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【創作】眠れない夜を越えて #4

【創作】眠れない夜を越えて #4

白羽行人&葛西雅樹◇M.side

どのくらい時間が経ったんだろう。
気恥ずかしさと申し訳なさとが入り混じったように顔を上げた行人は、俺を見るなりぎょっとした。
「…なんでお前まで泣いてんの?」
やばい、つられてこっそり泣いてたのがバレた。
「いや泣いてないよ。ちょっと目にゴミ…あ、違う!あくび出ただけ!」
「嘘つくなよ」
ふっと笑われて、なんだか俺もおかしくなって笑い返した。

それから適当に音

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【創作】眠れない夜を越えて #3

【創作】眠れない夜を越えて #3

白羽行人&葛西雅樹◇M.side

「隠し子なんだよ、俺」

誰かに話そうなんて今まで思ったこともなかった。
だけど、行人には聞いてほしかったから。

「父親にあたる奴は、表向きは小さな町工場の、従業員想いの経営者。
けどその裏じゃ、俺や母さんみたいな存在を何人も設けてるとんでもないクズでさ。
母さん、日本に来たばっかりだったのにそんな奴に付け込まれて…で、俺が産まれた。
住むところと仕事見つ

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【創作】眠れない夜を越えて #2

【創作】眠れない夜を越えて #2

◇白羽行人&葛西雅樹◇Y.side

指示通り着替えて布団にくるまっているうちに、少しうとうとしていたらしい。
「メシできたよ。起きられる?」
雅樹の声にゆっくり身を起こし、ダイニングキッチンへ移動すると、用意されていたのは鶏肉と卵が入ったうどんに野菜スティック。
「じいちゃん先生は栄養つけろって言ってたけど、がっつり系だと難しいでしょ?俺も簡単なものしか作れないし」
そう言って照れたように笑う。

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【創作】眠れない夜を越えて #1

【創作】眠れない夜を越えて #1

◇白羽行人&葛西雅樹◇Y.side

「…マジかよ」
生温い風を頬に受けて、ため息混じりに呟いた。

単発バイトの帰り道。
朝早くから集合をかけられ、まともに空調の効かない倉庫内での作業は蒸し焼きになるかと思う程暑く、外に出れば少しは解放されるかと思ったら。
駅へ向かうバスはほんの数分前に出たばかりで、次のバスまであと40分も待つ。
確か駅まで徒歩30分、それなら歩いたほうが遥かにましだとバス停を

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