Seiko Nanase
コロナ禍で世界の扉がバタバタと閉じていく。 家の中へ閉じ込められていく。 劇場の扉も閉ざされ、スタジオの扉も閉ざされる中、 それでも芸術に境界線はない。 世界は閉ざされてはいない。 それを証明するために、NYの演劇スタジオへバーチャル留学を決めた話。 自分から、その手を全力で伸ばすことができたなら、 必ずその手を掴んでくれる人がいる。 世界は、変わらずに広く、大きく、その腕を広げ待っている
「N.ラボ」は私が主催する、Acting Workshopを中心としたプロジェクトです。 「真のアーティストとしての俳優が、安心して研鑽できるホームとなること」 というフィロソフィーを掲げ、メソッド演技法やウタ・ハーゲンテクニックをベースとした、台本分析や役作りにフォーカスしたワークショップをメインに開催しています。 と、言っても昨年からコロナの影響もあり、対面でのWorkshop開催はしばらくお休みしていましたが、 オンラインで開催しているクラスもあるので、今日はN
コロナ感染が止まらない現在、 毎日飛び込んでくる数字や、聞き飽きた言葉に嫌気がさしている人も多いと思います。 そしてワクチンへの懐疑心や嫌悪感、不安があるのはもちろん当然のことです。 提示されたものに疑問を抱くことは、とても正しく当たり前のことです。 ただ、私は比較的近くでコロナ感染で命を落とした方がいて、 その家族のやりきれなさや虚しさを見て、聞いて そして、あんなにも急に人の命が消えていく過程を知り、 ひたひたと足元を濡らすような恐怖を感じました。 その一方で、もう
【すべての始まり】 【第二話】 えいや!と私が送った聴講希望メールは、半日ほどですぐに返事が来た。 メールの丁寧ながらも親し気な調子に、最近ヨーロッパづいてた私は「あぁ、アメリカだぁー」とほっとしてしまう。 ヨーロッパ系企業で働いたり、アイルランドが大好きで積極的にそっちへアプローチをかけたりするまで全然気にしてなかったんだけど、ヨーロッパとアメリカの英語ってほんっとに、ほんっとーに違う。 単語が違う。とか発音が違う。とかそういう表面上なことはもちろんなんだけど、そ
第一話はこちら↓ 遡ること数時間前。 私はPCの前で、優柔不断の鬼と化していた。 そもそもどのクラスを選べばいいのか。 HBスタジオにはさすが、というべきか、とにかく本当にたくさんのクラスがある。 「アクティング」「シーンスタディー」「アクティングwithカメラ」「スピーチ」、「ボイスムーブメント」、「ミュージカルシンギング」「zoomオーディションのための対策」、「アクティングforティーン」、果ては「俳優と税金」のクラスまで。 もうそれはそれは至れり尽くせり。
ある日突然、世界がバタバタと扉を閉じ始めた。 みんな家に閉じ込められた。 そんな状態が約一年にも及んでいます。 ついこの間まで、世界は大きく開かれていて、自分が望みさえすればどこへだって行くことができた。 それが、今じゃ世界どころか家から出ることもままならない。 けど、世界は閉じたわけじゃなかった。確かに国境は閉じているけれど、自分が望めば、やっぱり、変わらずそこに世界は大きく開かれていたのです。 私はこのコロナ禍で夢を一つかなえました。と言うか、コロナ禍じゃなけ