乱して口走った形ではあったが、もともと最後に好きだったと伝えるつもりで呼び出したんじゃないかと思う。

白羽の真面目で明るいところに絆されて、草介も前向きになっていくことだろう。

草介ベストシーン

草介が告白後、黙って泣く白羽に「…何 泣いてるんだよ… バカだな…」

怒りながら告白してからの白羽を見てこのやさしボイスは卑怯……。
えっちなところで一番好きなのはその後白羽に口でされながらの脳内実況「心臓壊れる」「頭吹っ飛ぶ…」です。嬉しさ滲み出る喘ぎとの二重音声が贅沢仕様。



魔彼 天編vol.2「Zorn」(2018)のユーゴ

真面目な神父が破壊の天使に襲われ、村人を守るために身体を差し出す。天使が療養する間ともに過ごし、神父は戦いに巻き込まれていく。
ファンタジーなので用語が若干多いが、ブックレットにも解説があるしなんとなくわかるレベルと思う。
初め無理矢理だったところからラブラブになってくれるカタルシスが、やわらかいピアノや作品の雰囲気と相まって美しい。

【未視聴向け】ユーゴの役どころ

受け/青年/神父/孤児/静か/真面目/責任感強い/表情ない/罪の意識/達観/もはや聖母

ユーゴ

CD(関連商品複数購入特典あり※筆者未入手)
Amazon(特典なし) / GRISEDGE(公式通販)

公式のキャラ紹介(サンプルボイスあり)

キャストインタビュー


【ネタバレあり】ユーゴという男

開幕「ん?」から良すぎる。
上記キャストインタビューによるとディレクションで影のある雰囲気が足されたそうだが、村の駆け込み寺(別の宗教で例えるとややこしいな)を守る神父という苦労人の深みがよく出ている。
あんまり静かな役の山下さんを聞いたことがなかったので新鮮だった。テイストとしてはナレーションのお仕事での安心感のある声に近いよね。

無理矢理脅されてだしおそらく初めてだしで神力を注がれるまでは恐れのこもった喘ぎなのだが、神力を注がれちゃってからは毎晩気絶するまで上の口では嫌がっていても〜状態だそうで……!
抱いてるケムエルは実はユーゴの身体を治癒しつつ心が壊れないように調整してくれているし、それをちゃんとは伝えていない不器用な優しさよ。ユーゴは察してくれてよかった。

“人間はすぐ死ぬ、だから一生懸命生きるんだ”と悟っていたり、死霊の話をもっと聞けば救えたかもしれないと考えるユーゴの成熟している感が安心する。若そうだけどいくつなんだろ。
でも夢を見てうなされるほど、父を見殺しにしてしまった罪に苛まれている。
養父である先代神父にも懺悔をしていたかもしれないが、罪を背負って生きていきなさいという教えで甘えきれず育ったのかもしれない。神聖な天使から穢れていない・綺麗だと許してもらえたことでユーゴの罪悪感は溶けていく。

皆を救いたいケムエルのために命を投げ出して足の甲にキス……。足の甲へのキスは「隷属」。絶対的な服従を表すそうなので、ユーゴの神はケムエルになったと捉えて良いだろう。ユーゴが祈る神に嫉妬していたっぽいケムエル大勝利ですね〜

ラストのラブラブシーンでケムエルが「怪我させたくねーんだよ」と最初襲ってたくせにな違いを見せた中で「口塞げねーからか」ってセリフがあったけど、確かに聖堂でのシーンは終盤声を殺していたし堪えようとする喘ぎが多かった。もしかしてユーゴさん意識があるうちはこれまでも結構手で口塞いで抱かれてた……? 我慢してるのエロい。
神力使わないで声や顔が見えるように丁寧に抱くのもカタルシスだよね。普段表情固いのにベッドでは表情豊かなのもえっちだ。

ユーゴベストシーン

ラストシーンで中出しされた後、身籠ったらどうする?の会話で「お前の子ならきっと美しい天使が生まれる」「そんな奇跡が可能ならな」

致した後の疲れありつつ嬉しさありつつの掠れ声がたまらなく美しい……!
ここが初めての中出しだったんですね……。
聖母誕生の瞬間である。ま、ママー!



ロストバージン(2019)の江本たける

『恋愛不行き届き』のスピンオフ作品。スピンオフ元の受けを襲おうとした過去のある売れっ子俳優は謝る機会を窺っていたが、その邪魔になっていたスピンオフ元攻めの兄でプレイボーイなオカマタレント(ビジネス)から一目惚れをされ、初めてが奪われていく中で自己の許しを得ていく。
シリアスな雰囲気で不思議な力もない世界で完全に処女スタートなので、身体が慣れて気持ちよさそうな喘ぎが聞けるのは、なんと特典CDのスピンオフ元続編ミニドラマのワンシーンのみというトリッキー作品!

【未視聴向け】江本たけるの役どころ

受け/青年(23歳)/売れっ子憑依型俳優/口悪い/セクシャリティーに悩んでた/コミュ障/繊細/細い/腕力ない/後輩に謝りたい/失恋拗らせて躁鬱だった/チョロい

江本たける

CD(ミニドラマCD付き)
Amazon / アニメイト(書き下ろしリーフレット付き) / FIFTH AVENUE(公式通販・書き下ろしリーフレット付き・限定トークCDはもうなさそう)

原作コミックス
Amazon

キャストインタビュー


【ネタバレあり】江本たけるという男

演技以外で他人と手も繋いだこともない純情男が、プレイボーイに求愛されちゃって当初の目的も達成できちゃう話なのであるが、少女漫画のような「はじめてってドキドキ☆」な雰囲気でなく、かなりシリアスな雰囲気で進行していく。
というのも、たけるはスピンオフ元でヒール役であり、本作にはその禊が含まれているからである。

たけるの目的は鞍馬に謝罪をすることだが、そもそもその事件を起こすに至った原因とも言えるのが、思春期からの松坂への失恋の拗らせだ。
自分の気持ちと向き合えていればよかったのだが、子役から演技に親しんでいたたけるは他人を演じることで自分の気持ちに蓋をし、失恋を醗酵させ躁鬱状態になっていた。(鞍馬も「トラウマ」をフランクめに使っているが、たけるが言う「トラウマ」はかなり深刻なものであるように思う。)
演技はどんどんうまくなって今や売れっ子になっているが、現実逃避のため完全に自己と切り離されている憑依型俳優であるたけるは、自分の演技をいくら褒められても自尊心が回復することはない。
それでたけるはバージンはバージンでも、自分の気持ちがかなり未成熟な拗らせバージンに仕上がってしまっているのである。

筆不精な好きな人からの連絡を待って食欲が無くなったり、これ以上好きになるのが怖いと感じるほどたけるは繊細だ。
オフでは人相も悪く、マネージャーなんかには怒鳴るほど口が悪い。
というところから導き出されるのが何かというと、たけるは喘ぎ声が綺麗じゃないってことだ。

原作コミックスを確認したのだが、経験が浅い頃の喘ぎはいわゆる「♡喘ぎ」ではない。
鞍馬たちのシーンでは「♡喘ぎ」になっているので、作者があえてたけるの喘ぎにハートをつけていないとわかる。
最中のセリフにもその頃は「変だ」「長治とだから気持ちいい(からもっとしろと促す)」しかなく、浮かべる涙には実は痛みが結構あるのではないかと思われる。長治さんすーぐ突っ込んでるから〜も〜
かわいくない必死な喘ぎをしながらも、突き飛ばしたりなんかはしない(もともと力弱いのもある)ところをして長治は「かわいい」と言っていそうである。

たけるは泣きがかわいい。
最初に長治の拳に脅されるシーンや、長治がたけるの身体に気を遣って手を出されず不安になっている時の泣きがグッとくる。
冒頭劇中劇のクレイジーな役も冴えわたるが、松坂との劇中ベッドシーンも秀逸。妹の復讐を遂げ、自分も犯され殺されたいと願う、これまでのたける自身のものとは異なるしっとりとした喘ぎだ。

原作コミックスでは絵で表現されているところをセリフで補完することがままあるものだが、本作ではたけるが鞍馬に謝るところがセリフで収録されていて、たけるの罪の清算がしっかり区切られるところが良いなと思った。

長治と恋人同士になってからはたけるはかなり安定し、どんどん素直になっていく。
時間軸が少し先の未来になる特典CDでは、原作コミックスでも「♡喘ぎ」になっていて、喘ぎ声も低音ハスキーでありつつもところどころ高音が混ざるようになっている。うわごとのように気持ちいいって言ってるし気持ちよさそうなのめちゃエロい。

たけるベストシーン

恋人になってからの初夜、たける「後悔してんじゃねーだろうな」へのアンサーにキスをされ離れた後の息遣い

長治に自分が肯定されるシーンはうまく言葉が紡げなかったりコミカルでどこもかわいくて好き。
このシーンの息遣いは本編ラストを飾るにふさわしい生の息吹を吹き込まれたたけるだと思う。今まで辛かったねよかったね……!



三兄弟、お兄ちゃんの恋(2020)のスー

父親違い三兄弟のオムニバスの3組目のカップルは、家族大好きマイペースな高校生末っ子と、三兄弟を担任してきた孤独なアラサー先生。
末っ子からなあなあで始まった関係を、無責任な態度はもうやめると決意するがそこからの行動も独特。
いろんな倫理観が割とガバガバな作品なので頭空っぽで聞くと楽しいやつ!
フリートークは男性6人が下ネタ挟みつつワイワイしてて超楽しいので、復活するタイミングがあれば是非特典CD付きを入手して欲しい……!

【未視聴向け】スーの役どころ

攻め/高校生/マイペース/ダウナー/家族大好き/長兄に甘えた/真ん中の兄にこき使われ/兄二人ともタイプ/弟(三兄弟の末弟)/悪知恵が働く/ガタイ良い

スー

CD
Amazon / FIFTH  AVENUE(公式通販・2/25までの特典復活タイミングで購入 また復活あるかも?)

原作コミックス
Amazon

キャストインタビュー


【ネタバレあり】スーという男

日米ハーフの母と外国人の父を持つスー。スーが物心つく頃には両親は喧嘩ばかりしており、父親の異なる兄二人がスーを守ってくれていた。
喧嘩は英語でされているので意味を理解させたくなかった兄に「英語覚えなくていいからな」と言われその通りに育った。(ついでに日本語もアヤシイ。)
見た目が美しく変質者に狙われがちな次男ミキ、ガタイの良いスーへの劣等感のある長兄ランが兄弟の世話をしているので、ミキとスーは甘やかされている。
末っ子スーは自分から積極的に知りに行くことはしないし、他人に甘えるのが得意で生活力が皆無だ。

スーは親に置いて行かれたことを気にしており、裏切らない存在を求めている。
小さい頃から自分を大切にしてくれている絶対裏切らない兄たちが大好きだし、甲斐先生の面倒見のいいところを好きになり、やがて孤独から掬い上げたいと思うようになる。伸ばしていた髪を切る、自分の行動に制限を加えることを宣言するなど、自分本位で生きてきたスーの優先度上位に他人が食い込んだ。
そして三兄弟の家族関係を羨ましく思っていた先生を三兄弟のパパ、自分にとっては恋人として家族に招待する。こういうところスパダリというより子供の悪知恵感があって愛おしい。

スーは兄二人が大好き。
ラン編でのスーは自分の見た目にコンプレックスのあるランを気遣ったり、ゆったりテンションで「にぃに」と甘える様子が見れる。
ランの優先度はトップで、甲斐先生との関係を告白してランに失望された時の動揺や、嫌いにならないでと嘘泣きする行動もかわいい。
ミキ編でのスーはミキにこき使われたり反抗したり、歳の近い男兄弟の仲良くケンカする感じが見れる。
中でもミキ編でミキに「スーはランとミキの弟じゃなきゃやだ!」と怒鳴るシーンは、スーの兄大好きが溢れていて好きだ。

兄二人ともタイプと言い、ムラッとしてランに迫るシーンもあるので、ミキがランを好きだったようにスーもランが好きだった可能性もある気がしている。
ただ、三兄弟のうちの二人がデキてしまうと残りの一人が可哀想という無意識の抑止力があったかもしれない(これはミキもそう)。
甲斐先生との初SEX(スー編去年のクリスマスイブ)がミキ編の前っぽい(ラン編が夏、ミキ編がその半年後でスー編が次の夏)ので、ランに恋人ができたことがスーの恋活に影響していることは間違いなさそうだ。
穴があったらこすりたい…!なゴーイングマイウェイ攻め君の成長に期待期待ー!

スーのベストシーン

自分に飽きたら次の恋に進みなさいという甲斐先生にキスし怒られ「嫌ならもっと抵抗すれば?」

ちょっと拗ねた声色にドキッとする。
キスが超うまいんだ……! ごあいさちゅ。さすがキス文化のあるお家!
でもテクはなくて乱暴な抱き方なの甘ったれで愛しいね〜
ダウナーで囁くようなセリフが多くてパーソナルスペース狭い感が出てて心臓を刺激してくるんだ。押し倒す前の「先生、セックス教えて」や「ワカゲノイタリって何?」の語尾の色気がやばい。


それでは、思ったより長文になったけどまたBLCD感想書きます〜



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