色の組み合わせについて

【前書き】

 色の組み合わせが覚えられないという方も少なくないらしく、ありがたいことにそういった記事が読みたいとのお声もいただいた。前回の記事に入れてほしいとの意見もあったが、五十音順の中に色の組み合わせがあってもわかりにくいと思ったので、今回新たな記事として執筆することにした。 なお、今回の記事の趣旨は印象付けである。はっきり言って、ただ羅列したものを見るならwikiなりラヴニカのパックなりを見れば済む話だ。印象付けて記憶にひっかかりやすくすることを目的に文章を作成した。そのためこの前書きを過ぎたら文体を砕き、内容も堅苦しいものから外れたものになる。またそれにあたって個人的主観が多く混じる。そこをご了承いただきたい。また、今回説明する特徴は多くの場合やカラーパイを考慮しての話である。長いマジックの歴史を見ればいくらでも例外は出てくるが、初心者に向けたざっくりとした記事なのでそういった重箱の隅をつつくようなことは控えていただきたい。

【組み合わせの種類】


具体的な名前について説明する前にまずは組み合わせ方について。下図のように色は円を描いていて、そこでの位置関係によって仲の良し悪しが生まれる。

① 二色

・友好色
お隣さん同士。青の狡猾さと黒の邪悪さなどのように共通の価値観を持っている。昔は友好色の方が二色土地などで優遇されていたが今はフレーバー(キャラ付け)的な意味合いがほとんど。なんならデッキ的には有効色の赤黒よりも対抗色の緑黒の方が仲良しまである。

・対抗色
向かい側にいる二つの色。緑の命に対する黒の死のように対立する価値観を持っている。前述のようにフレーバー的なものでしかない。

② 三色

・弧
円の弧を描くような形の組み合わせ。

真ん中の一色とその友好色となっていて、フレーバー的には真ん中の権力が一番強い。だから真ん中の敵である対抗二色とその価値観とは仲が悪い。クラスの仲良しグループ(弧三色)とその中心人物が嫌いなやつら(対抗二色)という関係。

・楔
コロコロ転がる三角形を形成する組み合わせ。

有効色とその共通する対抗色の組み合わせ。仲良し二人組になんか知らん奴が混じった。二人組作ろうとしたら全体が奇数人だったので余ったぼっちが先生の指示で適当なとこにほうりこまれてしまった感じ。タルキールが名前の由来だが、タルキールの過去を変えたらこのぼっちがいなくなって仲良し二人組の世界になってた。

③ 四色
デッキ名だいたい4Cってつけられるし使っている人ほとんどいないから覚えなくていいです。

【組み合わせの名前】

① 有効色


・アゾリウス
 青と白。打消しの弱点である、すでに場に出てしまったカードを白のパーマネント除去で補うことのできる組み合わせ。とても相性がよくスタンからヴィンテージまで幅広く存在する。コントロールの基本カラー.弱点としては、多くの場合攻めに転ずるカードが少ないことが挙げられる。相手を捌いたはいいが勝ち手段を引けずに押し切られるのは親の顔より見た負け方。

・ディミーア
 青と黒。アゾリウスと同様に、打消しを除去が補う組み合わせ。アゾリウスとの相違点として、黒の除去は基本的に対クリーチャー専用であり、置物に弱いことが挙げられる。逆に、あちらにない大きな強みとして、黒のハンデスが使えることがある。特にコントロールミラーではハンデスはとても重要なので、アゾリウスと直接対決するとディミーアが有利な場合が多い。

・ラクドス
 赤と黒。赤の火力と黒の生物除去と除去が非常に強い者同士。……のだが、結局得意なことは生物除去なので弱点を補完しきれていない。本当に友好色か?受けに回って強いカードが少ないのでやられる前にやろう。

・グルール
 赤と緑。緑の優秀な生物を赤の火力でバックアップする。また緑は置物破壊が得意で赤は生物を火力で対処できるので対応できる幅も広い。とはいえさすがに除去の本職である黒や白よりは除去が弱いのでビートダウンがメインになる。彼らは物を作るより壊す方が好きな野蛮人だからね。

・セレズニア
 緑と白。生物が優秀な色同士の組み合わせ。全マナ域が満遍なく優秀なクリーチャーで埋まる。弱点は生物除去が限定的になりがちなことやからめ手の少なさ、打消しもハンデスもないことによるコンボ、コントロールデッキへの耐性だろうか。

② 対抗色


・イゼット 青と赤。青の打消しと赤の火力と、アゾリウスやディミーアに負けず劣らず弱点を補完できている。除去が火力であるためディミーアよりも除去が弱く、アゾリウスのようにパーマネントにも触りにくいが、火力は本体やPWにも打てることが多く腐りにくい。また火力を活かして攻めに転じやすい。コントロール以外にも軽量スペルを連打するコンボデッキもある。人気が非常に高い色でもある。

・ボロス
 赤と白。白の軽量クリーチャーで殴り、赤の火力で押し込むのが基本戦略。除去も白のパーマネント除去と赤の火力で幅広い。ドラゴンや天使を活かした重量デッキもある。ハンデスも打消しもないのでコンボを妨害しにくい。

・オルゾフ
 白と黒。除去もハンデスもでき、白の優秀なクリーチャーが使える。ぶっちゃけこの二色だけでだいたいのことができる万能色なのだが、青を足したエスパーや緑を足したアブザンが強いのでいまいち影が薄い。

・ゴルガリ
 緑と黒、緑の生物を黒の除去でバックアップする。また緑の苦手な生物除去を黒の生物除去が、黒の苦手な置物を緑がとお互いに補完しあっているベストカップル。本当に対抗色か?ハンデスもできるためコンボにも耐性があり隙が無い。

・シミック
 青と緑。緑の生物を青の打消しでバックアップ。……できるのが理想だが、どちらも場に出でしまった生物に触りにくいという明確な弱点があり補完しきれていない。一番対抗色してる。

③ 弧


・ナヤ
 緑と赤と白。ビートダウンが得意なやつらを集めた。除去も一通りできるのでバランスもいい。ただ青も黒もなくコンボに弱い。

・ジャンド
 緑と赤と黒。ジャンドの設定的には赤とその有効色という趣だが、ゲーム的にはベストカップルのゴルガリに、赤が足されましたという感じ。ゴルガリの時点で隙が無いので当然これも強い。

・バント
 緑と青と白。セレズニアの弱点であるコンボ耐性を青の打消しでカバーできる。が、セレズニアは打消しを構えるより生物を展開することも多くあんまりかみ合ってない印象。

・エスパー
 青と白と黒。アゾリウスとディミーアを足したコントロールになることが多い。できることが増えて当然強く、だいたいのものは捌ける。ではそれらの上位互換なの?というと色マナ事故があるためそうとも言えないのが、マジックの面白いところ。

・グリクシス 
 青と黒と赤。イゼットにハンデスが加わった形。エスパー同様コントロールカラーの代表例。エスパーよりも火力やハンデスを使うことで能動的に動くことに長けている。一方で置物に触ることが苦手だが、そこがまた可愛らしい。特に人気のある組み合わせの一つであり筆者も愛用している。だが誠に残念ながら最近はテフェリーとかいうやつのせいで白を使った組み合わせの方が人気が高い。いいもん、きっとボーラス様が灯争大戦でがんばってくれるもん。

④ 楔


・アブザン
 緑と白と黒。これもジャンド同様にゴルガリに白を足した形になることが多い。赤の火力がないためジャンドより軽量除去は少ないが、代わりに白の優秀なクリーチャーが使える。

・ティムール
 青と赤と緑。緑の生物をイゼットがバックアップする。クロックパーミッションの基本形。余った火力を本体にうつことで押し込むこともできるので無駄がない。クロパに向いたカードが多いが公式としてはグルール系のデカブツといった方向性か。

・マルドゥ
 赤と白と黒。右から、除去が強い、除去が強い、除去が強い。とりあえず除去が強い。盤面を全て焼き尽くせ。

・スゥルタイ
 緑と青と黒。ジャンドのようにゴルガリに青、ではなくこれだけはディミーアに緑のクリーチャーや置物破壊が増えた形となることも多い。打消しとハンデスで妨害しながら緑で殴る。

・ジェスカイ
 青と白と赤。使い手はトリコロールと自称するが公式名称はジェスカイ。ハゲが多い。マジックのハゲは強いやつが多い。マジックで人間クリーチャーが強いのは人間が開発しているからとよく言われるが、その理論から考えるとつまり……。アゾリウスの弱点だった軽量除去が赤の火力で補われている。バランスがよく非常に人気がある組み合わせの一つ。

【まとめ】


名前・色・主なデッキタイプ

友好色
・アゾリウス 青白 コントロール
・ディミーア 青黒 コントロール
・ラクドス  赤黒 アグロ
・グルール  赤緑 アグロ、ミッドレンジ
・セレズニア 緑白 アグロ

対抗色
・イゼット  青赤 コンボ、コントロール
・ボロス   赤白 アグロ
・オルゾフ  白黒 ミッドレンジ
・ゴルガリ  緑黒 ミッドレンジ
・シミック  青緑 クロパ


・ナヤ    赤白緑 アグロ
・ジャンド  赤黒緑 ミッドレンジ
・バント   緑白青 ミッドレンジ
・エスパー  青白黒 コントロール
・グリクシス 赤黒青 コントロール


・アブザン  緑白黒 ミッドレンジ
・ティムール 赤緑青 クロパ
・マルドゥ  赤白黒 ミッドレンジ
・スゥルタイ 青黒緑 ミッドレンジ
・ジェスカイ 青白赤 コントロール

【後書き】


 いかがだったでしょうか。結局、覚えるのは難しいですね。
 まとめブログごっこはさておき、まじめな話すぐに覚えるのは難しいと思います。私もしばらくは「ゴルガリ?えっと何色だったっけ」と調べながらやったものです。英単語でもあるまいしわざわざ覚えようとして覚えなくてもいいと思います。ゆっくりやりながら自然と覚えていきましょう。大丈夫、ほとんどの人はあなたが色を覚えてなかったくらいのことで笑いませんよ。

【これから】


 まずは読んでいただきありがとうございました。前回の記事が尊敬するプロプレイヤーの方たちのおかげで多くの方々の目に触れることとなり感無量でした。
 今回はリクエストにお応えしてこういった記事を書きました。今後もリクエストがあれば時間の許す限りは応えたいと思いますので、@MtG_Momiji_t_Gにお気軽にお問合せください。
 ただ私は強豪プレーヤーではないので競技大会での勝ち方を聞かれてもわかりませんしなんなら私が知りたいです。
 特にリクエストがなければ次回は「初心者向けのデッキの定義」か「リミテッドのデッキを組む際にやってしまいがちなミス」あたりになるかと思います。
 またもしかしたら実験的に、全部無料で読める有料記事、(購入しても読める範囲が増えるわけではなくあくまで私への支援をしていただけるだけ)とかにするかもしれません。

【謝辞】

この記事はたくさんの方から貴重なリプライを賜った上での成果であり、リプライをくださった方々や、RTによる宣伝を行ってくださった方々に深い感謝を申し上げます。また、本記事の校正を申し出てくださった、さんごしょ様(@humming_sango)に厚く御礼申し上げます。

【参考文献】

MTG Wiki(www.mtgwiki.com) 2019/04/07閲覧 

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