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日本の爬虫類① タカチホヘビ科

タカチホヘビ科

従来はナミヘビ科に分類されていたが、最近の研究結果から独立した科として扱われるようになった。アジアに分布し、5属20種あまりが確認されている。日本の他には、インド北東部からインドシナ、中国、台湾などに分布している。
小形の種が多く、全長は最大でも80cm程度。眼は小さく、上顎には20本以上の歯をもつ。乾燥に弱く、ほとんどの種が森林に棲息する。半地中生活であることが知られている。日本にはタカチホヘビ属Achalinusのみが分布している。

タカチホヘビ属 Achalinus

中国からベトナム北部、台湾、日本にかけて分布する。森林やその周縁部に棲息する。夜行性で主にミミズを捕食する。世界で15種ほど、日本では3種が分布している。

タカチホヘビ Achalinus spinalis

本州、四国、九州およびその周辺の島嶼に分布(千葉県では確認記録がないらしい)。低地から亜高山帯の林中に棲息する。夜行性で日中は倒木や石、落ち葉の下に隠れているので目撃例は少ない。
体全体に光沢があり、とくに腹面の光沢が強い。頭部はやや細長いが、吻端は丸みを帯びる。体鱗は胴の前方で25列(まれに23列)、胴の大部分で23列とされている。頭胴長は180−400mmほどで、尾長は頭胴長の20-35%ぐらい。

タカチホヘビ(栃木県産)

アマミタカチホヘビ Achalinus werneri

琉球列島の奄美大島、枝手久島、徳之島、沖縄島、渡嘉敷島に分布。湿潤な森林の中などを好む。夜行性で、日中は石や朽木、腐植質などの下に隠れる。
尾下板の正中線上には暗色の模様がない。胴中央の対鱗は23列(まれに21列)、最外側の1列以外ははっきりとした隆条がある。頭胴長は138−423mmほどで、尾長は頭胴長の30−50%ほど。
環境省RDB:準絶滅危惧(NT)

ヤエヤマタカチホヘビ Achalinus formosanus chigirai

台湾に分布するタイワンタカチホヘビの亜種。琉球列島の石垣島と西表島のみに分布。採集例が少なく、詳細な生態は不明。
胴中央の体鱗は25-27列、胴と尾の最外側の鱗はよく目立つ隆条がある。頭胴長は252-410mmほどで、尾長は雄で頭胴長の40%ほど。
環境省RDB:絶滅危惧Ⅱ類(VU)

【体サイズ】
アマミタカチホヘビ < タカチホヘビ < ヤエヤマタカチホヘビ


栃木県茂木町での確認例

町内にはタカチホヘビが棲息している。栃木県レッドデータブックでは「情報不足 DD」。確認例は多くないが、林内を草刈りしているときに石の下から逃げ出す個体を確認したことがある。林縁に接した側溝に落下している個体の確認例もある。

【引用・参考文献】
・新 日本両生爬虫類図鑑 サンライズ出版
・山渓ハンディ図鑑10 増補改訂 日本のカメ・トカゲ・ヘビ 山と渓谷社
・日本のレッドデータ検索システム http://jpnrdb.com/aboutsite.html

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