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開運力で転職は成功に導けるのか!#53

転職を繰り返す事15回、16回目に起業する。当初の5年は右肩上がりだったものそれからは鳴かず飛ばずの状態であった。その後手を変え品を変えで続けた25年間が過ぎ解散。そして今は占い師となってアドバイザーを続けている。売上がままならない時期に占いを勉強し始め、自分の運気、運勢を調べて行いった。今になるとこれまで長く続けられた理由が分かった。それは運勢の良し悪しの時期に自分が行動を起こしていることが判った。

経営者は孤独である。しかし自分で運勢が読めれば失敗はしないと言うより不安は少なくなるものだ。そして進みゆく道が見えてくることが判断出来る。この第5章は自分の運勢と行動を当てはめ行くことにする。

第1章から第4章までは転職の話だが第5章から運勢を私が見ながら進んで行く。どうやって集客をしたら良いか?どうやって売って行ったのか?どうやって存続させる考え方を持ったのか、失敗と成功を書いたものである。第第1章 #1~#9 第2章 #10~24 第3章 #25~#40      第4章 #41~#51 マガジンに掲載


第五章 最後の転職

<発想が大事>

1993年頃はヨーロッパのブランドではアニエスBを筆頭にフレンチカジュアルが全盛の時期でしたしアメリカでしたらDKNYとかカルバンクラインやポロラルフローレンで私が扱っていたアルマーニ、フェンディ、グッチなどのブランドはスーパーハイブランドと呼べれており特に女性服を安く売っている店は殆どなく、競合は無かったのです。

その理由は正規で販売している店はホテルかデパートで特選売り場しかなかったからでした。ですから一部の人だけに指示されたのかもしれません。

店舗はビルの入り口から一歩下がった店舗で非常に目立ちに難いものでした。ビルのドアが開かなければそこに店舗があるとは思えない場所だったのです。

それに人があまり通る場所でもなく、ビルの前が道路拡張のために通りは遥か彼方でした。常連さんは数十人はいましたがそれでは売り上げは望めません。だから新規の顧客も当然欲しいと思っていました。しかしこの状況を見ればどんな人も絶望した思います。「集客は無理だ!」と・・・
逆にしぶとい私はマイナス面をプラス面にできないかと絶えず考えていました。そうして思いついたのは会員と商品です。

そこで思い出したのはマルコポーロで働いた時の2階を会員制にした時の事です。会員費を払って会員になれば毛皮が安くて手に入ることが出来たことでお金持ちの層の人が増えて話です。


会員制は便利な言葉です。「会員制」は、特別な、高級感のあるイメージがあります。お金を払った人だけが、利用できるからです。そして特別で秘密的で選ばれた人のイメージがあるからです。

私が考えたのは場所が場所なので一般的に集客をしても人は集まらない。
ならば逆に敷居を高くして「簡単には売ってはやらないよ」って感じです。そして1万円を払い会員になると上代から割引があり安く買えるというシステムです。

勧誘の仕方は当店はインポートブランド衣料を卸をしている会社でこの店はショールームで一般客には小売りはしていないがメンバーになると卸価格で買えると説明していました。

そしてビルの廻りにチラシをポスティングしました。すると興味がある人が訪問してくるのです。しかし場所が場所柄です、や〇ざも会員にしろなんて来るのですが「会員制で審査があると説明する」たいていは入会はしません。そんな感じで新宿本店はじまったのです。

売り方はミラノで覚えたアンジェロ方式です。とにかくプライスを見せず着せて着せて着せまくってお客様が気にいったら上代を電卓で足していきます。例えば7着位着させて10万円、15万円と足していって7着合計を出します。たいてい2着目ぐらいから「買えないわよ~」お客様が言いますが勝手に足していって電卓の合計金額を見せて言います。

全部で90万だとします。この時点でお客様は買う気が失せています。そこで電卓をもう一度たたいて30万と書かれた電卓を見せ、そして「会員になるための1万円も含んでいますので29万です。」と言うとたいていの初めてお客様は買ってくれました。

そして味をしめた富裕層のお客様また来店するのです。
こんな売り方をすれば赤字じゃないか?と思うかもしれませんが損はしていません。「損して得する」とか「骨を切って肉を断つ」みたいな雰囲気です。まあ、ちょっと意味合いは違うかもしれませんが後に商売が良くなれば「いいじゃん」っていう感じです。

最初のお客様には殆ど利益はありませんが次回からは利益が取れるからです。このような売り方でファンを作って行きました。これには絡繰りがあったのです。仕入れが良かったのです。ミラノの買付の話は書きましたが儲けの秘密はフィレンツエにあったのです。

ミラノで買付したあとに必ずリナーテ空港からフェインツエに向かいました。私が独立する頃にロマーノが私が欲しいものを見つけてくれるようになったのです。ガイドをつけて居なかかったのは英語で何とか意思の疎通は出来ていたからです。

私も頓珍漢な英語だし、ロマーノもイタリア訛りの英語でお互いに理解していませでしたが判ったふりをしていたのでしょう。2年位たってから何となくお互いが判った来た感じです。ですから独立をした時にはやっとですが
とんでもない商品を見つけてくれるのです。

それは「サンプル・レンジ」という商品です。
これは今季もので、展示会、オーダー会で使ったサンプルです。アパレルでは秋冬物でしたら2月か3月に受注会があってサンプルと生地を選んでオーダーするのです。その商品は7月から10月に入ってきます。受注会が終わればそのサンプルは処分することになります。その商品は受注会がある各都市あり何セットもありますのでそれを買う会社があります。


ロマーノは私をその会社の倉庫に連れて行きました。サンプルですからサイズもワンサイズ42サイズで1点しかなかった。普通であればショップは3サイズは用意しておくものですからロマーノもちょっとしか買わないだろうと思っていたようです。

しかし私は「これはいける」と直ぐに思ったのです。「だって1点ものじゃないですか、早いものがちです」と顧客に説明しようと考えていた。それにプライスを聞いて腰が抜けそうになったものです。


当然サンプルですから正規品と比べたらプライスは鼻くそみたいに安いのです。イタリアの国内の上代の約60%OFFと言うことは日本の正規プライスから見ると20%位になってしまうのです。たとえば20万円のコートが4万円ですよ!

その倉庫になんとマックスマーラがあったのです。お客様から人気のないサンプルもありました。つまりオーダーされないものは作りませんが、サンプルは残っています。と言うことは幻の商品が数多くあったということです。

あえて私は日本のデパートに入らないものを逆に買いました。マックスマーラと言えばコートが人気でしたからコートに関してはあるだけすべて買っていました。そんなことで当店は珍しいものが入ると評判になったのです。

そして私は知らないブランドでもサンプルレンジ商品なら安いので買ってきました。それがまた変わっていてイタリアらしいと絶賛されたりしまました。当然安く販売できたので顧客は満足していたようでですが新規顧客が増えなくなりました。

それは1点しかないので教えてくない、自分だけの店になっていきました。しかし売り上げはコンスタンスに作れたので本気になって対処はしませんでした。札幌ではミラノ商品、新宿はフィレンツエの商品を中心に販売していきました。しかしこの後、倒産しそうな事件が勃発します。発想が良すぎでプラダから訴えられるのです。

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