お化粧、やめた

それはいつのことだったか、乳液をきらした。

同じシリーズの化粧水だけが取り残された。

買い置きはなくて、でも、新たに買う気にもなれなかった。


そこで、以前買ったまま、置きっ放しになっていたお試しセットを開封した。

洗顔石鹸から、化粧水、乳液、美容液まで揃っているもの。

説明書を見て、その通りに使用してみた。

使う量から、顔への塗り込み方まで、丁寧にお手入れした。


肌に何か変化があるものだろうか?

そう思いながらのお試しだったが、結果として

変化を実感することはなかった。

いつしか丁寧なお手入れは、雑になり

そのうち使用をやめた。


洗面台に使いかけのお試しセットと取り残された化粧水。


仕方なく化粧水だけをつけるようになった。

乾燥する季節になれば、乳液も欲しくなるだろう。


そう思ったりもしたが

欲しくはならなかった。

特に肌が乾燥しているようには感じなかったから。


日々忙しくする中で、次第に化粧水も休むようになった。

たまの休みくらい大丈夫だろうと思う気持ちと同時に

少し心の中で確信している部分もあった。


何を?


基礎化粧品、なくても平気なんじゃない?


化粧水を使わない間隔が、少しずつ長くなる。

肌に目立った劣化はない。


そのままいつしか

化粧水を塗らなくなった。


いつか

肌の衰えが目立ったらまた

その蓋を開ける日が来るかも知れない。


とはいえその日は当面

来そうにはない。


正直楽だ。

日々お手入れに費やす時間は微々たるものでも

やるとやらないでは、気持ちがずいぶん違う。

やらない、は、とてもシンプルですっきりする。


化粧品に費やすお金も浮くし、

買いおきや、次に使う化粧品を考える必要もなくなる。


やめて正解。

それが今の私の答え。



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