【ネタバレあり】御手洗家、炎上する

※この記事は7月25日に書き始めたものを公開しています。

連休だったのでNetflixオリジナルドラマ「御手洗家、炎上する」を見始めた。
きっかけは毎日のように放送されるテレビCMだ。
怖そうで見る勇気が出なかったがゴリ押しに負けた。

あらすじ

CMでも「家を奪われた」「あの女が奪ったものを取り返す」的なセリフを言っていたと思ったのでそれだけでも復讐劇であることは分かるだろう。
まず、家が燃えているところから始まる。
燃えている建物に見える「みたらい病院」の文字。
今時、といっても設定は13年前だが、家と病院が隣接しているなんて珍しいなぁと思って見ていた。
映っている光景は、まさに「御手洗家、炎上する」である。
その後、女性が出てきて家の前で土下座する。
どうやら火事は主人公の母、皐月(吉瀬美智子)が原因でそれで夫婦は離婚してしまう。
その後、父(及川光博)は離婚し皐月のママ友であった渡真希子(鈴木京香)と再婚する。
主人公、村田杏子、13年前は御手洗杏子(永野芽郁)は火事の真相を知るため、
山内しずかの偽名を名乗り父と再婚した御手洗真希子に接近する…

登場人物

この見出しでは上記で書いていない登場人物を説明する。
以下、ネタバレを含むので注意。

主人公側
村田柚子…杏子の妹。
クレア…杏子との会話で「名前を貸してあげている」と言っていたのでおそらく山内しずか本人。今はコスプレ衣装デザイナーのクレアと名乗っている。杏子の幼馴染でバレエでやりたくない役を演じた間柄らしい。インターネットに強く作品では情報屋的な立ち回り。

敵側
御手洗治…杏子と柚子の実の父親。
「みたらい病院」を経営する医者。
火事から皐月とは離婚し真希子と再婚。
今は希一と真二の父親。
御手洗希一(渡希一)…真希子の連れ子。弟の真二が杏子と同級生なのでそれよりも年上であることが分かる。13年前は優しいお兄ちゃんという感じだった。
御手洗真二(渡真二)…真希子の連れ子。希一の弟。父の病院を継ぐため帝明大医学部に通っている。

ダブルミーニング

タイトルの「炎上」は今わかる限りで2つの意味を持っている。
一つは火事。
もう一つは昨今よくある、ネットで誹謗中傷が過熱することを指している。
真希子はインスタグラムにその贅沢な暮らしを投稿している。
オープニングにも「偽セレブ」という文字が出てくる。
視聴者に「復讐が成功して真希子が炎上するのかも」と想像させる。

オープニング

工藤阿須加さんの演技

「2階には絶対に上がらないで」
真希子は何度もそう言うのだがそこはドラマ。
杏子は2階に上がってしまう。
2階の部屋にいたのは歳の頃が同じぐらい、20代の成人男性。
真希子は引きこもりの息子を2階に隠していたのだ。
杏子は当初、「ゲームが好きだった」「要領が悪かった」という記憶から男性は弟の真二だと考える。
しかし、星についての知識を幼少期と同じように話すことからそれが当時憧れだった希一だと知る…

「引きこもり」なので髪は伸びているし部屋も薄暗いので、もちろん登場人物として誰なんだ…?という気持ちもあり、演じているのも誰なのか気になっていた。
そしてクレジットで流れるキャスト一覧を見て驚いた。
工藤阿須加さんは日曜劇場で初めて知り、好青年のイメージがあったからだ。
イメージと今回の役はまるで別人だし、最初は姿も見えないから幽霊のような恐怖心、好奇心を掻き立てられる演技だった。

変わりめく展開

真二を手懐けたかと思えば裏切られるし、治もこちらの味方かと思えば結局は血の繋がった娘よりも真希子に従う。
真希子は登場したばかりの頃は警戒心丸出しだが杏子を信頼していくようになる。
この1話ごと、その話の中でも立場が変わっていくのが面白い。
次はどうなるのか、先が気になるので完結している連続ドラマとしては良く出来ていると思う。

あと、真希子ははっきりとした悪役だから視聴者は彼女に対するヘイトを向けるのは当たり前なんだけど話が進んで過去が見えてくると全員に同情するような要素がある。
そりゃあ自分がシングルマザーでパートで働いてて苦労している時に世間知らずのお嬢様みたいな金持ちの医者の嫁のママ友がいたら誰だって嫉妬や恨みを覚えると思う。
だからといって皐月も義姉たちにいじめられたり仕事だって手伝ったり苦労はしているから色んな層が共感しやすいんじゃないかな。

毒親

真二も作中で真希子は毒親だと言っている。
・息子の交友関係に干渉
・本人には言わず裏口入学させる
・社会と隔離し自分に依存させる
私も毒親育ちなので結構きつかった。
観ていて毒親だなーと思う作品は増えてきたけど、セリフで実際にワードを出しているものは少ない。
社会問題をフィクション作品で取り上げるのは慎重になるべきだが、これを観て少しでも毒親についての認識が広まればまあ、良いのかな…

まとめ

見始めた頃はワクワクしたが、最終的に真希子は犯人じゃなくてカレーを食べたかった真二が全く悪気なく火事を起こしてしまったというどこにも怒りを向けられない結末になんとも言えない気持ちになった。
あと一番もやったのは柚子と真二はお互いに好意を寄せていたし、杏子が希一とくっついたこと。
もちろん毒親から離れることは生きていくために絶対必要だし、他人に頼るのも自立の一つ。
それでも恋愛ドラマだと思って観てないから「なんでもかんでも恋愛絡ませないと作品にできないのか」ってなった。

最後に杏子も言ってるけど要は他人の言葉に振り回されず、自分の意志で生きていくことが大事というのを炎上という出来事を使って表した作品だった。
私もよく「〇〇が炎上してる、してたというのは聞いても実際にそれは見ていない」ということがあったので炎上を作る仕組みを知ることができた点では学びがあった。
映画じゃないから時間はかかるけどハラハラを味わいたい、ドラマが好きな人は観てみると良い。

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