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 ドーン と 船🚢

775文字

 バリバリと氷点下、空を見上げる余裕等ない。
 身体も心も我が愛車に一直線に瞳は突き進み、真っ白白スケな車、凍って僅かに色が分かる程度なのが哀しい。
 暗闇に薄っすら黄色の菊も、きっと、花びらパリパリに凍っているんだわ。
 草むらを歩くとサクサクと凍った声が聞こえる。
 私達はお陽様出るとピンピン、生き生きこの程度の寒さなんてヘッチャラなんですよ~と言っている。
 
 話しは変わり去年、ある方が「私、龍雲集めているんです」と言っていた。
 それまでの自分は空に浮かぶ雲には全く興味がなかった。
 夕日の色や薄雲に月の輪が二重になるとお天気が下り坂、とか、お爺ちゃんお婆ちゃんが雲と太陽、月で天気予報をしていたのを聞いて雲を見ていただけで、貧相な毎日を過ごしていた事になる。
 龍雲と聞いてから何時も空を眺める様になった。
 今迄私は、地面ばかり見ていたんだわ~、それから色んな雲を見る様になった。
 そして出た~ ドーンとデカイ船だわ🎶雲が浮かんでいた。
 船に乗り旅に出れるわね、空中船、宮崎駿の天空の城ラピュタを思い出した。
 雲の船なら船酔いしなくて済むかしら・・・未だうら若き乙女(笑)(笑)だった頃(笑)
 釧路から東京に帰るのに、31時間かけて船に乗った事を思い出してしまった。
 船に乗り一時間もしないで船酔い、まさか船酔いするとは夢々思わなんだった、薬等用意する筈もなく、兎に角早く船から降りたい、時計の進み方が😱😱時間が止まっている、針が動いていない、そんな感じで毛布に包まり31時間、たった一言辛かった。
 それから船には二度と乗らないと心に誓った、けど、あの大きな雲の船には乗りたい。
 車を停め、写メして暫し路肩に留まり、大きな雲を眺めた。
 空の中を南に進んでいる、船首のあたりの雲が白く光って美しい。
  私は素晴らしい雲に出逢えたんだわ。
 
 

 

#エッセイ

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