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保育園で給食を作り続ける理由

「管理栄養士」の国家資格を取得し
2011年に大学を卒業してから、
ずーっと保育園で給食を作り続けている
(産後1年間は休んでいたものの)
それくらい魅了されている


管理栄養士を目指したきっかけ


高校の家庭科の授業で見たビデオ

「子どもが描く食卓」
1人で淋しそうにご飯を食べる様子を描いた子、
お菓子だけの偏った食事を描いた子…

「この現状を何とかしないと!」

危機を感じて管理栄養士になることを決意した

「食」は生きていく上でとても大事なもの
健康な身体をつくるためにも
心を満たし育むためにも
 

この時の決意がブレない芯となった  

いざ保育園で働き始めると


「いよいよ!
私がやりたかったことを実現できる!!」

意気込んでいたものの、
自信はズタボロになった…


学校で学んできたことがほとんど通用しない
ベテラン調理師さんと
上手くコミュニケーションがとれない
何も分からない中で、
トップの責任者として決断すべきことばかり…

要領が悪く、終わらない仕事を家に持ち帰り、
休日も関係なく働く日々…

大きな失敗もし、
改めて、責任の重い仕事だと痛感

「向いてないんじゃないか…」
朝、出勤時に理由もなく涙が出た…

変わるきっかけ



ある日、自分の不甲斐なさに給食室で1人
泣いていた時のこと

男の子が帰り際にわざわざ給食室を訪ねて
「今日も美味しかったよー!」
と、とびきりの笑顔で言いに来てくれた


その時に大切なことに気づいた

私が目を向けるべき所、
大事にすべきことは
何なのか…
何のために給食を作るのか…


「子どもたちの健やかな成長」
「子どもたちの笑顔」

そこに気づいた時、

うじうじしてる暇があったら、
できることやろう!!!


どうしたら苦手なものも食べてくれるやろ?
家で試作三昧。
食に興味を持ってくれそうな面白いネタ探し…

 
失敗をしても、
職場の皆さん全員で私を支えてくれた


できることが少しずつ増えていき
やりたかった食育もできるように…

保育室に行くと私を見つけた子どもたちが

「先生〜見てー!!全部食べれたよー!!」

子どもたちの笑顔と成長が
間近で見られるこの仕事に
この上ない、やりがいを感じた


泣いてばかりだった0歳の赤ちゃんが
友達を想いやり
立派に自分の意志で行動できる子になって卒園

その成長過程を見られる、
人生の土台づくりに関われるのも
大きな魅力

さらに、保護者の方からも
「給食のレシピ、家の定番になりました!」
「おたよりの言葉いつも読むのが楽しみです!」

と。
こんな素敵な仕事ある?って。


保育園で働く上で大切にしていること


子どもたちと信頼関係を築くこと

そのために、
給食を食べている様子を必ず見に行き声をかける

根気よく関わり
心を開いてくれるようになると

見た目で敬遠していたものも
私が勧めると
口に入れてくれる

「この人が作ったご飯なら食べてみよう」
そう言わんばかりの顔で

「食べる」を通して
人との信頼関係も築くことができる


人生の土台に、 
「食べることが大好き」
「食べることって大切なこと」 

そんなふうに心に刻んでもらえたらいいな…


そう思って、
ずっーと、給食を作り続けている

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