名前はまだないの独り教育再興戦略日記

(1)GIGAスクール構想について①
 COVID-19対策の1つに、オンライン学習の提供があった。否、実はオンライン化の需要はその前からあったのだろうが、財政が追い付かないことを理由にいまいち進んでいなかった。
 学校には校務用端末が10年ほど前に設置され、日々試行錯誤を行う中で、得意な教師を中心として文書の電子化、校務の効率化が進んでいった。もちろん「機械が苦手」と公言するベテランも(一部)いたが、多くの教員は互いに教え合い、支え合ってこの校務用端末を使い、徐々に慣れていったところだった。
 10年かけてやっと慣れた矢先の緊急事態宣言による、休校要請である。やっとPCに慣れたばかりの教員にとって、授業動画を作ったり、双方向の通信で学習支援を行ったりするのは、とても困難な事だった。というよりも環境が一切整っていなかった。
 学校にはwi-fiがない。電話回線を使って、自治体が管理するネットワークにのみ、つなぐことができる状態である。また、10年前の端末を利用しているため、PCにインカメラがない。通常のスペックの学校では、オンライン通信は不可能な状態であった。(と思われる。)しかし、これは「各家庭にオンラインの受信環境が整っていない」という言い訳により、上手く隠したところもある。逆に、そのような環境の中で、一生懸命、一方向の学習動画を作成したものの、YouTubeなどの動画サイトや塾・予備校講師の動画を比較され、分かりづらいと世間からクレームを受けたり、酷評を受けたり、SNSで晒されてしまった悲しい自治体もあった。
 さて、COVID-19が収まる気配がない中、GIGAスクール構想の早期実現のため、文科省が動きを速めた。今まで、環境が整わないことを言い訳に、また多忙であることを言い訳にし、変化に消極的だった教育の世界も変わる時がきた。しかし、上記のような状況が現実である。通販サイトで注文をしたことすらもない教員もいる中で、教育環境を一変させなくてはならない。
 まずは児童生徒一人一台端末である。これを教科書の代わりに使っていては、ただ荷物が軽くなったに過ぎない(もっとも、それすらもこの世界では革命的改革である)。Wi-fi環境を整え、クラウドを使いこなし、インターネットを使ってどのような教育を行なっていくのか。ICTの教育活用が著しく遅れた日本をどのように復活させるのか。予算は投じられた。十分ではないかもしれないが、あとは現場の教員の工夫次第で、これまで考えられなかった実践がたくさん生まれるだろう。逆に、これまでの教育方法を捨てることができず、リスクゼロの名の下に、挑戦することを拒み、管理的に扱うことしかできないのであれば、GIGAスクール構想は、児童生徒の荷物を軽くしただけの改革になってしまう。全ては自治体を含めた現場にかかっているのだ。
 このコラムでは、これからの教育について、思いついたことを徒然なるままに、批判を恐れず(誹謗中傷は恐れて)、生意気に、時に無知に、支離滅裂に論じていきたい。不定期に投稿していく予定である。

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