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ごく平凡な中年男性がアイドル沼にはまったきっかけ

自己紹介も済んでじゃあ次は何を話そうという事で、自分と言ったら今や切り離すことのできない話題として『アイドル』の話があります。

元々音楽もバンドとかそういうジャンルが好きで、到底『アイドル』というものに縁が遠いものだと思っていたし、アイドルに対しても正直、”そこらへんの子を捕まえて来てプロデューサーのネームバリューだけで人気取ってるだけで、年取っていらなくなったら『卒業』という名の戦力外通告してそこに新人を入れて、永遠に続く商売なんでしょ”みたいな感じで商売っ気が目に見えすぎていて、なんならあまりよく思ってなかったりもしていました。

ではなぜこの歳になっていきなりアイドルにハマったのかというお話をしていきたいと思います。これがなかなか深い(?)話なので是非最後までお聞きいただければと思います。

自分は静岡県の片田舎にある従業員も5人くらいというホント小さい無名のIT企業でWEBシステムの開発をしているんですが、2017年の2月頃だったかな。大きな仕事の話がたまたま転がり込んできました。大手企業のシステムなんですけど、どうやら営業トークで『他の会社がやったら年単位の作業でウン千万かかる開発を我々なら3ヶ月で250万くらいでできますよ』みたいな大見えを切って仕事を取ってきた様で、しかもそれを自分一人で対応するという無謀な案件を任されてしまったんですね。。。

とても大きなシステムで、最初の1週間は先方に出向して仕様の把握に努め、朝新幹線で東京まで出勤して、夜は最終の新幹線(22:40頃)に駆け込んで帰るみたいな生活を繰り返し、出向期間が終わってからは朝9時に出勤して毎晩2時3時帰るなんてのが当たり前でもちろん休日返上で曜日感覚も一切なく...みたいな日々を繰り返してました。

仕事のボリュームと大手案件のプレッシャーもあり体の疲労と精神的消耗がかなり大きく、それを物語る出来事があって、東京出向してる時期にある日に割と大きな震度があったんですね(たしか震度5とか6とかだったと記憶してます)。そんな状況で周りが慌てふためく中、自分はデスクでPCに向かって何ら焦ることもなく ”ああ、揺れてるな。このままビル崩れてくれたらもう明日から仕事しなくていいのにな...” なんて真面目に考えてたくらい肉体的にも精神的にも参ってました。

あまりに参り過ぎて神経が過敏になってしまい作業場での換気扇の音や他の人のマウスやキーボードの音等の”ノイズ”が気になる様になってしまい、Youtubeでトランスミュージックをガンガンにかけて”耳を塞いで”作業をする状態にまで追い込まれていました。

そんなある日、いつものようにYoutubeで”耳を塞いでいた”時のことです。たまたま流れてきた『でんぱ組.inc』の「WWDBEST」という曲のMV。

アップテンポで単純に曲も好きで、曲の構成も次から次へと展開していって、これいくつサビあんだ!?みたいな贅沢な展開に単純に衝撃を受けたというのもあって。。これが自分とでんぱ組.incとの運命の出会いでした。

へぇ、でんぱ組。。。他にどんな曲を歌っているんだろう?といろいろ調べていくうちに名曲達と出会う。アップテンポな曲やバラードだったり幅の広い。なんだ、結構自分の好みに合う曲を歌ってるぞ、ちょっとこれからチェックして見ようかな、って感じになっていつしかYoutubeではいつもでんぱ組.incのMVをガンガンに流して”耳を塞ぐ”様になってました。

単に楽曲が好きという点だけではなくこの『でんぱ組.inc』は自分が大手のアイドルを見て勝手に持っていたイメージを大きく覆しました。アイドルはお客さんに見せるのは綺麗なキラキラな姿。というイメージだったのが、このグループは自分のコンプレックスや過去の闇みたいなものをさらけ出し、それでもマイナスからのスタートで頂点取ってやるという野心みたいなものがコンセプトにあって、それがどん底に落ちている自分に刺さって自分の姿をでんぱ組に投影して感情移入したのかなって思います。

かくして無事その仕事を終え、特に大きな問題も起きず大役を果たしたわけですが、その後ようやく生活が落ち着いてきて時間もできたこともあって、大事な局面で人生を救ってもらったと言っても過言ではないので一回だけでもライブに行って生で見てみたい、そして遠く離れた客席からで向こうには聞こえないだろうけど直接自分の口から『ありがとう』をでんぱのメンバーに伝えたい。っていう感情が浮かんできてライブ情報を調べたんですが、当時ちょうどでんぱ組.incはメンバーの脱退問題で活動予定が立っておらずライブどころかグループとしての活動もなかったのでしばらくもやもやした日々を送っていました。

そんなある日、その年末にでんぱ組.incの活動再開。大阪城ホールで約1年ぶりのライブということでさすがに大阪はいけなかったんですが、その公演の中で新メーンバー2人の追加発表があったり新曲を披露したりと今後の期待が高まりました。

そして発表された全国11公演でまわる「コスモツアー2018」の会場として静岡県も含まれていて、ついに来たか!という感じで早々にチケットを取ってライブに参加してきました。

そこでアイドルのライブは人生初体験だったんですが、アイドルのライブには独特のペンライトを振ったり、曲に合いの手を入れる「コール」や「MIX」の様な”こちら側からもアウトプットする”ことによって会場が盛り上がるという文化があり、それが会場全体の一体感に繋がって単に音源を聞くのとは全然違うライブ独特の楽しさを全身で浴びました。

そして肝心の「ありがとう」を精一杯の大声で伝えられたし、1回きりでこれで満足...って思っていたのに、あの熱い感情が会場を去って帰路についた後にもなかなかさめずに結果として「また行きたい」という感情がどんどん湧いてきて、そこがでんぱ組.incの沼にハマった瞬間でした。

普段何気ない時に聞いても刺さらないものでもその時の”心のコンディション”によっては刺さるということもあるのでやっぱりそのタイミングで出会えたのは運命的な何かなんだろうなと感じました。自分は落ちた時は無理やりでもテンション上げてまあ元気出せよ、考えるのやめてバカになろうぜ!っていう感じが当時刺さったんだろうなって思います。

人の心って不思議ですね。皆さんもそういう出会いありますか?そういうものを一つ一つ大切にしていきたいですね。

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